「もうちょっとだけ冥界譚について語ろう」
「何か語ることはあるの?」
「内容に関しては無い。読めば分かるように書いてある。しかしタイトルには非常に苦労した」
「なんで?」
「おそらくヤマトファンは、【宇宙戦艦ヤマト】という7文字が入っていない限り自分に関連したものだと認識しないだろうと思えた。だから、7文字はどうしても必要だ。しかし、単にこの7文字を書いてもダメなのだ」
「なんで?」
「既に知っている話を詳細に書いただけなら読まなくても分かると思われるからだ」
「それで?」
「違うことが書いてあって読む必要があると分からせるために、冥界という文字を追加した。冥界は作中の重要ワードであるし、原作には登場しない用語だ。読まずに分かってしまうことを抑止できる。これで9文字」
「9文字は長いね」
「そうだ。あとはもう追加するにしても1文字だ。しかし、作品のムードをどうしても伝えたい」
「なんで?」
「正しい人間に届いて欲しいからだ」
「それで?」
「そのために、最後に譚という1文字を追加して「宇宙戦艦ヤマト 冥界譚」というタイトルが成立した。これ以上長くはできないぎりぎりだ。この譚という1文字だけが事実上のタイトルなのだ」
「つまり、事実上1文字で作品のタイトルを考えたわけだね」
「苦労したよ」
BGM §
「原稿書きの作業期間は?」
「けっこう長い」
「どれぐらい?」
「第七章終了後に始めたと思えばおおむね間違いない」
「作業中はどんな音楽を流してた?」
「作業の最終段階は、さらば宇宙戦艦ヤマトの最初のオリジナルサウンドトラックのCDをヘビーローテーションしていたな」
「2199ではないのね」
「2199のサントラCDは死ぬほど聞きまくったからな。今は原点回帰の時期だ」
「小説の内容も原点回帰か」
「そうだ。新見も岬も原田も山本(女)も出てこない。榎本さんも出てこない。ヤマト1974だからだ」
「それは意味のある狙い目かい?」
「そうだ」
「どこが狙い目?」
「ヤマト2199と冥界譚は同じヤマト1974というインプットから産まれたにも関わらず、これほどまでに中身が違う驚きを味わって欲しいからだ」
感想1号 §
ID: 20131029173126
Subject: 宇宙戦艦ヤマト 冥界譚【第1稿・PDF版】
Keyword: 【▲→トーノZERO→アニメ感想→宇宙戦艦ヤマト】
URL: http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20131029173126
名前: トモネコ
本文:
「グリーンヤマトと同じ衝撃!!」
トーノ版ヤマト、一気に読ませて頂きました!
一言で言うと「またもや問題作!」ですね(汗)
私は以前限定公開された森雪の小説と石津版を読んでいるので楽しめましたがどちらも知らずに初めて「冥界ヤマト」を読んでしまうとトラウマになりそうですね(汗)
トーノ様のグリーンヤマトの模型と同じ凄い衝撃で、好きな人はハマり、嫌な人は「私達のヤマトになんて事をするんだ!」と怒り心頭では?
2199を物足りなく感じている旧作ファンは楽しく読めると思いますが2199ファンの若い人や女性ヤマトファンにはショツクが大きいと思います。
「ありがとう。以上だ」
「衝撃でいいわけ?」
「何も感じないなら読まなくてもいい小説なので、『驚き』を感じさせることを狙って書いた。だから衝撃と言ってくれるのは狙い目が当たったことを意味して非常に嬉しい」
「嫌な人は怒り心頭だと思う?」
「思う」
「なぜ?」
「実はいくつかの暗黙の重要設定を外してしまったからだ。人によっては、それを理由にこんなのヤマトじゃないと言うだろう」
「そこまで分かっていて、なぜ外したの?」
「作品の矛盾を解消するためだ」
「これを読んでトラウマを持つ人がいたら君はどうする?」
「嬉しいな。トラウマを与えられるだけのものが書けたのなら、嬉しいことだ」
「トラウマが嬉しいのかよ」
「ヤマト1974はおいらにとってのトラウマだ」