「めとろんさん、トモネコさん、紛らわしい描写を書いてしまって失礼しました。お詫び致します。悪いのは書き方が悪かった自分です」
「僕からも誤ります (ぺこり)」
なぜヤマトネタでナデシコとエヴァンゲリオンを控えるのか §
「しかし、理由は聞きたいよね」
「よろしい。説明しよう」
「理由はあるのかい?」
「いくつか、ある」
「では主なものを教えてくれよ」
- 良く知らないから
- 好きではないから
- ヤマトファンがそれらに精通しているという前提が置けないから
「良く知らないから、とは?」
「読んで字のごとく良く知らないから。エで始まるアニメのアで始まるキャラクターと言われてもアスカがすぐ出てこないぐらい良く知らない。知識と知っていても、すぐに出てこない。重要とは見なしていないからだ」
「好きではないからとは?」
「文字通り好きではない。比較的同時期のアニメなら無限のリヴァイアスは好きだけど、ナデシコとエヴァンゲリオンについては何が面白いのかすら分からなかった。周囲と話を合わせるためにテレビを見たけどね。それだけのことだ」
「それだけとは思えない」
「そうだ。ナデシコは20世紀最後の宇宙戦艦アニメと宣伝しておいて結局ロボットアニメでしかない。騙されたという怨みこそあれ、誉める要素は何も無い」
「エヴァンゲリオンは?」
「マニア向けマイナーコミック誌などで良く出てくる典型的なパターンで飽き飽きした。新鮮味が何も無い。しかも、たいてい最後はグダグダになって終わるタイプ。事実として最後はグダグダになった。あまりにも良くある典型的なパターンで無駄な時間を使ったと思うしか無いが、なぜか社会が盛り上がってしまって取り残された。ぽつーん」
「おいおい。ぽつーんかよ」
「しかし、この2つは実はどうでもいい条件なのだ」
「なんでどうでもいいの?」
「あくまで自分個人に属する問題だからだ」
「では最後の1つが重要ということ?」
「そうだ」
なぜ前提にできないのか §
「ヤマト天界譚とは、ヤマトファンに読んで頂くための小説だ。まずこれが大前提。まず、ヤマトファンが理解できることを前提に書かれている。この場合のヤマトファンは、以下の条件を満たす人を意味する」
- 少なくとも昭和ヤマトは全部見ている
- いきなりヤマトIIIネタを振られてもビビらない
- 他の条件は特に指定しない。性別もアニメを見る習慣も関係無い
- SFの知識は要求されない
- ミリタリーの知識は要求されない
- アニメの知識は要求されない
- オタクの知識は要求されない
「それはどういうこと?」
「だからね。読者にはシェイクスピアはベーコンだという説があるとか、空母赤城が本当は空母の名前ではないとか、そんな前提知識を要求してはいけないわけ」
「なら、何を要求してもいいわけ?」
「少なくとも、昭和ヤマトは全部見た、というレベル」
「つまりどういうこと?」
「たとえば、以下は説明無しに小説で採用して良い話題」
- 加藤はブラックタイガー隊の隊長だった
- 相原は通信班長だった
- アナライザーはスカートをめくる
「では説明無しに採用できない話題とは?」
「たとえば、こういう話題」
- 4号戦車H型の砲身は初期型よりも長い
- 戦艦大和の副砲は当初三連装四基12門だったが、半数は撤去された
- 宇宙戦艦ヤマモトヨーコがこき下ろす京都の花札屋とは何か
「ではどこに境界線があるんだい?」
「境界線は、実は曖昧なんだ」
「どうして?」
「1970年代は娯楽が少なくアニメも少なかった。だから、男女や年齢の違う者達が割と同じ番組を見ていた。実は同世代ならば通じる話題は多い。だから、ヤマトファンの相手だと思ったのにサンダーバードが通じてしまうとか。そのような状況は多い」
「そうか。ならばサンダーバードはOKなんだね?」
「そういう問題ではないのだがね。実は、1980年代から90年代00年代と進んでいくとその前提は徐々に崩れていき、知っているアニメそのものが一致しなくなるのだ。好きなアニメも一致しなくなり、熱心に見たアニメも一致しなくなる。前提知識が成立しない可能性はどんどん高くなる一方だ。だから、90年代以降でヤマトファンの共通認識として使用できる話題は存在しないと思った方がいい」
「そんなものかね?」
「事実として、2199放送が終わると話題が余りにも違いすぎてTwitterのフォローから外した人も多いぞ」
「ホントかよ」
「タイバニとか、進撃の巨人とか言われても、おいらには全く分からない」
「……君なら分からないかもしれない。常識無いから」
「分かってるじゃ無いか。えっへん」
「誉めてない」
「実は例外的に松本零士ネタはかなり通じる。ヤマトファンの集まりであるはずなのにハーロックの映画の話題をみんな話しているという状況は実際に目にしている。そこまでは拡大解釈で範囲としても良いと思う。ただし、明示することは重要だ」
「拡大解釈か」
「というわけで大ざっぱに説明しよう。話題として使える程度表だ」
- ヤマトネタ 暗黙の前提で使える
- 松本零士ネタ 明示的な前提で使える
- 70年代~80年代 説明付きで使おうと思えば使える
- 90年代~ 使えない
「天界譚の場合はどうなんだ?」
「ヤマトネタは一切の前提無く使用している。だから土門も新米も北野も伏線抜きで登場する」
「松本零士ネタは?」
「レージ酒場というネーミングは松本零士ネタの明示だ」
「70年代~80年代ネタは?」
「飛べ西遊記。ケンちゃんチャコちゃんは全て説明を加えた上で使用している」
「90年代以降のネタは?」
「一切使わないのが前提だ。使う必要も無い」
「それは重要なことなのかい?」
「そうだよ。ぜんぜん知らないことを前提にされた、という言葉は聞きたくないからね」
「そもそも、サーシャの性格がアスカ由来ではないことを確実に説明できる?」
「できるぞ。飛べ西遊記にせよ、ケンちゃんチャコちゃんにせよ、ネタは説明をした上で使用している。アスカに関する説明がない以上、それは意図した用法ではない」
オマケ §
「ちなみに、ヤマトファンの全員がオタクでは無いので、白スク水という用語も説明して使っている。ヤマトファンの全員が同じ常識が通用する仲間だと思うのは実は大いなる間違いだ」
「証拠は? 俺達は証拠が欲しいんだ」
「事実、オタクのヤマトファンが喋る話題の一部は自分には通じていない」
「えー」
「他にミリタリー的な常識を一切持たない女性ファンもヤマトを見ているし、SFの知識はなくミリタリー的な視点でだけ見ている人もいれば、逆もいる。ファン層は多様だ。たまたま自分が軍艦を多少分かっていて、それを話題にできるからといって、読者にまでそれを要求しているわけではないよ。それは要求してはいけないことなんだ」
「どういうことなんだよ」
「軍艦を分かれ、という要求は、おいらに向かってエヴァンゲリオンを讃える唱和に参加しろというのと同じぐらいナンセンスだってことだ」
「参加しないのかよ」
「前から言っている通り、自分はエヴァンゲリオンのどこが面白いのか全く分からない。好きな人が映画を見ることを妨げるような無粋な行動には出ないから、好きな人は見ればいい。でもおいらが行きたい場所はそこではない。それだけだ」
「お互いの趣味は尊重しなければならないってことだね」
「そうだ。あなたが妙高を好きであってもそれはいい。おいらは5500t軽巡の方が好きだけど、だからといってあなたの趣味を否定しようとは思わない。だから自分も趣味も否定されたくはない」
「って、言ってるそばから喩えが分かりにくいでしょ! 艦これネタだと思われたらどうするの!」
「うん。艦これ関係無いから。実は艦これもぜんぜん分からない」
Subject: 宇宙戦艦ヤマト 天界譚~「ヤマト完結編」完結編~【第四稿】について+α
Keyword: 【▲→トーノZERO→アニメ感想→宇宙戦艦ヤマト】
URL: http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20131218141449
名前: トモネコ
本文:
「無し、なし、ナシでありますか(T_T)」
申し訳ありません(泣)
大きな勘違い(読み取り違い)をしていたようです!
・エヴァ、無しですか・・
・ナデシコ、なしですか・・
・アキラ、ナシですか・・
私は「完結編」を完結させるの裏の意味でトーノ様がヤマトにいったん決着を付ける決意で70.80.90年代のアニメとTV番組を取り込んだものと考えたもので・・
「負け惜しみを一つ」
文学と芸術は受け取る側が、時には作者が考える以上に考察してお互いに高みに昇るものだと思います。
(私の考察は勘違いですが)
AAAは閃いたと思ったのですが(トホホ・・)
追加された「第五章」は感動しました!
「過大評価してくれるのは有り難い」
「謝るわけだね」
「そうだ。表現力が足りなくて済まない」
「作者が考える以上に考察するってどう思う?」
「そういうことはあろうだろう。自由に考えてくれて構わない。小説とはそのようなものなのだ。ただし、天界譚はエヴァンゲリオンには絶対に行けない」
「なんで行けないわけ?」
「作者がエヴァンゲリオンのことは何も知らないから! 何も書けないよ!」
「ひ~」
「関連性について論じてくれるのは一向に構わない。ただし、作品としてはできるだけ関連性を除去する」
「なぜ除するの?」
「知らない以上、意図しない形で誰かを攻撃する形になったらまずいものね」
「意図せずにか。それは不味い」
「関連性はあると思うの?」
「間接的な関連性はあるだろう。エヴァの監督はヤマトファンだからな。似た要素が出てくることは十分にあり得る」
Subject: 宇宙戦艦ヤマト 天界譚~「ヤマト完結編」完結編~【第四稿】について+α
Keyword: 【▲→トーノZERO→アニメ感想→宇宙戦艦ヤマト】
URL: http://mag.autumn.org/Content.modf?id=20131218141449
名前: めとろん
本文:
トーノ様 こんばんは。
天界譚「第一稿」では余計な邪推で修正をさせてしまい、申し訳ございません。
そのサーシャですが、森雪とそっくりな理由付け、見事だと思いました。
もしかしたら2199新作でも出渕監督はユリーシャと森雪に同じ様な設定を考えているのかもしれませんね(エナジーボールを共有とか)。
森雪との関連で、天界譚でのアナライザーの標的はサーシャかな、と妄想していたらサーベラーに先を越されてしまいました(笑)
アナライザーに何をされても怯むどころか、沖田の前で森雪が振舞った様に自分でやって見せ、スターシャに窘められるのも面白いかなと...
天界譚にもドメルやゲールが出て来て欲しかったですが...もっとも、ゲールじゃ間違いなく地獄行きでしょうけど(笑)
「めとろんさん、失礼しました。紛らわしいことを書いてしまった自分が悪いのです」
「ドメルやゲールは登場しないのか?」
「あっ……。いいアイデアを思い付いた。出そう。クロイツとバーガーとゲットーとハイデルンを配下に引き連れたドメルとゲール。ドメルの圧倒的な戦い方と負け方を思い付いた」
「書き足すのかい!」
主な変更点 §