「ヤマト2199で重要なポイントはゼーリックであろうと思えてきたよ」
「なんで?」
「通常、若くて格好良くて頭が切れるデスラーがガミラスの主役であり、ゼーリックなど私欲に走った脇役に見える。誠の愛国心から行動しているようにはどうてい見えない」
「そうだね」
「ところがね。事実関係だけ見ていくと、愛国心が無いのはどっちかといえば実はデスラーなのだよ」
「自分の星を滅ぼそうとして何とも思わないわけだね」
「そうだ。だからね。行動だけ見ているとデスラーを消そうとしたゼーリックの行動の方がよほどガミラスのためになる」
「なぜ正々堂々と異議を申し立てないわけ?」
「それはできない粛正国家だ。バレラスは変わった」
「暗殺は卑怯とまでは言えない状況なのだね」
「そうだ。そこで次に問題になるのはなぜゼーリックが失敗したのかだ」
「腹心のゲールが無能だったから?」
「ゼーリックはゲールを腹心だなんて思ってないよ。でも、観艦式にすぐ駆けつけたゲールを腹心扱いしてしまった。自分の忠実な手駒と考えたのだろう。でも違った。デスラー総統ラブラブのゲールは、ゼーリックに対する忠誠心を欠いていたのだ。そこを見誤ったことで、ゼーリックは射殺されてしまう」
「なるほど。では本当のゼーリックの同調者は誰?」
「意外とヒスがそうだったのではないかと思えてきた」
「なんで? ヒスは無視されるお飾りではないの?」
「実は、ドメルをバレラスに召喚したのはヒスなんだよ。ヒスはゼーリックの書いた筋書き通りに行動している。そして、おそらくデスラーの生存を知らされていない。おそらくセレステラとギムレーは知っていたがヒスは知らなかった。実はデスラーから信用が無いのだ。でもゼーリックの役立つようには行動した」
「他にデスラー派とゼーリック派を分ける方法はないわけ?」
「実は最終的に第2バレラスに行った人たちと行かなかった人達がいる。ギムレーは行ったが、セレステラとヒスは捨て置かれた」
「セレステラはゼーリック派だってこと?」
「いや、セレステラは別の理由だと思う。女に会いに行くのに女連れは不味い」
「ひ~」
「だから残りはヒスだ。ヒスは基本的に中立の人間だが、ややゼーリック寄りだったのではないか。ゼーリックの消極的協力者だったのではないか。消極的協力は、特に反デスラー的な行動を伴わないので罪には問われない。しかし、罪の無い人間をまとめて抹殺する際に活かしておく理由も無い」
「ヒスを反デスラー的と思う理由はそれだけ?」
「それが為政者のすることかっ、デスラーっ! って叫ぶ。セレステラはそこまで批判的ではない。やはりヒスが特に反デスラー的に振る舞う」
「それだけ?」
「いや。スターシャに謁見するヒスの態度は非常にストレートだった。デスラーもゼーリックも死んだ後には、自分がその役割を担う自覚が最初からあったに違いない」
なぜゼーリックは「断じて違う」のか §
「つまりだな。ゼーリックは反乱を通じて抗議する者であり、さらばの古代と立場が同じなのだ。だから、さらばの古代の台詞を言う。そして、ズォーダーがデスラーとイコールになるわけだ」
「おまえが言うな、という意見が大多数だったあの台詞だね」
「そうだ。ということは、古代らしくない古代は実は古代ではなく、ゼーリックが古代だったわけだ。2199的には」
「ホントかよ」
オマケ §
「ゼーリック専用メカを考えたぞ」
「なんだ」
「ゼーリックラガー。ゼーカイラガーとゼークウラガーと合体だ」
「却下だ」
「じゃあ、ゼーリックドム。スカート付きだ」
「女装は見たくないから却下だ」
「えー」
オマケ2 §
「結局、総統ラブラブのヒロインの座は最終的にセレステラからゲールに移動した」
「ひ~」
「まあ、当たり前だ。あくまでスターシャ一直線のデスラーにとって、本命を競う女など側にはおけない」
「男だったらいいわけ?」
「そうだ。スターシャのライバルにはならない」
オマケIII §
「サーシャ、ユリーシャ、今日から銀河パトロール隊オタスケウーマンを名乗るわよ」
「何それ信じられないスターシャねえさま」
「アターシャ様とお呼び! いいわね、セコビッチ!、ドワルスキー!」
「私たちそんな名前じゃありません!」
「だまらっしゃい。せこくたった1隻の宇宙船で行くから撃ち落とされたサーシャに、地球人の身体を乗っ取って行動したワルのユリーシャ!」
(いちばん悪いのは死にかけの男から生命エネルギーを吸い取ったスターシャだと気付いていないアターシャ様であった)
「ところでゲキガスキーは誰がやるんですか?」
「正体はトンマノマントだから頓馬な奴がいいわね」
「頓馬な奴って……」
「そうだわ。コスモリバースあげると言ったらのこのこ来た地球人はみんな頓馬だから、誰もいいから1人連れてきなさい」