「なんでこれを見たの?」
「小さな黄色い潜水艦の一族という1つの類型があるので、震源はこのあたりではないかと思って」
「ふーん。それで見て中身はどうだった?」
「けっこう面白い。良く出来ている」
「じゃあ、満点?」
「いや。余計なものがちょいと入っている感じだな」
「何が余計?」
- 歌が長くてつまらない (映像は面白いから退屈はしないが……)
- 結論がチープ
「結局なに?」
「映像は良く出来てるし、話もつまらないわけでは無い。でも、ビートルズの音はもの足りないし、思想面はもっともの足りない。安直すぎる」
「ひ~」
「ロックは思想という言い方がされる理由が良く分かる。音だけではつまんないんだ。そして、ロックは思想という言い方が相手にされないのも良く分かる。思想としてもつまんないんだ」
「いいのかよ、そんなことまで正直に感想を言って」
「まあいいだろ。既に評価は確立しているからおいらが何を思ったところで何も変わりはしないだろう」
「そんな映画でも見る必要があるのかい?」
「あるよ。映画は流れで見ないと意味が無いことが分かってきた。一続きの流れは連続した流れとして見ておくべきだ」
「それで何か分かったことはあるかい?」
「実はね。この映画の黄色い潜水艦は空を飛ぶのだ。小さい黄色い潜水艦の眷属(たとえばG4号)はしばしば空を飛ぶが、このへんにイメージソースがあるのかも知れない。まだそのあたりは良く分からないが」