「ある意味で次の展開に入る前の助走みたいなエピソードで、大きな動きはない」
「じゃあつまらなかった?」
「そんなことはないぞ」
「見どころはあるってこと?」
「あるある。一瞬で切られる一空の腕」
「そこかい」
「本当にぜんぜん大事にされていない一空さん」
「慌てない慌てない。一休み一休み」
「で、今回分かったことはフェイトはフェイトなりに筋の通った行動を取っていることだ。そもそも一般人を巻き込みかねない無謀な包囲を行ったのはホルダー側、とフェイトからは見える」
「一般人を巻き込まないのがホルダーの矜持じゃないのか?」
「フェイトからはそうは見えない。こんなに人が多いところで襲う方がおかしいと見える」
「つまりなんだい?」
「フェイトはかなり怒っている。悪党の雪姫の手先達にね」
「雪姫は悪党じゃないだろう?」
「彼からは悪党に見える」
「じゃあ刀太からは?」
「大切な仲間を悪党呼ばわりされて刀太も怒っている」
「じゃあ、無駄な対立じゃないか」
「そうだね。だから面白い。無駄に対立が激化している」
「雪姫のところにいたら刀太は本当にダメになるのかい?」
「既に不死者にされてしまった」
「そうか。大切な仲間の子孫を怪物にするのは悪党のすることだね」