「どうも、ゴルバをかなり誤解していた感じだ」
「どういうことだよ」
「いいか。ロードショー責任編集のムックに載っていた設定資料だ」
- 護衛艦108m
- 三段空母180m
- デスラー戦闘空母260m
- ヤマト265.8m
- プレアデス360m
- ゴルバ720m
「これが何か?」
「いいかい。巨大なデスラー艦がもっと巨大なゴルバに突っ込んだように見えるのだが、実はデスラー艦はヤマト以下。ゴルバはたった720mしかない」
「プレアデスとの比率だと2倍でしかないのだね」
「問題は、そもそもプレアデスが360mに見えないことだ」
「ヤマトより少し小さい感じだね」
「そうだ。ヤマトよりも大きくは見えない。デスラー艦も、デスラー砲がやたら小さいことになり、インパクトに欠ける」
ゴルバの謎 §
「ゴルバの謎とはなんだい?」
- そもそもこれは何を意図したデザインなのか
- どちらが上なのか
- どの向きで描かれるのが最も正しいのか
- イスカンダルに降下する際、エンジンを後に向けて降下していく描写は正しいのか? 意図した通りなのか?
「結局何が問題なんだい?」
「描き方が良くないことが良く分かった。プレアデスは、サイズの問題を別にすれば成功していたと思う。ところがゴルバは違う」
「透過光で窓が描いてあるじゃないか」
「それが下手なんだよ。窓も透過光も。そもそも形状を把握できるほどの窓は無い。スタッフが力尽きている」
「それだけ?」
「いや、実はゴルバは頭でっかちで、バランスがとても悪そうだ。それは弱そうと言っても良い」
「それが正しい向きはどちらなのかという疑問にも繋がるわけだね」
「そもそも、他の黒色メカとはあまりにもコンセプトが違いすぎて、本当に黒色メカなのかを疑ってしまうよ」
更なる調査 §
「パーフェクトマニュアル2を見て分かったことは、このデザインには多くのラフ画が存在している。松本零士、辻忠直、中村光毅、板橋克己らのラフが並んでいた。決定稿は中村光毅ラフに近いが、板橋克己の名前になっている。板橋克己自身のラフはあまり決定稿には似ていないのだが、バランス的には決定稿よりもこっちの方が優秀」
「ぞれで謎解明?」
「そうなればいいのだが、実はそうでもない。結局、中村光毅由来らしい……ということが分かっただけで、なぜこういうデザインなのかという根拠はまだ見えてこない」
「先は長そうだね」
COSMOS §
「板橋克己画集COSMOSから、ゴルバに似た形状のメカを探したら、惑星探査船が出てきた。上のドームだけ残して残りは地面に埋めてしまう。それで宇宙船がそのまま恒久的な基地になる」
「ではゴルバも?」
「船体下部を地面に埋めて、基地にする前提のデザインかもしれない」
感想 §
「てやんでえ。板橋克己画集COSMOS。買って良かった。ヒントがちゃんと転がっていた」