讃えよ素晴らしきMacintoshとマウスの歴史 §
- マウスを発明したのはAppleだ。他社はそれを真似して追従した
- マウスはMacintoshではじめて実用化された
- マウスのボタンは1つが最も正しい
マウスの歴史 §
「独創的なAppleが独走して、保守的な他社は成功すると真似をするばかりなのだね」
「なんてことは無いのだよ」
「は?」
「これは全部間違い」
「えー」
「マウスというのはもともとダグラス・エンゲルバートのもので、どこを原点に捕らえるかは人それぞれだが、普通Appleが発明したとは言わない」
「じゃあ最初に実用化したのは?」
「製品として誰が最初に売ったのかは知らないが、少なくともマイクロソフトの最初のマウスは、Macintosh発売よりも前に売られていたよ」
「そうなの?」
「そうそう。それにApple製品に限っても、Macintoshが初というのは間違い。その前にLisaというマウスを使った製品があるんだよ」
「じゃあ、どこからどう切っても間違いじゃん」
「そうそう。何かを100%間違いと断言するのは難しいが、この場合は明確に間違い」
「でもさ。それを使うソフトが無ければ意味が無いだろう?」
「あったよ。マイクロソフトのマウスにも」
「純正のオマケ程度のアプリじゃダメだよ」
「サードパーティーも含めていろいろあったよ。自分が持っていたのはシステムソフトのアートマスターというお絵かきソフトでね。マウスを使って絵が描けたんだ」
「実用性はあったわけだね?」
「何を持って実用性というか分からないがね。絵なんて誰でも描けるものじゃない。ただ、それを使って描いていた人はいる。そういうレベルの実用性はあった。まあ、それはどんなハードやソフトを持ってきても同じことだがね」
「Macを使おうと絵心が無い人は描けないわけだね」
「そこはもう、技術は関係無い世界」
「じゃあさ。マウスのボタンは1つが最も正しいってなに?」
「初代Macintoshのマウスボタンは1つだったから、それをはじめて見た人はそれが正しいと思い込んでしまった」
「実際はどうなの?」
「よし、では宿題だ。Macintosh以前に存在した研究段階のマウス、ボタンは何個のあったのだろうね? いろいろ調べてみよう」
「宿題かよ!」
「ボタン1つが最も正しいと言いふらしたのもMac信者の迷惑な負の遺産」
「信者は負債しか残さないのだね」
「ってわけで、おいらはマウス入りのアートマスターのパッケージをかつて買ったことがあり、それ以来マウスとお付き合いがある。こっちの方がマウス使用歴が長いのに、もっと短いMac信者が、こちらにわざわざものを教えようというおかしなシチュエーションはいっぱいあったよ」
「マウスを知っているのは俺達だけという思い込みに支配されていたんだね」
「実際には【俺が最初にマウスに触れたのはMacだった】というだけの話なんだけどね。マウスがそれ以前からあったという状況を考える想像力は無かったようで」
「自分が知らない過去は無かったことにしちゃうわけだね」
「信者になるから想像力が奪われるのか、想像力がないから信者になるから。そこは微妙だけどね」
「でも、図書館に行って古いパソコン雑誌を調べるだけで分かっちゃうような薄っぺらい嘘はついて欲しくないよね」
「そうだけど、みんな図書館に行かないから、意外と嘘はばれない」
「ひ~」