「青の6号のスタッフはヤマトの世界に既に来ていたという話をしたわけだが」
「うん」
「まだ甘かった」
「何が?」
「ゲームまで視野を広げると違う光景が見えるからだ」
「というと?」
「【青の6号 歳月不待人 -TIME AND TIDE-】の監督は大倉雅彦さんであった」
[Dreamcast] Blue Submarine No 6 Time and Tide - Rescue of Rau-pa & THE END
「大倉ヤマトの大倉さんだね」
「復活篇の大物。しかも、ヤマト2199の18話絵コンテ25話絵コンテ演出」
「ヤマトに来た大物青6関係者だね」
気付いたこと §
「ヤマト2199でもっと良い艦船描写だと思ったのが【ゲルガメッシュ離床】なのだがね。これは18話だった」
「結局そこも大倉さん」
「接舷のカットまで含めて良いのだがね。離床カットが良いのは、以下の点だ」
- 黒くて細部がよく見えない
- 動きに重さがある
- フレームアウト気味のレイアウト
「なんてよく見えないと良いの?」
「光線は上から来る。下から見上げた空中の宇宙艦は影の面が見えるから暗くて当たり前」
「動きに重さがあるって?」
「ヤマト2199はけっこう動きに重さがないカットが多い。素早く動きすぎる。その点で急いで飛び出しているのが分かるが、過剰に素早く動かしすぎていない長所がある」
「フレームアウト気味のレイアウトって?」
「ヤマト2199のレイアウト上の弱点は、画面のフレームに対して船の全体を綺麗に収めがちで、船と船のサイズ差もあまり実感できないし、船が大きいという演出もあまりなされていない。しかし、フレームアウト気味にレイアウトすることで、ゲルガメッシュがとても大きいことが分かる」
オマケ §
「ゲルガメッシュ人気というものああるのだが、実はゲルガメッシュ大活躍は18話と25話なのだ」
「それで?」
「ゲルガメッシュの大倉モデルというものは存在しないと思うが、実はレイアウトや動きの面で大倉ゲルガメッシュというものが実際にはあって、それが人気に結びついているような気もしてきた」
「おっと。大倉ヤマトという用語は流通しているが、大倉ゲルガメッシュという用語も創造されてしまったね」
「そうするとね。【復活篇のヤマトがいいね】という感想と【ゲルガメッシュが好き】という感想が実は同じ平面上にあることが明らかになってしまう」
「本来なら別作品だったはずなのに、その部分だけは同じ世界につながっていたんだね」
「そうだ」
「ゲルガメッシュは全部大倉ゲルガメッシュ?」
「いや、第10話は別。千明ゲルガメッシュとでも呼ぼうか。ちょっと描き方が違う。でもあれはあれで上手いので、ゲルガメッシュは本当にそういう描写が得意な良い演出家に当たりまくった幸運艦かもしれない」