2015年08月17日
川俣晶の縁側辛口甘口雑記total 1734 count

なぜ【子供を狙った犯罪は増えている】が増えているのか?

Written By: 川俣 晶連絡先

「ちょっと気になったのでな」

「なんだい?」

「Twitterでこういう内容を見かけた」

「最近子供を狙った犯罪が増えた」

「いえ、減ってます」

「数は減ってても凶悪化してる」

「殺人等の重犯罪も減ってます」

「少子化で減ったように見えるだけ」

「人数比で見ても減ってます」

「データがおかしい」

「法務省の犯罪白書です」

「それでも増えている!」

STAP細胞かよ

「凶悪犯罪は昔からあるよね」

「そうだ。文字の上では別に間違ったことを言っていないようだが……。どうも、きな臭い」

「きな臭いとは?」

「詐欺的なトリックが使われている可能性がある」

「は?」

「つまりだね。【騙しのテクニック】によって、何かをねじまげようとしているような気がする。嘲笑のニュアンスもあるしね」

「君だって、Apple信者を嘲笑してるじゃないか」

「ああ。はっきりと相手に不快感を与えて嘲笑するようなことも言うぞ」

「それはなぜ?」

「相手にされたことを一部でやり返しているだけだ。どうやら罪の意識すら無いようなのでな。少しは気付よって言ってるだけだ」

「言葉が通じない相手なので態度で示しているわけだね」

「言葉が通じていれば、これほど事態はこじれない」

「では、この犯罪のツイート問題って何が違うの?」

「これはね。【数字は嘘をつく】というパターンの詐欺の定番ではないか、と思うのだよ」

「数字は嘘をつくとは?」

「話をシンプルにするために問題を立て直そう」

  • 【子供を狙った犯罪は増えている】という主張が存在る
  • 数字の裏付けがない。数字の上では犯罪は減っている

「ふむふむ。それで?」

「ここでの問題は以下の収束される」

  • 体感上、子供を狙った犯罪は増えていると感じている人達は多い
  • 実際の数字は減っている

「そこで注目すべき点はなに?」

「【数字に反する主張を行う者は馬鹿】……という風潮はあまり建設的ではない。むしろ思考停止なのだ」

「本来なら、なぜ誤認する人が多いのかと考えるべきなのだね」

「そうだ。正しい数字を知っている僕は賢く、数字を把握していない他者は馬鹿であると言う主張はあまり意味がない。たいていの場合、賢い僕はいくつもの数字を把握しておらず、テーマを変えるとすぐに馬鹿になってしまうからだ」

「じゃあ、なぜ【子供を狙った犯罪は増えている】と感じる人は多いのだろう?」

「おそらく、子供の値打ちが違うからだ」

「は?」

「たとえばね。貨幣の価値は大きく変わる。1円の価値は同じではない。円タクが出現したころの1円はタクシーに乗れる金額だったが、今は1円ではとても乗れない」

「子供に値段が付くのかい?」

「もう値段がつかないぐらい高騰しているのだよ」

「昔は値段が付いたみたいじゃないか」

「付いたんだよ。いろいろとね」

「ひ~」

「一組の夫婦が作る子供の数が多かった時代、命の値段は安かった。大人になる前に死んでしまう子供も当たり前。家を相続できない次男三男は自分で生きる道を見つけねばならなかった。しかし、今は子供は1人か2人が多い。絶対に死なせることはできない。死んだら代わりはもういないのだ」

「命の値段の高騰だね」

「そういうことから考えると、【子供に対する脅威】の水準は同じではないので、実際に数値化された脅威が減っていても、リスクの水準はむしろ高くなる」

「分かったぞ。子供を狙った犯罪の話は、昭和の円タクの料金と、平成のタクシーの料金を貨幣価値を無視して比較するようなもので、なんら公平な比較になっていないのか」

「そうだ。これが数字を使った詐欺的トリックの1つ。基準の違う数値の比較だ」

「じゃあ、【子供を狙った犯罪は増えている】という主張は正しいの?」

「適切な主張とは言えないよ。しかし、何かの問題の表明ではある。適切な言葉で表明されていないからといって、問題が存在しないとも言い切れない」

「何か、説得力があるな。実体験があるのか?」

「あるとも。一般人のバグのレポートはたいてい内容が間違っている。再現条件や環境や手順は、かなり本人の思い込みで書かれていて、あまり当てにならない。実際のデバッグは再現条件を探るところから始まる。でも、そのことは、単に表現が不適切というだけで、バグの不在を意味しているわけではないよ。かなりの割合で本当にバグはある」

「なんてこった!」

Facebook

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「数は減ってても凶悪化してる」

「殺人等の重犯罪も減ってます」

「少子化で減ったように見えるだけ」

「人数比で見ても減ってます」

「データがおかしい」

「法務省の犯罪白書です」

「それでも増えている!」

STAP細胞かよ

「凶悪犯罪は昔からあるよね」

「そうだ。文字の上では別に間違ったことを言っていないようだが……。どうも、きな臭い」

「きな臭いとは?」

「詐欺的なトリックが使われている可能性がある」

「は?」

「つまりだね。【騙しのテクニック】によって、何かをねじまげようとしているような気がする。嘲笑のニュアンスもあるしね」

「君だって、Apple信者を嘲笑してるじゃないか」

「ああ。はっきりと相手に不快感を与えて嘲笑するようなことも言うぞ」

「それはなぜ?」

「相手にされたことを一部でやり返しているだけだ。どうやら罪の意識すら無いようなのでな。少しは気付よって言ってるだけだ」

「言葉が通じない相手なので態度で示しているわけだね」

「言葉が通じていれば、これほど事態はこじれない」

「では、この犯罪のツイート問題って何が違うの?」

「これはね。【数字は嘘をつく】というパターンの詐欺の定番ではないか、と思うのだよ」

「数字は嘘をつくとは?」

「話をシンプルにするために問題を立て直そう」

  • 【子供を狙った犯罪は増えている】という主張が存在る
  • 数字の裏付けがない。数字の上では犯罪は減っている

「ふむふむ。それで?」

「ここでの問題は以下の収束される」

  • 体感上、子供を狙った犯罪は増えていると感じている人達は多い
  • 実際の数字は減っている

「そこで注目すべき点はなに?」

「【数字に反する主張を行う者は馬鹿】……という風潮はあまり建設的ではない。むしろ思考停止なのだ」

「本来なら、なぜ誤認する人が多いのかと考えるべきなのだね」

「そうだ。正しい数字を知っている僕は賢く、数字を把握していない他者は馬鹿であると言う主張はあまり意味がない。たいていの場合、賢い僕はいくつもの数字を把握しておらず、テーマを変えるとすぐに馬鹿になってしまうからだ」

「じゃあ、なぜ【子供を狙った犯罪は増えている】と感じる人は多いのだろう?」

「おそらく、子供の値打ちが違うからだ」

「は?」

「たとえばね。貨幣の価値は大きく変わる。1円の価値は同じではない。円タクが出現したころの1円はタクシーに乗れる金額だったが、今は1円ではとても乗れない」

「子供に値段が付くのかい?」

「もう値段がつかないぐらい高騰しているのだよ」

「昔は値段が付いたみたいじゃないか」

「付いたんだよ。いろいろとね」

「ひ~」

「一組の夫婦が作る子供の数が多かった時代、命の値段は安かった。大人になる前に死んでしまう子供も当たり前。家を相続できない次男三男は自分で生きる道を見つけねばならなかった。しかし、今は子供は1人か2人が多い。絶対に死なせることはできない。死んだら代わりはもういないのだ」

「命の値段の高騰だね」

「そういうことから考えると、【子供に対する脅威】の水準は同じではないので、実際に数値化された脅威が減っていても、リスクの水準はむしろ高くなる」

「分かったぞ。子供を狙った犯罪の話は、昭和の円タクの料金と、平成のタクシーの料金を貨幣価値を無視して比較するようなもので、なんら公平な比較になっていないのか」

「そうだ。これが数字を使った詐欺的トリックの1つ。基準の違う数値の比較だ」

「じゃあ、【子供を狙った犯罪は増えている】という主張は正しいの?」

「適切な主張とは言えないよ。しかし、何かの問題の表明ではある。適切な言葉で表明されていないからといって、問題が存在しないとも言い切れない」

「何か、説得力があるな。実体験があるのか?」

「あるとも。一般人のバグのレポートはたいてい内容が間違っている。再現条件や環境や手順は、かなり本人の思い込みで書かれていて、あまり当てにならない。実際のデバッグは再現条件を探るところから始まる。でも、そのことは、単に表現が不適切というだけで、バグの不在を意味しているわけではないよ。かなりの割合で本当にバグはある」

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