「らんま1/2のファンアートを見ていると、実は以下の特徴に気付く」
- 女らんまの比重が極めて高い
- 実際の作品のらんまは、女であることをあまり受け入れていないのだが、ファンアートでは女を受け入れている場合が多い (相手はクラスメート、響良牙、八宝菜、その他未知の男)
「男に戻ろうとしないで、男を相手にしてしまうわけだね」
「その理由はいろいろあるだろう。男の気持ちが分かる女らんまであれば、男の欲望を受け入れてくれそうな期待感があるのかも知れないし、ファン側が自分も女になってしまいたい欲望があるのかも知れない」
「ふーん。それで?」
「その前提で、らんま1/2の「ド・ン・マ・イ来々少年 Don't mind lay-lay-Boy」を聞いたときにハッと思った」
「この歌の歌詞は本来なに?」
「おそらく、あかねから男乱馬への心情を歌ったもの。以下のような内容を歌っている」
- 相手が落ち込んでいる
- 元気な相手が好き
- 喧嘩をしたい
- 内緒だがずっと愛していた
- 浮気しちゃうぞ、と脅す
- 相手がかまってくれないと、ロンリーガールだ
- 今だけ君のために女になりたい
「がさつな天道あかねが、女らしくなりたい歌なのだね」
「おそらくそうだろう。しかし、ここで歌の語り手と相手の名前を入れ換えてしまおう」
「は?」
「すると、女らんまと響良牙に関係があるという一部ファンアートの解釈と合わせると、妙に筋が通ることに気付いた」
- 相手が落ち込んでいる (響良牙はPちゃんになって落ち込んでいる)
- 元気な相手が好き (響良牙は無駄に元気)
- 喧嘩をしたい (乱馬と良牙はいつも喧嘩している)
- 内緒だがずっと愛していた (本当は響良牙を愛していた乱馬。ホモである)
- 浮気しちゃうぞ、と脅す (女らんまの周囲に男は多い)
- 相手がかまってくれないと、ロンリーガールだ (響良牙は、あまり乱馬とのラブラブ関係に興味を持っていない)
- 今だけ君のために女になりたい (乱馬は本体男である。ホモではない響良牙と深い関係になるために、女になりたい)
「な、なるほど。ホモか」
「そうだ。本来乱馬はホモということになってしまう」
「それでいいの?」
「実は乱馬にはあかねに対するデリカシーの無い言動がけっこう目立つ。ホモなら無意識的にあかねをないがしろにしても筋が通る」
「ひ~」
「しかし、響良牙はホモではない。響良牙の欲望は常に女に向かう。ここで、女らんまと響良牙の心はすれ違ってしまう」
「そこがドラマなのだね」
「各人が変身する姿が、心の奥底で望んだ姿だとすると、乱馬が望んだのは響良牙から愛されることができる女の身体であり、響良牙が望んだのは女性達から可愛がられるマスコット動物ということになる。これも見事にすれ違っている」
「そうか、シャンプーの猫は気まぐれなペット。じゃあ、ムースのアヒルは?」
「ムースなんてもうほとんど忘れてしまったよ!」
乱馬ホモ説 §
「乱馬は、実はあまり他の女に興味を示さない。しかし、男に戻ることには固執する。これは具体像を結びにくい特徴だ」
「男に戻って女性を愛することにはあまり熱心ではないわけだね」
「でもね。実は乱馬はホモだと考えて、男として男と愛し合うために女を直したいと思うならば、これで整合してしまう」
「ひ~」
結語 §
「で、この解釈は正しいの?」
「正しくない……はずだ」
「正しくないのになぜ語るの?」
「面白いからだ」