「実は、自分の個人史において、宇宙戦艦ヤマトとは特別な意味を持つことに気づいた」
「それはなんだい?」
「子供の頃アニメをたくさん見たからアニメの話ができるように見えるかもしれないが、アニメ以外もたくさん見た。今もアニメも見るが実写は遙かに多く見る。特にアニメが好きというわけではない」
「だからどうした」
「ならば、アニメは見るに値すると思うことができた契機は何か?」
「なんだろう?」
「ロッキーチャックかもしれないし。トリトンかも知れないが、それはまだ予兆レベル。真の契機はヤマト1974だろう」
「なるほど。それが特別な意味だね」
「いや、それは半分」
「えっ?」
「それは夢を持った契機の話。次は夢を失った契機の話」
「君がアニメを見限ったのは2004年のファフナーの時だろう?」
「厳密に言うと、オタクというものを見限った時だな。作品は悪くなかった」
「な、なるほど……」
「では、アニメそのものを完全に見限ったタイミングは何か。凄く白けたタイミング」
「それはどういう意味で捉えればいいんだい?」
「だからさ。Hasegawaの1/72のバルキリーのランナーを見た時、【これは飛行機のラインじゃない】と分かって白けちゃって、それが良く分かる製品作りができるHasegawaの株が上がり、それっきりマクロスには何の感動も無くなったのと同じような意味での【白け】だよ」
「白け鳥飛んでいく東の空へ。惨め。惨め♪」
「いや、それは関係ないから」
「じゃあ、白けたタイミングっていつなんだよ」
「宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟」
「そうか、分かった。君に取ってのアニメは、ヤマト1974で始まり、星巡る方舟で終わったという意味で、始まりと終わりもヤマトなのだね」
「そうだ。結局、それだけの話になってしまった」
個人的に続編が盛り上がらない理由 §
「それでも続編の話はあるじゃないか」
「みんなアンドロメダの話しかしない」
「君はさらば宇宙戦艦ヤマトの昔から、アンドロメダはそれほど好きでは無く主力戦艦派だったわけだね」
「そうだ。みんなと一緒にアンドロメダで盛り上がれるかと言えば、それも無理」
「では、続編は否定するのかい?」
「否定はしない。ニュートラルになるだけだ。過去の経験上、全てのアニメは見るまで分からない。全ての映画は見るまで分からない。何かの予断を入れるのは愚かしいことだ」
もうヤマトはやめちゃうの? §
「もうヤマトはやめちゃうの?」
「やめはしない。身体に染みついたヤマトは今更消えない」
「なら何が変わるの?」
「音楽が宮川泰の日本一のゴリガン男を見るような方向に向かうのさ」
「そんな、ゴリガンな」
「じゃあ別の言い方をしよう。2199以外のヤマトは全て肯定する」
「特にスカートめくりとヤマト2のシーツだね」
「……」