「なぜこれを見たんだい?」
「ライダーと戦隊は皆勤賞が前提だと思うし、時々テレビとリアルタイムでリンクする場合があるから」
「それで見た感想は?」
「安直な展開が増えたなあ。まあ、一度終わったと見せかける演出は上手かった。でも、全般的にストーリーの組み立てが安直。未来のタケルが説得するだけで過去のタケルが納得してしまうとか。昔のWだったら、別の次元のスカルが出てきて、死んだはずのスカルと対面するシーンがあってあれは納得したが、今回は空に死んだ人の顔が浮かぶだけ。工夫が落ちている」
「ではつまらない?」
「いや、些末な各論に突っ込んでいくと、いろいろ工夫があって面白い」
「たとえば?」
「2号ライダーや、変身しないサブキャラの活躍が凄く手厚い。まさか、サブキャラのみんなもラストバトルの乱闘に加わるとは。そこは良かった」
「他には?」
「小さいアカリがパジャマで大の字で縛り付けられている所は色気があって良かったねえ」
「ひぃ~」
「あとはドライブの上司のおっさん、変身まで見せてくれて、しかも、あの世に行くバス停では物まね芸を一杯見せて、楽しませてくれた。せっかく変身できるのだから、トッキュー7号と共演して欲しい」
「それはいいから」
「それから、最後の結婚式でガンマはゴースト、人間は刑事の泊進ノ介ということになるが、その時に【人間の方は恐いことがある】とサラッと言うタケルは鋭かったな」
「じゃあ、あえて質問するぞ。一番ずっこけたところはなんだ?」
「ルネサンスの巨匠に、父さんのアイコンで対抗したところかな」
「……」