2016年08月01日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマトtotal 503 count

ヤマトは兄か、ヤマトは父か、それともヤマトは泥船か

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

「ヤマト2199が始まった頃は、なんでスタッフ側に自分がいないのかと思ったこともありました」

「過去形?」

「そう過去形」

「今はどう思っているの?」

「ヤマト2199という船に乗らなくて良かった……と思っている」

「その理由は何? 行き着く先があの方舟じゃなあってこと?」

「まあ、それもあるが話はもっと根深い」

「というと?」

「アニメは集団作業であり、ほぼ100%が人間関係で形作られる」

「それで?」

「結果的に誰の思いもフィルムに乗らない。漠然としたスタッフ全体の総体の思いがぼやけた像を結ぶだけだ」

「それがアニメの長所でもあり短所でもあるわけだね」

「そうだ。一人の思いだけではないから豊かではあるが、その代わり純度は下がる」

「つまりなんだい?」

「結局ヤマトは泥船なんだ。ヤマトという存在は実際のアニメ製作現場ではどんどん水に溶けて崩壊していく。スタッフは必死に水を汲み出して沈むことを阻止することになる。解けて無くなる前に製作を終了できれば勝ちだろうが、その時点で原形が残っていない可能性もある」

「もっと分かりやすく言うと?」

「二重銀河を突っ切っても、もう1つの地球にしか行けない。本当に驚異の世界には、それでは行けない」

「もっと分かりにくいよ」

「実際に、スタッフとして小林誠さんの名前がクレジットされたアニメと、個人作品集のHyperWeaponを見比べてみろ。同じデザインがまるで別物に見える場合があるぞ」

「じゃあ、改めて何か分かりやすい説明を」

「YAMATO2520も泥船だったが、完成する前に溶けて無くなってしまった。ヤマト1974も泥船だったが、第3艦橋が溶け落ちるぐらいの損害で何とか切り抜けた。何か前例のない凄いものを作るという決意がスタッフを結束させたのだろう。しかし、そういう高揚感が消えると、ヤマトという存在は徐々に溶けて広がって行ってしまう。後がないという危機感があるヤマトIIIぐらいになると、やっと少し緊張感を取り戻せているのだがね。完結編になるとやはり難しくなる。実際にはそれを最後にする気がなかったからだ」

「そうか」

「ヤマト2199にしても、このまま走りきれるか不安感のあった第三章あたりの出来がもっとも良くて、続編も視野に入ってきた終盤はだらけて来たような印象はある」

「では、話をまとめてくれ」

「結局さ。アニメのスタッフをやるというのは【仕事】なんだよ。自分の技能が必要とされるのでお手伝いする。それでオシマイ。出来上がったものはどうなるか分からない。面白いか面白くないか。人気が出るか出ないか。そもそもそれはスタッフの才能だけでは決まらない問題なのだ」

「つまらないアニメを作ろうと思ってアニメを作る人はいないが、それで面白くなるかは別問題ということだね」

「そうだな」

「結局、ヤマト2199という作品を見ていて学んだことはそこかい?」

「そうだな。あの懐かしいヤマトをリメイクする場にいたら幸せかもしれないというのは幻想で、結局そうではないことが分かった」

「仮に仕事をするとしても、それは仕事だから相手を立てて自分にできることをして終わると。そういうことだね」

「そうだ。作品が成立し、ビジネスが成立し、スタッフは給料をもらい、出資者は配当をもらう。それが理想像であって、自分が望む作品を世に送り出すことは2次的、3次的な目的に後退する世界だ」

「それでいいの?」

「飢えるよりはマシだぜ」

「で、君はこれからどうしたいの?」

「縁があればアニメの仕事をすることがあるかもしれないが、それは仕事。思い通りのことをやりたいのであれば、他のどこかでやる。それだけだ」

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ヤマトは兄か、ヤマトは父か、それともヤマトは泥船か

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「ヤマト2199が始まった頃は、なんでスタッフ側に自分がいないのかと思ったこともありました」

「過去形?」

「そう過去形」

「今はどう思っているの?」

「ヤマト2199という船に乗らなくて良かった……と思っている」

「その理由は何? 行き着く先があの方舟じゃなあってこと?」

「まあ、それもあるが話はもっと根深い」

「というと?」

「アニメは集団作業であり、ほぼ100%が人間関係で形作られる」

「それで?」

「結果的に誰の思いもフィルムに乗らない。漠然としたスタッフ全体の総体の思いがぼやけた像を結ぶだけだ」

「それがアニメの長所でもあり短所でもあるわけだね」

「そうだ。一人の思いだけではないから豊かではあるが、その代わり純度は下がる」

「つまりなんだい?」

「結局ヤマトは泥船なんだ。ヤマトという存在は実際のアニメ製作現場ではどんどん水に溶けて崩壊していく。スタッフは必死に水を汲み出して沈むことを阻止することになる。解けて無くなる前に製作を終了できれば勝ちだろうが、その時点で原形が残っていない可能性もある」

「もっと分かりやすく言うと?」

「二重銀河を突っ切っても、もう1つの地球にしか行けない。本当に驚異の世界には、それでは行けない」

「もっと分かりにくいよ」

「実際に、スタッフとして小林誠さんの名前がクレジットされたアニメと、個人作品集のHyperWeaponを見比べてみろ。同じデザインがまるで別物に見える場合があるぞ」

「じゃあ、改めて何か分かりやすい説明を」

「YAMATO2520も泥船だったが、完成する前に溶けて無くなってしまった。ヤマト1974も泥船だったが、第3艦橋が溶け落ちるぐらいの損害で何とか切り抜けた。何か前例のない凄いものを作るという決意がスタッフを結束させたのだろう。しかし、そういう高揚感が消えると、ヤマトという存在は徐々に溶けて広がって行ってしまう。後がないという危機感があるヤマトIIIぐらいになると、やっと少し緊張感を取り戻せているのだがね。完結編になるとやはり難しくなる。実際にはそれを最後にする気がなかったからだ」

「そうか」

「ヤマト2199にしても、このまま走りきれるか不安感のあった第三章あたりの出来がもっとも良くて、続編も視野に入ってきた終盤はだらけて来たような印象はある」

「では、話をまとめてくれ」

「結局さ。アニメのスタッフをやるというのは【仕事】なんだよ。自分の技能が必要とされるのでお手伝いする。それでオシマイ。出来上がったものはどうなるか分からない。面白いか面白くないか。人気が出るか出ないか。そもそもそれはスタッフの才能だけでは決まらない問題なのだ」

「つまらないアニメを作ろうと思ってアニメを作る人はいないが、それで面白くなるかは別問題ということだね」

「そうだな」

「結局、ヤマト2199という作品を見ていて学んだことはそこかい?」

「そうだな。あの懐かしいヤマトをリメイクする場にいたら幸せかもしれないというのは幻想で、結局そうではないことが分かった」

「仮に仕事をするとしても、それは仕事だから相手を立てて自分にできることをして終わると。そういうことだね」

「そうだ。作品が成立し、ビジネスが成立し、スタッフは給料をもらい、出資者は配当をもらう。それが理想像であって、自分が望む作品を世に送り出すことは2次的、3次的な目的に後退する世界だ」

「それでいいの?」

「飢えるよりはマシだぜ」

「で、君はこれからどうしたいの?」

「縁があればアニメの仕事をすることがあるかもしれないが、それは仕事。思い通りのことをやりたいのであれば、他のどこかでやる。それだけだ」

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