2017年05月04日
トーノZEROアニメ感想宇宙戦艦ヤマトtotal 244 count

星巡る方舟日記

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

「以下はね、2015/1/9以後公開というメモが付いた未公開原稿だが、そのあと世にでる機会を失っていたものだ。しかし、歴史的な価値を考えて今改めて世に出そうと思う。2014年末から2015年初頭の頃に自分がどう感じていたかの記録としてはありだろう」

「完全に過去の一断面としてだね」

「そう。既にヤマト2202という続編が存在する今、かなり無意味になった話も含まれる」

「それではこれ以後、過去編をどうぞ」

星巡る方舟日記 §

某月某日・プレミア上映会で1回目鑑賞 §

「絶望した。宇宙戦艦の描写は論外に下手くそ。まるで第一章に戻ったような気分。第七章まで積み上げて徐々に上手くなってきた経緯が全部消えてなくなった感じ。描写のアイデアも不味いものだらけ。ストーリー構成も良くない。TVシリーズの展開に依存しすぎるし、登場人物が無駄に多い。しかも、意味ありげに出てきたのに伏線になってない要素が多すぎる。そもそも、パッと見に来た一見の客が見て入れる世界じゃない。ただの映画ファンを排斥したら、そんな映画が映画館でヒットするわけがない。映像もストーリー構成も、映画としてもボロボロ。目の前が真っ暗になった」

「うわー」

「だがまだ終わらない」

「まさか」

「ネット上では絶賛の嵐。【これダメだろ】と絶望した要素まで褒めちぎられている。死ぬほどかっこ悪いメガルーダを誉めていたり、自分なら一発でダメ出しする回転しながらワープアウトする描写を素晴らしいと興奮していたり。既に目の前が真っ暗だったのに、それ以上に奈落の底まで落ち込んだ気分だ」

「そもそも君の前提はなんだい?」

「この映画は難しい。期待感が盛り上がっているし、金を取る以上TVシリーズと同じ水準でもダメ。3倍良くなれば行けると思っていた。もちろん、この3倍というのは十分に可能な数字なので、難しいが行ければそれで良いと思っていた」

「それだけ?」

「追憶の航海が破格に良かったので、それ以下ということはあるまい、という楽観もあった」

「でも追憶の航海以下だったのだね?」

「追憶の航海で注意深く構築された要素の数々が、方舟では大ざっぱに放り投げられていて、本当に信じられなかった」

「積極的に繰り返し見たくないと思ったわけだね?」

「そうそう。金払ってまで見る映画じゃないな、というのがおいらの感想。むしろ見たくない」

某月某日・ヤマトーク1回目(音楽関係のヤマトーク) §

「なぜ2回目を見たの?」

「音楽は悪くないと思ったからだ。出来の悪いところは目をつぶって、見たいところだけ見ようと思った」

「その結果は?」

「音楽は音楽だけで独自の世界をもう作っていて、方舟の中身とは関係なく自己主張を持っていると分かったよ。映画として筋が通っていないが、音楽だけは筋が通っている理由が分かった」

某月某日・ヤマトーク2回目(イラスト関係のヤマトーク) §

「なぜ3回目を見たの?」

「突っ込みどころがあってこそヤマトという意見に目から鱗が落ちてね。よく考えれば昔からこういう煮え切らないヤマトはあったわけだ。そういう意味で方舟の感触は【永遠に】に近い。そう思って同じ方法論で見ても良いだろうと思った」

「その結果見えたものは何?」

「バーガーだけは良い。桐生美影と会話すると、あっちは甲高すぎて子供みたいで釣り合っていないから凄くアンバランスだ。でもバーガーは良い。バーガーの演技も良いし、バーガーの物語は筋が通っている」

「でイラスト関係って意味があったの?」

「あっちはあっちで既に自分の世界があった。だから方舟がどうであれ、ぶれない。凄みのあるイラストが仕上がってくる」

「結局どういうことだい?」

「ヤマト関係者の間でも方舟は100%肯定されているわけではなく、批判的な目は多いだろう。まあ、当たり前だ。それはヤマトの映画とは言いがたい側面を包含する。でも、本来はこんな映画を作りたかったわけでもないだろう。おそらく、船頭が多すぎて船が山に登った感じだろう」

「凄いビッグネームが多数参加したことは?」

「それはマイナス面も連れてくるのだよ」

結局何がどうなったのか §

「期待感だけが膨らんで映画は作成されるが、期待感の大きさは現場から映画作りの健全性を奪う」

「ほんとに?」

「おそらく、昔のヤマトでも典型的にあったはずの現象だ。落ち着いた映画作りができたのはおそらく【さらば】ぐらいまでで、後の映画はかなり混乱していたはずだ」

「【新たち】は?」

「あれはテレビスペシャルなので、まだ救われていた」

「【追憶の航海】は?」

「誰もが【方舟】の前座。接触編だと思って見逃した。そのおかげで、落ち着いて映画作りが出来たのだと思う」

「つまり、【追憶の航海】を成功させるためのダミー、デコイとして【方舟】は機能したわけだね」

ファンのリアクションはどうなのか? §

「問題はファンだよ。ファンは方舟大好きなの?」

「そこは分からない」

「分からないとは?」

「小さな引っかかりを感じているファンも多いのだろう……という感触は持つが、それを上手く言語化できていない、あるいは積極的に封印しているという感想も持つからだ」

「なぜ封印するの?」

「悪評が立てば次のヤマト映画が作れないからだ」

「ファンはまだ次のヤマト映画が見たいわけだね。ならば君は?」

「もうどうでもいいよ」

「ヤマトはもういいの?」

「もういいとは言わないが、昭和ヤマトだけで一生掛かる研究テーマだと分かったからね。これ以上のおかわりは要らない。むしろ混乱になるだけなら無い方が良い」

「つまり、バーガーはいてもフォムトはいないわけだね?」

「方舟のフォムトは良いキャラだが、自分が注目したいバーガーとはかなり別人の領域に入った」

「それは肯定? 否定?」

「だからさ。さらばの土方と2の土方みたいなもので、全く別人だけど併存してOK。それと同じ」

「アンドロメダに乗ってヤマトに立ちはだかる土方は、ヤマト艦長の土方とは別人だけど、それはそれでオッケーというのと同じってことだね」

「出来の良い映画があればそれはそれで肯定する。いかにお約束を破っていようとね」

予想外のどんでん返し §

「ヤマト2199のTVシリーズは第26話が良く出来ていていたので、意見は山ほどあれど語らなくても良いかなと思った」

「終わりが良ければ、中間のうだうだはどうでもいいわけだね」

「でもね。そこでちゃぶ台がひっくり返された。第26話は結末ではなく、真の結末は方舟だと言われた。そして、方舟はお世辞にも出来が良いとは言えなかった。良かった印象がひっくり返された。そうすると、メカデザイン、メカ描写、キャラクターの演技、ストーリー、全体的に文句を言いたくなる要素が多いことが頭に浮かんでくる」

「それはクレーマーってことかい?」

「いや。単純に復活篇やSBヤマトに見劣りするってことだ」

「えー」

「もちろん、復活篇には劇場公開版とDC版のゴタゴタはあるし、SBヤマトも100%誉められるわけではないが、それにしても、2199はもっと見劣りするってことだ」

「言わないでおこうと思ったゴタゴタが出てこざるを得ない状況に変化したわけだね」

「予想外の展開だ」

問題の核心 §

「問題の核心はどこにあるんだい?」

「映画には2種類ある。何の予備知識も無い客がいきなり見て納得する映画。それから、特定の作品のファンに向けられて作られ、予備知識を必要とする映画だ。普通、映画というと、前者を意味するが、後者の映画もしばしば作られる。人気TVアニメの劇場版は、後者にあたることも多い」

「それでどこに問題があるんだい?」

「ロードショー公開してヒットするとすれば、前者の映画を作るしかない。未知の客を取り込まねば、ヒットと呼べる水準まで行けないからだ。だから、忠実なファンだけ一定数呼べれば良いと割り切る場合を除いて、誰が見ても分かるように作る。それが映画の前提であり、常識。お約束」

「方舟は?」

「ヤマトのお約束に依存する部分が多く、ヤマトを知らない客は疎外感を感じるかもしれないな、と思った。というか、自分にヤマトの知識が無い状態でこれを見たら歓迎されなかったという印象が残るだろうな、と思った」

「それは経験ありなのかい?」

「あるある。他の映画で歓迎されない疎外感を感じたことがある。自分に向けて語られていない感じ」

「それは悪い映画なのかい?」

「大ヒットには絶対につながらない。大ヒットする映画を目指すなら、誰でも客として阻害しちゃだめ」

「でもさ。意外とファンのリアクションは良いよ」

「そこだっ!」

「なんだよ」

「だからさ。この映画のダメなところは、一般客に向かって語っていないところ。ファン向けの語り口なんだよ」

「それで?」

「ファン向けの語り口なら、映画ファンではないヤマトファンは満足するだろうさ」

「良い映画を期待した映画ファンはがっかりするが、単にヤマトを見たいだけのヤマトファンは納得するわけだね」

「もっとも本当に方舟がヤマトの映画であるのかは分からないけどな」

「ひ~」

「でも、語り口はファン向けなので話が丸く収まる。ファンに対してだけはね」

「だけどさ。割と見たらオッケーという話もあるじゃない」

「そう。ホテルの密室脱出劇として、割と見たらオッケー的なムードはある。あるのだが、実は【ホテルの密室脱出劇】と言ってしまうといくらでも他に映画がある。それらを差し置いてまで方舟を見る理由はあまりない」

「それが映画ファンの視点だね。ホテルの映画なら他にいくらでもあると」

「密室映画もな」

未来に向けて §

「2199のストレートな続編を求める声もあるけれど、君はどう思う?」

「2199の続きはもう要らない。まず間違いなく不満しか残らないから」

「2199は失敗で終わったということ?」

「【無様だぞバルゼー、もうよい、どけ】という気分だ」

「それは2199は全てダメということ?」

「もちろん良い要素もあるが、それを上手く並べ損ねたという感じだろうな。あるべきものがあるべき場所にはまっていない。非常に基礎的な部分がおろそかになっている部分がある」

「それに対する批判はあると思うかい?」

「追憶の航海は批判そのものだと思って良いと思うよ」

「でも、追憶の航海も悪口に晒されているよ」

「そりゃそうだ。諸手を上げて何の疑問も無く方舟を肯定した人は、追憶の航海が持つ批判性が何を批判したのが見えないだろう」

「批判はあると思う?」

「あるね。意外とスタッフにもある。ただ言わないだけ。言わないけど、さりげなく臭わせている」

「【君の言いたいことは分かるけど、僕だってこの映画を全肯定している訳ではないよ。お仕事だから期待されたことは全力でやるけどね。良いかどうかは別問題】というムードを背中で語ってたケースは何回か見た。誰とは言わないが複数の人から」

「それは事実なのか?」

「そんなものは知らないぞ。他人の心は覗けない」

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星巡る方舟日記

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

「以下はね、2015/1/9以後公開というメモが付いた未公開原稿だが、そのあと世にでる機会を失っていたものだ。しかし、歴史的な価値を考えて今改めて世に出そうと思う。2014年末から2015年初頭の頃に自分がどう感じていたかの記録としてはありだろう」

「完全に過去の一断面としてだね」

「そう。既にヤマト2202という続編が存在する今、かなり無意味になった話も含まれる」

「それではこれ以後、過去編をどうぞ」

星巡る方舟日記 §

某月某日・プレミア上映会で1回目鑑賞 §

「絶望した。宇宙戦艦の描写は論外に下手くそ。まるで第一章に戻ったような気分。第七章まで積み上げて徐々に上手くなってきた経緯が全部消えてなくなった感じ。描写のアイデアも不味いものだらけ。ストーリー構成も良くない。TVシリーズの展開に依存しすぎるし、登場人物が無駄に多い。しかも、意味ありげに出てきたのに伏線になってない要素が多すぎる。そもそも、パッと見に来た一見の客が見て入れる世界じゃない。ただの映画ファンを排斥したら、そんな映画が映画館でヒットするわけがない。映像もストーリー構成も、映画としてもボロボロ。目の前が真っ暗になった」

「うわー」

「だがまだ終わらない」

「まさか」

「ネット上では絶賛の嵐。【これダメだろ】と絶望した要素まで褒めちぎられている。死ぬほどかっこ悪いメガルーダを誉めていたり、自分なら一発でダメ出しする回転しながらワープアウトする描写を素晴らしいと興奮していたり。既に目の前が真っ暗だったのに、それ以上に奈落の底まで落ち込んだ気分だ」

「そもそも君の前提はなんだい?」

「この映画は難しい。期待感が盛り上がっているし、金を取る以上TVシリーズと同じ水準でもダメ。3倍良くなれば行けると思っていた。もちろん、この3倍というのは十分に可能な数字なので、難しいが行ければそれで良いと思っていた」

「それだけ?」

「追憶の航海が破格に良かったので、それ以下ということはあるまい、という楽観もあった」

「でも追憶の航海以下だったのだね?」

「追憶の航海で注意深く構築された要素の数々が、方舟では大ざっぱに放り投げられていて、本当に信じられなかった」

「積極的に繰り返し見たくないと思ったわけだね?」

「そうそう。金払ってまで見る映画じゃないな、というのがおいらの感想。むしろ見たくない」

某月某日・ヤマトーク1回目(音楽関係のヤマトーク) §

「なぜ2回目を見たの?」

「音楽は悪くないと思ったからだ。出来の悪いところは目をつぶって、見たいところだけ見ようと思った」

「その結果は?」

「音楽は音楽だけで独自の世界をもう作っていて、方舟の中身とは関係なく自己主張を持っていると分かったよ。映画として筋が通っていないが、音楽だけは筋が通っている理由が分かった」

某月某日・ヤマトーク2回目(イラスト関係のヤマトーク) §

「なぜ3回目を見たの?」

「突っ込みどころがあってこそヤマトという意見に目から鱗が落ちてね。よく考えれば昔からこういう煮え切らないヤマトはあったわけだ。そういう意味で方舟の感触は【永遠に】に近い。そう思って同じ方法論で見ても良いだろうと思った」

「その結果見えたものは何?」

「バーガーだけは良い。桐生美影と会話すると、あっちは甲高すぎて子供みたいで釣り合っていないから凄くアンバランスだ。でもバーガーは良い。バーガーの演技も良いし、バーガーの物語は筋が通っている」

「でイラスト関係って意味があったの?」

「あっちはあっちで既に自分の世界があった。だから方舟がどうであれ、ぶれない。凄みのあるイラストが仕上がってくる」

「結局どういうことだい?」

「ヤマト関係者の間でも方舟は100%肯定されているわけではなく、批判的な目は多いだろう。まあ、当たり前だ。それはヤマトの映画とは言いがたい側面を包含する。でも、本来はこんな映画を作りたかったわけでもないだろう。おそらく、船頭が多すぎて船が山に登った感じだろう」

「凄いビッグネームが多数参加したことは?」

「それはマイナス面も連れてくるのだよ」

結局何がどうなったのか §

「期待感だけが膨らんで映画は作成されるが、期待感の大きさは現場から映画作りの健全性を奪う」

「ほんとに?」

「おそらく、昔のヤマトでも典型的にあったはずの現象だ。落ち着いた映画作りができたのはおそらく【さらば】ぐらいまでで、後の映画はかなり混乱していたはずだ」

「【新たち】は?」

「あれはテレビスペシャルなので、まだ救われていた」

「【追憶の航海】は?」

「誰もが【方舟】の前座。接触編だと思って見逃した。そのおかげで、落ち着いて映画作りが出来たのだと思う」

「つまり、【追憶の航海】を成功させるためのダミー、デコイとして【方舟】は機能したわけだね」

ファンのリアクションはどうなのか? §

「問題はファンだよ。ファンは方舟大好きなの?」

「そこは分からない」

「分からないとは?」

「小さな引っかかりを感じているファンも多いのだろう……という感触は持つが、それを上手く言語化できていない、あるいは積極的に封印しているという感想も持つからだ」

「なぜ封印するの?」

「悪評が立てば次のヤマト映画が作れないからだ」

「ファンはまだ次のヤマト映画が見たいわけだね。ならば君は?」

「もうどうでもいいよ」

「ヤマトはもういいの?」

「もういいとは言わないが、昭和ヤマトだけで一生掛かる研究テーマだと分かったからね。これ以上のおかわりは要らない。むしろ混乱になるだけなら無い方が良い」

「つまり、バーガーはいてもフォムトはいないわけだね?」

「方舟のフォムトは良いキャラだが、自分が注目したいバーガーとはかなり別人の領域に入った」

「それは肯定? 否定?」

「だからさ。さらばの土方と2の土方みたいなもので、全く別人だけど併存してOK。それと同じ」

「アンドロメダに乗ってヤマトに立ちはだかる土方は、ヤマト艦長の土方とは別人だけど、それはそれでオッケーというのと同じってことだね」

「出来の良い映画があればそれはそれで肯定する。いかにお約束を破っていようとね」

予想外のどんでん返し §

「ヤマト2199のTVシリーズは第26話が良く出来ていていたので、意見は山ほどあれど語らなくても良いかなと思った」

「終わりが良ければ、中間のうだうだはどうでもいいわけだね」

「でもね。そこでちゃぶ台がひっくり返された。第26話は結末ではなく、真の結末は方舟だと言われた。そして、方舟はお世辞にも出来が良いとは言えなかった。良かった印象がひっくり返された。そうすると、メカデザイン、メカ描写、キャラクターの演技、ストーリー、全体的に文句を言いたくなる要素が多いことが頭に浮かんでくる」

「それはクレーマーってことかい?」

「いや。単純に復活篇やSBヤマトに見劣りするってことだ」

「えー」

「もちろん、復活篇には劇場公開版とDC版のゴタゴタはあるし、SBヤマトも100%誉められるわけではないが、それにしても、2199はもっと見劣りするってことだ」

「言わないでおこうと思ったゴタゴタが出てこざるを得ない状況に変化したわけだね」

「予想外の展開だ」

問題の核心 §

「問題の核心はどこにあるんだい?」

「映画には2種類ある。何の予備知識も無い客がいきなり見て納得する映画。それから、特定の作品のファンに向けられて作られ、予備知識を必要とする映画だ。普通、映画というと、前者を意味するが、後者の映画もしばしば作られる。人気TVアニメの劇場版は、後者にあたることも多い」

「それでどこに問題があるんだい?」

「ロードショー公開してヒットするとすれば、前者の映画を作るしかない。未知の客を取り込まねば、ヒットと呼べる水準まで行けないからだ。だから、忠実なファンだけ一定数呼べれば良いと割り切る場合を除いて、誰が見ても分かるように作る。それが映画の前提であり、常識。お約束」

「方舟は?」

「ヤマトのお約束に依存する部分が多く、ヤマトを知らない客は疎外感を感じるかもしれないな、と思った。というか、自分にヤマトの知識が無い状態でこれを見たら歓迎されなかったという印象が残るだろうな、と思った」

「それは経験ありなのかい?」

「あるある。他の映画で歓迎されない疎外感を感じたことがある。自分に向けて語られていない感じ」

「それは悪い映画なのかい?」

「大ヒットには絶対につながらない。大ヒットする映画を目指すなら、誰でも客として阻害しちゃだめ」

「でもさ。意外とファンのリアクションは良いよ」

「そこだっ!」

「なんだよ」

「だからさ。この映画のダメなところは、一般客に向かって語っていないところ。ファン向けの語り口なんだよ」

「それで?」

「ファン向けの語り口なら、映画ファンではないヤマトファンは満足するだろうさ」

「良い映画を期待した映画ファンはがっかりするが、単にヤマトを見たいだけのヤマトファンは納得するわけだね」

「もっとも本当に方舟がヤマトの映画であるのかは分からないけどな」

「ひ~」

「でも、語り口はファン向けなので話が丸く収まる。ファンに対してだけはね」

「だけどさ。割と見たらオッケーという話もあるじゃない」

「そう。ホテルの密室脱出劇として、割と見たらオッケー的なムードはある。あるのだが、実は【ホテルの密室脱出劇】と言ってしまうといくらでも他に映画がある。それらを差し置いてまで方舟を見る理由はあまりない」

「それが映画ファンの視点だね。ホテルの映画なら他にいくらでもあると」

「密室映画もな」

未来に向けて §

「2199のストレートな続編を求める声もあるけれど、君はどう思う?」

「2199の続きはもう要らない。まず間違いなく不満しか残らないから」

「2199は失敗で終わったということ?」

「【無様だぞバルゼー、もうよい、どけ】という気分だ」

「それは2199は全てダメということ?」

「もちろん良い要素もあるが、それを上手く並べ損ねたという感じだろうな。あるべきものがあるべき場所にはまっていない。非常に基礎的な部分がおろそかになっている部分がある」

「それに対する批判はあると思うかい?」

「追憶の航海は批判そのものだと思って良いと思うよ」

「でも、追憶の航海も悪口に晒されているよ」

「そりゃそうだ。諸手を上げて何の疑問も無く方舟を肯定した人は、追憶の航海が持つ批判性が何を批判したのが見えないだろう」

「批判はあると思う?」

「あるね。意外とスタッフにもある。ただ言わないだけ。言わないけど、さりげなく臭わせている」

「【君の言いたいことは分かるけど、僕だってこの映画を全肯定している訳ではないよ。お仕事だから期待されたことは全力でやるけどね。良いかどうかは別問題】というムードを背中で語ってたケースは何回か見た。誰とは言わないが複数の人から」

「それは事実なのか?」

「そんなものは知らないぞ。他人の心は覗けない」

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 宇宙戦艦ヤマト成立の時代背景を検証した研究書です。ブログに書いていない話題も多く収録しています。是非お読みください。Android/iPhone/iPad/Windows PCなどですぐ読めます。Webブラウザ用のリーダーもAmazonから提供されています。

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