Written By: 川俣 晶
「大塚のC58と飛鳥山のD51を見てきたので、急遽現時点で分かっていることをまとめた薄い本を作ることに決めた。値段も安いよ」
「ふーん。ポイントはどこにあるんだい?」
「炭庫水マキ管は一般人に通じない。はっきり言って少しSLが好きぐらいでも分からない。凄く売れない本になる」
「えー」
「まあ、それを言ったら国鉄型蒸気機関車だって分からないけどな」
「なんて奴だ」
「それでも、ある程度分かったことをまとめておかないと分からなくなってしまうのでね。電子書籍化に踏み切った」
「まとめることに意義があるわけだね」
「そうだ」
「少しは解説してくれよ」
「炭庫水マキ管とは、石炭に水を撒くための管だ。水を撒いた方がよく燃焼のだ」
「それの何が問題なの?」
「どの機関車も図面と違う上、機関車1両1両で形状が違っている。これは本当に量産品と呼べるのだろうか」
「なるほど。問題意識はあるわけだね」
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