「妖怪ウォッチの映画を見てきたが、【妖怪ウォッチは既に子供には人気が無い】という突っ込みには意味は無い作りだな。これは完全に年寄り向きだ」
「鬼太郎出てくるからね」
「キャラクターのデザインも、もう可愛さはない」
「コマさんももうズラズラ言わないズラね」
「だから、そういう角度での評価はもう意味が無いと思った」
「じゃあ、君の評価は?」
「気になる箇所はあったものの、実は長所が凄く大きいので、差し引き二百点ぐらいあげてもいいかな」
「高得点だね」
「キャラクター造形が非常に上手いし、泣かせどころも心得ている。なかなか見事だよ。まあ前前年の妖怪ウォッチ映画も非常に良かったけどね」
「君が最も気に入ったところはどこだい?」
「ヒロインが一人しかいないところかな。作品というのは、スタッフが本気で魅力があると信じられるヒロインが一人いればいい。たくさん並べて好きな子を選べというのは、逆説的に絶対に可愛いという断言ができないことであって、それは本当の魅力を欠く。この映画は、吹雪姫もあくまで戦うだけの存在であってヒロイン性を持っていない。そこは好ましい特徴だ。この少女が物語の軸になることで、全体を見ていることができる」
「なるほど」
「それに、前半の敵だった少年が味方になっていくところも良かったよ。心の物語がきちんと出来上がっている」
「では最後に一言でまとめると?」
「2時間近い割と長い映画なのに、終盤で【え? もう終わり?】と思わせたのは立派。しかも、エンディングでも芸をやった上に、少年少女探偵団の結成まで描いてしまった。良い映画だよ」