「TASCAM CC-222SLMKIIのCDドライブが本格的にダメになった」
「症状は?」
「ディスクを入れても吐き出す。入ってもなかなかイジェクトしない。たまに書き込みエラーになる」
「原因は何だと思う?」
「フロントローディングの薄型CDドライブがへたったのだろう」
「ではCDドライブの交換で対処できそう?」
「そう簡単な話ではなかった。蓋を開けて中を見た結果、ドライブはTEAC CD-W224SL-R50。このドライブは絶望的に入手難だと分かった。アメリカでeBayに売っているページを見つけたがとっくに終了済み。日本だとどこにも見つからない」
「他の型番のドライブはどうだ?」
「フルサイズのドライブは入りそうだが、電源コネクタが特殊なので、交換は容易ではない。手持ちのプレクスターのドライブを入れてみたが、電源オン後にTOC Readingが出続けて終わらなかった。やはり他社ドライブはダメみたいだ」
「型番が違っても同じTEACのドライブなら?」
「それが既に入手難でな。ヤフオク検索しても中古ドライブがほとんど出てこない」
「えー」
「ここまで来ると安いカセット吸い上げデバイスを買った方が良いかと思ったが、条件を付けるとなかなか難しいことが分かった」
「製品は多いみたいだけど」
「そうだな。でも、USBメモリに吸い上げるにしても、テープ1本を1ファイルのWAVで吸い上げたいとか、オートリバースとか、いろいろ注文を付けると候補が激減する。結局高く付きそうだからやめた」
「じゃあどうするんだよ」
「販売終了後12年までは修理を受け付けてくれるみたいだから、修理を申し込むよ。これは2009年頃に買った機種だ」
「今日は土曜日だからすぐ返事来ないよ」
「まだまだ騒動は続く」
考察 §
「結局何が悪かったんだい?」
「ケースはフルサイズのドライブが入りそうな空間があるのに、CDドライブはコンパクトな薄型で、薄くて奥行きも小さい。空間がスカスカ」
「つまり?」
「どうもカーナビでも同じドライブを使っていたようだ。つまり、本来はカーナビ用のドライブではないか……と思うわけだ」
「コンパクトだが耐久性に劣るドライブってことだね」
「そう。CC-222SLMKIIには姉妹モデルがいっぱいあるのだが、おそらくもっと世代の早い機種はもっとしっかりした大型ドライブが載っていたのではないか。そうすれば、もっと耐久力があったのではないか。ただの推測だがね」
「もっと遅い次期の機種は?」
「たぶんUSB対応しているので、CDドライブがへたってもUSBメモリに転送できてしのげたのだろう……と思う」
「つまり、君の買った機種がいちばん不遇?」
「そこまでは分からない」
「とすれば、また早期にドライブがへたばる可能性があるよ」
「カセットからデジタル化したい音源の数は限られているので、それらが全部処理できればそれ以後に出番は無い。たぶんな」
オマケ §
「電源コネクタが特殊なのに、どうやってプレクのドライブに給電した?」
「遊んでいるATX電源を使ってな。ドライブにはそっちから給電した」
「ATX電源って、電源単体で使えるの?」
「通常は使えない。マザーボード経由で電源スイッチに接続されていないと電源を入れられない」
「じゃあ、どうやって給電したんだ?」
「ATX電源コネクタの特定のピンとピンをショートさせると電源がオンになるのだ」
「どのピン?」
「適当にネットを検索して調べてくれ」
「投げやりだ」
「被覆付きのハリガネでショートさせたので久々に電線の皮むきをした」
補足 §
「eBayの商品情報だとCD-RW 900SL/901SLでも同じドライブが使用されているらしいので、ヤフオクでそれらを調べてみた」
「それで?」
「ドライブがへたっているっぽい出品と、馬鹿高い新品の出品だけだった。とても部品取りに買いに行けるような内容ではなかった。メンテナンス済みと謳っている商品でも、たぶん部品のへたりまでは対処していない」
「やはりメーカー在庫を期待して直球勝負で修理依頼するしかないか」