2018年02月08日
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【まんが探偵局ディック・トレイシー】及び【まんがファニー】について

Written By: トーノZERO連絡先

 公開質問状のつもりで書き始めたら、謎が解けてしまったので解決編までまとめます。

前提1 §

 まんが探偵局ディック・トレイシーの英語版オリジナルは1960~61年である。

 まんが探偵局ディック・トレイシーの日本語版は、2バージョン存在すると思われる。(後年のLD/VHS版は除く)

  • 1962年版 NETで放送された。【まんが探偵局ディック・トレイシー】単体での放送。
  • 1974年版 東京12チャンネルで【まんがファニー】内の1コーナーとして放送された。

前提2 §

 【まんがファニー】はネットの情報では原題【Archie's TV Funnies】である。Archie's TV Funniesは架空のバンド・アーチーズが登場して、物語を進めるが、他の短編アニメが随時挿入されていく形式のテレビ番組である。アーチーズが活躍する一連のテレビシリーズの1つである。挿入される短編アニメは英語WikiPediaによれば、Dick Tracy、The Captain and the Kids、Emmy Lou、Nancy (and Sluggo)、The Dropouts、Moon Mullins、Smokey Stover、Broom-Hildaであるらしい。

 以下の動画を見ると、個々の短編アニメのオープニング・エンディングは含まれていないことが分かる。

前提3 §

 手元に1975年頃に録音されたと思われるカセットテープが存在する。ここにまんが探偵局ディック・トレイシーのオープニングと思われる音声が録音されている。【まんが探偵局ディック・トレイシー】というタイトルナレーションと銃声、音楽、サイレンの効果音という内容である。(歌詞はない)

 以下の動画にある1961年の英語オリジナルのタイトルを日本語に読み替えたものに近い。(音声のバランスも調整されていて、銃声が小さく聞こえる)

疑問点1 §

 前提3のテープは時期的に考えて1974版の録音と思われる。

 しかし、1974版だとすると、オープニングが存在しないはずである。なぜ存在しないはずのオープニングが録音できているのか。

 可能性はいくつか想定できる。

  • このテープは何らかの理由により放送された1962年版を録音したものである
  • 【Archie's TV Funnies】のチェックしていない別話数にはオープニングが含まれていた
  • 【まんがファニー】は【Archie's TV Funnies】の忠実は日本版ではなく、ディック・トレイシーにはオープニングがあった

 はたしてどれが正解なのか。

疑問点2 §

 そもそも、Dick Tracy、The Captain and the Kids、Emmy Lou、Nancy (and Sluggo)、The Dropouts、Moon Mullins、Smokey Stover、Broom-Hildaが全て日本語吹き替えされて放送されたのか。Dick Tracy以外は、ネットを検索しても邦題が出てこない。

 (ただし、あくまで【まんがファニー】の一部として同じ声優がまとめて吹き替えていた可能性もある。その場合個々のタイトルが記録されていない可能性もある)

補足 §

  • アメリカではArchie's TV FunniesはDVD化されているが、日本語音声は入っていないようである
  • 朝日新聞の縮刷版で【まんがファニー】が1974年の土曜18時から東京12チャンネルで放送されていた15分番組であることは確認できた。しかしながら、確認した1回分からは内容の記述は発見できなかった
  • 1962版まんが探偵局ディック・トレイシーと1974版まんが探偵局ディック・トレイシーのフィルムが残っていれば解決する問題である。しかしながら、どちらの音声も残存が絶望的ではないかと推定している。(音声が残っていれば、新アフレコでVHS/LD版は出ないはずである)
  • 実際に、1974年頃であってもビデオテープで製作されたテレビ番組が残っていないことは珍しくない。それに対して、アメリカではオリジナルのフィルムが残っていると思われる

解決 §

 ここまでまとめてネットに書き込む直前に正解らしいことが分かったので、以下にまとめる。

 当時の東京12チャンネルには【マンガのくに】と【まんがキッドボックス】という再放送枠が存在した。それぞれの枠でいつ何を放送したのかまでは分からないが、日本語WikiPediaによれば、いずれの枠でも【ディック・トレイシー】を再放送したことが確認できる。

 前提3のカセットテープは、【マンガのくに】または【まんがキッドボックス】で再放送された1962年版だとすると、辻褄が合う。(録音者の記憶によると、おそらく【マンガのくに】)

 【まんがファニー】については、新しい何かの証拠が出現しない限り何も確認はできないと思うが、これらの短編アニメの吹き替えは【まんがファニー】の声優によって行われていた、全てまんがファニーの一部と認識されていた、と思えば辻褄は合う。

可能性 §

 1962年版【まんが探偵局ディック・トレイシー】は、少なくとも1975年頃まで再放送されていたわけで、この時点ではフィルムまたはビデオテープが残っていた可能性が高い。1962年の時点でまだビデオテープは高価すぎる道具なので、1962年版【まんが探偵局ディック・トレイシー】はフィルムとして製作されたのではないか。とすれば、ビデオテープと違ってフィルムは上書きできないので、今でも残存している可能性がある。

 このフィルムを所有している可能性があるのは、まず東京12チャンネル(現テレビ東京)だが、他の可能性は良く分からない。LD/VHS版の発売元であるファンハウス(現BMG JAPAN)はおそらく持っていないだろう。(持っていたら吹き替えのやり直しは行わないかもしれない)

感想 §

 東京12チャンネル系再放送アニメは謎が多い。新聞の縮刷版のテレビ番組表を見ても【まんがファニー】【マンガのくに】【まんがキッドボックス】といった名前しか出てこない。これらを完全に解き明かす研究者は出てこないものか。

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