「取りあえず、スキャンしたので公開する」
「1877年~1979年の子供トーノ版新宇宙戦艦ヤマトの鉛筆描きコミック全部だ」
「今回は第2巻分(1979)の解説だね」
「そうだな」
「まず表紙から」
「αと思われる惑星に向かうヤマトの後ろ姿。一応、ストーリーに沿っている」
「ふむふむ」
「しかし、これをめくるとガバナス戦艦とデススターで完全世界観が違ってしまっている」
「1979年だと既に宇宙からのメッセージもスターウォーズもあるわけだね」
「48p。ガバナス戦艦はゲボナス戦艦という名前で登場する。49p。なぜかゲボナス戦艦からタイファイターの大編隊発進。正面からだと描きやすかったのだと思われる」
「50pにどうしてハーロックが」
「ヘボカデア号登場。ハーロックはなったつもり」
「えー」
「51pでこれはヤマトだと怒られてハーロック退場」
「ギャグだね」
「次は波動砲を撃つが艦長でもないのに沖田のつもりで言っただけだと分かる」
「52pでゲボナス戦艦撃沈。しかし、αはデススターという意味不明の展開に」
「そこでエンタープライズ登場。でも、STAR TREK THE MOTION PICTUREが日本公開前なのでエンジン部が丸くてTVシリーズのNCC-1701のデザイン。もう古いといわれて即座に退場してしまう」
「次はヤマトがデススターに突き刺さる展開だね」
「とりあえず、スターウォーズごっこをしようとするがローア姫がブスなのでスターウォーズごっこはすぐ放棄されてしまう」
「そのあとはもう本当にギャグだけの世界だね」
「UFOのインターセプターの先頭に1999のイーグルの操縦席ブロックが付いているとか。結局月をラムで叩き割ると実は都市帝国(タトランティス)だったことが分かる。ミサイル艦ヘーランドが出てくる。でもそこで、突然すすめ!!パイレーツ的な世界に入って強制的に落とされて話が終わってしまう」
「なるほど」
「そして結末不明という人を食った説明書きで終わっている」
「なぜ続かなかったのだと思う?」
「結局、αはデススターで半分に切ったら都市帝国だったという脈絡の無さをどこかに落とすことは無理だったのだと思うよ」
「つまりなんだい?」
「物語の作り方としては上手くない。物語はまず終わらせることが出来てこそ」
「君が物語を終わらせるスキルを得るのはいつのことだい?」
「そうだな……。中3ぐらいになると一応終わることは終わった話を書いていると思うのだが、これらはそれより1~2年からそれ以上早いだろうな」
「一応ではなく、きちんと終わる話を考えられるようになったのはいつぐらい?」
「そうだな……。やはり三十代じゃないかな」
「それで完璧?」
「いや、自分が楽しむためではなく、他人のために物語を書くということをきちんとできたのはやはり50歳を過ぎてからという気もする」
「子供トーノ版新宇宙戦艦ヤマトだと、どのあたりがそうなの?」
「最後にパイレーツネタになって落ちるところはまさにそう。脈絡がなさ過ぎる。単に好きな物を並べているだけ」