2018年09月25日
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感想・映画「若おかみは小学生!」

Written By: トーノ・ゼロ連絡先

「さて、何から話なら良いのか」

「好きなところから話してくれ」

「実は、茄子 アンダルシアの夏は劇場で見ているのだ。その時は、【上映館少ないっ!】と思ったのを覚えている」

「それで?」

「劇場版若おかみは小学生!、府中の午前9時開始の上映とは言え、上映開始5日目の状況で客は自分を入れて3人。【客少ないっ!】と思ってしまった」

「ぎゃふん」

「やっぱりオタクって映画を見る目無いな」

「中味は良かった?」

「非常に良かった。というか、テレビ版とは別物だな。基本設定とキャラが似ているだけの全く別作品と思った方が良い」

「結局どこが違うんだい?」

「テレビ版は、実は両親の事故がほとんど意味を持っていない。おっこが春の屋に来る理由付けにしかなっていない。それに対して、劇場版は、ひたすらおっこが事故のトラウマを乗り越える話として描かれている。だから似たようなキャラが似たような話をしていても、実は描かれているものが全くの別物」

「どう別物なんだい?」

「テレビ版は、基本的に面倒臭い客にいかに対応するかの話に終始している。最終的に台湾行ったり別の旅館に修業に行ったりして変化を付けようとしているが、基本的には一話完結であまり内容をあとに引きずらない。若おかみの話に終始する。ところが、劇場版はおっこのトラウマの話になっていて、春の屋に来る客も全ておっこのトラウマの物語に奉仕するために来るのだ」

「どう奉仕するの?」

「つまりね。最初に来る少年客は【親の喪失】という状況を他人としておっこが客観視するために来る。2番目の占い師は年の離れた友達として来る。おっこは心の中をさらけ出せる。そして、トラウマもさらけ出してしまう。最後に来る家族は、おっこのトラウマを発生させた原因そのものだ。彼らが最終的に迫るのは、【親を殺した者】として排斥するか、春の屋の客として迎え入れるかの選択だ。おっこは最終的にそれを選択しなければならない。そういう物語になっている」

「ピンふりに関してはどうだい?」

「実はあまりなれ合う展開がない。そして、上手くさりげなくピンふりの弱点も描かれていて最終的におっこと似た存在であることが描かれていて、ライバルにして最大の援助者になっている。最終的に二人で舞いを踊るのは意味がある」

「二人だけ?」

「実は最初に接触のときクラスの全員が引いていて、ピンふりと正面からやりあったのはおっこだけ。最初からおっこだけが特別だったのだ」

「幽霊に関してはどうだい?」

「幽霊の扱いも実はぜんぜん違う。テレビシリーズだと幽霊は消えない。でも、劇場版だと消える。おっこがトラウマを乗り越えることで幽霊は見えなくなる」

「じゃあ、幽霊って何なの?」

「テレビシリーズだと非力なおっこをドーピングするチート的な存在だけど、劇場版だともういない両親が見えてしまう心理のある意味で別の表現」

「鈴鬼は?」

「実は、劇場版の鈴鬼には【終わりを予告する】という重要な役割がある。まあはっきりってテレビシリーズは幽霊や鈴鬼や、不思議なものを出し過ぎて話が迷走している感があったけど、劇場版だときちんと個々のキャラの役割があって存在が物語に貢献している」

「劇場版でいちばん気に入ったキャラは?」

「舞いを指導している少年。おっことピンふりの間に入って可哀想」

「いちばん気に入ったシーンはどこ?」

「トラウマが再発して本当に苦しくなるおっこ。あれだけ徹底的に主人公を追い込むアニメは最近多くないと思う。神バディファイトとかも、最大の親友が敵になるという展開があったが、ああいう主人公を追い込む描写は今のアニメではあまり見ない気がする。まあ、それほどアニメ似てないから良く分からないけどね」

「なぜ今どきのアニメは主人公を追い込めないんだ?」

「おそらく理由は2つあって、一つは【客が受け付けない】という認識からそのような展開を避けている可能性があること。主人公を本当の意味で挫折させちゃいけないと認識している人たちがいる」

「もう1つは?」

「プロにもそれを描くだけの力がないヘボが多いと思うよ」

「じゃあ、なぜこの映画は描けたのだ?」

「たぶん実力のある監督、脚本家が、【客が受け付けない】は都市伝説に過ぎず根拠が無いと見切ったからじゃないかな……と推定する」

「最後にまとめてくれよ」

「テレビシリーズは最終的に龍神が出てきてファンタジーで終わった。劇場版は最終的におっこがファンタジーに依存する心を克服して意識の上で春の屋の若おかみになって終わった。水と油ぐらい作品の持ち味が違う。それなのに、キャラクターのビジュアルが似ているために似たようなアニメに見えてしまうのは不幸だろうな」

「テレビシリーズを見たから映画は見なくてもだいたい分かる……という錯覚を誘発しやすいのだね」

「そう。テレビシリーズの拡大延長版90分なら別に見に行かなくてもいいや、という感想に結びつきやすいのではないかと推測する」

「でも実際は別物なんだね?」

「全くの別物。笑えるシーンは笑えるのに、最終的に凄く泣ける」

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