作品の概要 §
本作はパンチラ美少女戦士の小説である。パンチラしながら戦う少女達の活躍をお楽しみ頂きたい。
とはいえ、お色気だけの小説というわけではない。
魔女の泉に入ると魔女の呪いを受けて、老若男女誰でも最強の死ねない美少女戦士になってしまう。最強の美少女戦士にはなれるが、それ以外のものには絶対になれない。しかも永遠である。天国にも地獄に行けず生まれ変わることもできない。これこそが魔女の呪いである。
普通ならそんなものになるべきではないし、なりたいとも思わない。
しかし、大切な妻や母をスクル教団に奪われた者達は、彼女らを助けるための力を得るために、あえて泉に入る。大切な妻や母を助けても美少女化した彼らのことは分からないだろう。それでも我が身を犠牲にして助ける。
そのような物語である。
お色気で興奮して股間から汁を出し、悲劇的な決意に涙して目からも涙が出る。
そんな作品である。
ただし、ポルノ小説というわけではないので、濃厚なセックスシーンはない。作中にソープランドや二人で寝るベッドは登場するが、おおむねソープランドは戦場であり、二人で寝るベッドは会話する場である。
補足的な説明 §
開始時のパンチラス号の乗組員は五名である。
- アネモネ艦長
- イヴ副長
- ウサミ通信士
- エミリ航海士
- オリーブ機関士
名前の先頭が「アイウエオ」である。イヴは聖書とは関係なく、単に先頭が「イ」だから選ばれた名前である。ウサミもウサギ耳を付けると可愛いからではなく、単に先頭が「ウ」だから選ばれた名前である。
実は彼らの本名の設定もあるのだが、姓も名も先頭が「あいうえお」である。
たとえば、アネモネ艦長の本名は暁月アスカだが、「あかつき」も「あすか」も「あ」で始まる。
作品構成上の補足 §
今回は後書きに前提とした作品名をずばり書いた。(まあ、バレバレだが)
そのことは少し補足しておこう。
他作品を前提とすることは、模倣をするためではない。他作品の力を借りようという話でもない。むしろ、自分の中から全て取りだした方が物語を構成するのは楽である。しかし、それでは真の意味での創作にはならない。どうせ自分の中にあるものも過去に受け入れた他作品の雑多な集合体でしかないのだ。それを取り出したところで、それを創作とは言えない。
では無から有を産み出すにはどうすれば良いのか。
自分と自分以外の作品をどちらも前提に置くのである。そうすると、二つの作品の中間に、新しい何かが生まれ出てくることがある。
今回の例で言えば、魔女、悪神、水棲人、魔女の泉などの設定が物語的な要請から無から生まれてきた。それは自分の中にもともとあったものではないし、他作品から持って来たものでもない。死ねない美少女戦士の設定は吸血鬼に似ているが、せいぜい「老いない」ぐらいしか共通点がなく、弱点も違うし制約も由来も違う。かなり自分の中からは取り出せない物語を作り出すことができたと思う。
つまり、母をたずねて海底二万里のようなタイトル付けは、奇矯なタイトルで目を引きたいという営業的な要請の他に、創作手法としての側面があって積極的に採用しているものなのである。攻めているのである。全く異なるお題を掛け合わせて物語をひねり出すのは挑戦そのものである。
その他雑感 §
本来は海底十二万マイルという企画があった。しかし、海底アクションとして本作が書けたので、かなりの割合で目的は達成されたと言える、
もし、本作が人気を博するならば【美少女潜水艦パンチラス2・敵中横断海底三万里】を書くかもしれない。
しかし、唯一の問題は今どきの読者は誰も敵中横断三百里を知らないことである。