「ACE COMBAT 7のミュージックプレイヤーの音楽をまとめて録音して繰り返し聞いているのだがね」
「うん」
「そこで、ACE COMBAT 7の音楽は神話っぽいなあとと思った」
「神話っぽいか」
「ゲーム本編も終盤は神話っぽいと言えるかも知れない。音楽もね」
「ファーバンティ後ってことだね」
「そうだ。衛星破壊後だ」
「そのことにどんな意味があるんだい?」
「うん。そこだ。ACE COMBAT 7の物語は、ACE COMBAT 3的な世界の創世神話そのものだと気付いた」
「どのあたりがそうなんだ?」
「トリガーの軌跡は、追放された流浪の王子そのものだ」
「ハーリング殺しで444に行くのは追放そのものだってことだね」
「そう。そして、ナガセは天使。最後に天から舞い降りて神の言葉を伝える天使」
「なるほど」
「国境も国籍も意味を持たないとして世界の秩序を塗り替えてしまったトリガーこそが創世の英雄なのだ」
「たとえば?」
「日本神話で言えばヤマトタケルにあたる人物だ」
その先へ §
「実は、【物語が神話の領域に突入してしまうと物語はそこで終わってしまう】と考えていた。たとえば、ガオガイガーFINALは神話そのものの世界に突入してそこから先は描き得ない世界に入ってしまう」
「その先を無理に描いたらどうなるんだ?」
「宗教の説話になるだけだ」
「なるほど」
「ところが、ACE COMBAT 7はそこで終わりにならない」
「なぜだい?」
「先に、もっと未来のACE COMBAT 3があるからさ」
「先があるから終わらない?」
「もっと明瞭に言えば、たいていの新創作神話は【この世界が終わることを描く終わりの物語】だが、ACE COMBAT 7は【ACE COMBAT 3的な世界の始まりを描く始まりの物語】だからだろう」
「国作りの神話を描く限り、それは終わりを意味しないわけだね」
オマケ §
「だが、トリガーは流浪の王子、ACE COMBAT 7は神話と見なして良いのだろうか」
「いいと思うよ」
「それはどうして?」
「ACE COMBAT ZEROの時点で既にアーサー王と円卓の騎士がベースになっているからだ」
追記 §
「ってことはだな」
「なんだい?」
「ハーリング殺しは父殺しに対応する。王道だな」
「父殺しって何だよ」
「ジブリのゲド戦記で最初に主人公が父をグサッとやっちゃうようなことだよ」
「えー」
「とすれば、本当にハーリングを殺したのは誰か。分からなくなったぞ」
「まさかトリガーがやったのか?」
「分からない。そこは解釈次第。まさにハーリングの鏡だ」
更に追記 §
「軌道エレベーターはバベルの塔か……と思っていたがうっかり見落としていた」
「それはなんだい?」
「軌道エレベーターにあとから来た機体は、【バベル、バベル、バベル】と言っているじゃないか」