1970年代パソコンとBASICの歴史: Altair 8800やTK-80は始祖ではなかった Kindle版
「これはなんだい?」
「電子書籍の新刊だ」
「何を書いた本だい?」
「1970年代前半の個人用コンピュータの話」
「そんなものが存在するのかい?」
「存在する。表紙の写真は1977年発売のPET-2001ではなく、1973年発売のWang 2200だ」
「1973年にこんなマシンがあったと言うのか? 1973年と言えば日本では日本沈没が流行った時代だぞ。まだ宇宙戦艦ヤマトは存在しないぞ。あれは1974年だから」
「1973年にあったのだ」
「うそー」
「パソコン論の死角は、個人が容易に買えない値段のマシンであっても、個人が利用する道が存在したことだ。そのあたりの詳細を説明した」
「個人で容易に買える値段ということを条件にする限り、歴史はAltair 8800から始まってしまうが、実際は個人でコンピューターを買う以外の方法があったということだね。本当にあるの?」
「うん。あった」
「どうやってそれを証明する」
「その方法でプログラミングに親しんだからビル・ゲイツとポール・アレンはAltair 8800用のBASICインタプリタをすぐに作れた。彼らはあれを最初に作った時、Altair 8800の実機を持っていなかった」
余談 §
「これは以下の書籍の続編にあたる」
国産初のパソコン・はじめてパーソナルコンピューターを自称した国産機は何か: それはPC-8001ではない
「どこがどう続編なんだい?」
「この本は1974年まで遡って事例があることを示して終わった。これで【はじめてパーソナルコンピューターを自称した国産機は何か】という問いには答えられた。だが、なぜTK-80はおろかAltair 8800も存在しない時代に【パーソナルコンピューター】を自称する機種を売りに出せたのかという疑問は解決されていない。そこで、1970年代前半のパソコン史を調べ始めたのだ」
「それが【1970年代パソコンとBASICの歴史】ってことだね」
1970年代パソコンとBASICの歴史: Altair 8800やTK-80は始祖ではなかった Kindle版
「そうだ。ここはそもそもテーマが違うから別の書籍にした」
「日本でパーソナルコンピューターを自称した機種の話ではなく、アメリカで個人用に提供されたコンピューターの歴史になってしまうからだね」
「うむ」