あなたの知らないWindowsの1980年代史: この世界は嘘だらけ
「新刊だ」
「これは何の本だい?」
「実は今でも初期のWindowsへの誤解が根深いと気付いたので書いた」
「なぜ誤解が根深いんだ?」
「たぶん、みんな実際には買ってないから」
「Windowsが売れない不人気ソフトだった時代の話だね」
「そもそも【Windowsが売れない不人気ソフトだった時代】を知らない人が多いから、【営業力で無理矢理Windowsを売りつけた悪のマイクロソフト帝国】などというウソをコロッと信じてしまうのだよ」
「そのあたりの説明も書いた?」
「書いたよ」
「類書はないのかい?」
「マイクロソフト戦記という本があるのだが、これはマーケティング寄りなのでね。こちらは技術寄りで書いたよ。Kindleには献本機能が無いのだが、もしあったらマイクロソフト戦記の著者のトム佐藤さんに一冊進呈したいところだ」
「具体的な目玉はなんだい?」
「【WindowsはMS-DOSのグラフィックライブラリに過ぎない】がいかにウソかを技術的な観点から説明してある」
「他には?」
「初期のWindowsの弱点を一杯書いたよ。ついでに長所も書いておいた」
「つまり、正義とか悪とかそういう価値観は棚に上げて、長所も短所も事実を説明したかったわけだね」
「だから表紙に"Not even justice, I want to get truth"と書いたよ」
「真実は見えた?」
「真実を見に行くのは読者の役目だ」
補足 §
「この本を書くに当たって気を付けたことはあるかい?」
「うん。できるだけ、名指しで「こいつは嘘つき」「こいつは悪党」的なことは書かないようにした。というか、推敲時にできるだけ取り去った。多少取り去れない部分も残ったけどね。本題と密接に関わりすぎて」
「なぜ取り去ったの?」
「既に寿命が尽きて誰も使っていないソフトのために争うのは無駄の極みだよ」
「えー」
「しかし、いちばん面白いところはカットされて消えたと思ってくれ」
「いい加減な情報を流してブランド力で信用させたXX社とか、ウソ情報を繰り返し載せまくったパソコン雑誌のXXとか、そういう話は全てカットされてしまったのだね」
「そのあたりは読者の想像力で補ってくれ」
「他に何か付け足すことはあるかい?」
「うん。実は手持ちのMAC LIFE創刊号がとても役に立った。その頃、Macintoshはこうだった……、という話に根拠を与えられた。NECのMS-WINDOWS 1.03の現物を所有していることと、これを所有していることでこの本に説得力を与えられたようなものだ」
「Mac警察が【Macintoshなどというパソコンはない】と言ってくるんじゃない?」
「当時の正式な商品名がMacintoshであったことも証拠を添えて説明してあるよ」
あなたの知らないWindowsの1980年代史: この世界は嘘だらけ