「テレビで放送していたから見た」
「なぜ見たの?」
「実はこれ、発売前からTSUTAYA DISCASのリストに前から入っていたのだが、未だに送られてこない。人気高すぎで順番が回ってこないのだ。なので、テレビで見ておく方が良いかなと思って」
「なぜ劇場で見てないの?」
「当時のSWファンの狂乱を見ていると引いたって言うのが正直なところ」
「君は熱狂的なファンにはほど遠いね」
「もともとおいらは未知との遭遇派なんだ」
「それで実際に見た感想は?」
「感想の暗黒面は、【長い】【登場人物が多すぎてよくわからん】というあたりだな。本当に字幕でいちいち名前が出て良かった。でも、出てすら分からない人が一杯いたよ」
「じゃあ、良い方の感想は?」
「最後の方は面白かったし、ちゃんとシリーズの完結編という作りになっている。これは偉大だ」
「シリーズの完結編とはどういう意味だい?」
「そもそもEP6は完結編ではなかったんだ」
「次にEP1作るからだね」
「では事実上の最終作になったEP3は完結編かと言えば、実はEP4の最初につながる前日譚で全体が円環になってしまっていたのだ」
「無限に繰り返す輪だね」
「更に言えば、ローグワンが円環を強化する形になっていた」
「EP4直前で終わる映画だね」
「ところが、このスカイウォーカーの夜明けは、最終的にどんどん巻き戻っていって、EP4の始まりに至って終わるんだ」
「どんなところが?」
「最終シーケンスの主役メカはXwingルーク機に乗ったレイになる。更に、ランド・カルリシアンの乗ったファルコンが駆けつけて、最終的に砂漠のジャンク屋の巨大走行メカが出てきて、ルークの家っぽい廃墟で話が終わる。これでEP4から始まったシリーズ全体が終わることができる。物語は終わったんだ。円環は生じない。無限ループに終止符が打たれる。これが正しい物語の終わり方だ。EP4の時の主要登場人物は全部死んでいて、かつ、次の世代が世界を救いうることを示した。これで物語は終われる」
「でもさ。更に続編の噂も出ているよ」
「終わった物語には、【次の物語】を始める余地があるんだよ」
名前の象徴される物語 §
「ただのレイが、レイ・パルパディーンとされ、最終的にレイ・スカイウォーカーと名乗って終わるのは、良い構成だ。悪のラスボス、パルパディーンの子供と知ってしまったレイの苦悩で進行する物語だからね。これは良い構成だ」
「肯定的に評価するのだね」
「屈折のないEP7あたりよりずっと良いと思うよ」
「屈折を嫌う人も多いよ」
「だからこの映画の評価はマニアから低いのだと思うよ」