「これも24時間テレビのアニメだが、映画扱いで感想を書こう」
「なぜ見たの?」
「ビジュアルが気になってねえ。動物なのか人間なのか」
「それで見てどうだった?」
「24時間テレビの手塚アニメの中では出来が良い方ではないだろうか。ストーリーの全体構成は非常にまとまっている。まあ問題はあるけどね」
「良いのはどこ?」
「4匹の動物が集まり、人間になり、そして成功するが切羽詰まった状況で一匹ずつ動物に戻って行く。もう人間には戻れないと知っていながら自分の意志で戻って行くのは良い物語の組み立てだよ。ドキドキ感がある」
「じゃあ問題はどこ?」
「動物に人間になる力を与えた宇宙から来た女神がそれっきり出番無しというのはバランスが悪い。まあ細かい文句を言えばいくらでもあるが、まあ全体が上手いからまあいいかという感じになる」
「どうして、ブレーメン4だけ突出してストーリーの出来が良いのだと思う?」
「おそらく、ブレーメンの音楽隊という原作を膨らませて作った話だからだ。キャラクター的にも基本の4人はブレーメンの音楽隊の四匹を膨らませて作ったキャラクターだろうし」
「なるほど。事実上の原作ありか」
「実は、手塚治虫は連載が多く、1エピソードごとに構成するのは上手いが、映画的な長編のストーリー構成が下手だったのではないかと疑っている。あるいは大長編なら上手くやれるが、短い長編が弱い。1~2時間の映画、アニメになると弱くなってしまうのではないだろうか」