「ロケ地の話は別途書いた」
「ではロケ地以外の感想を頼む」
「うん。まず子供の頃、【好き! すき!! 魔女先生】は好きだった。なので、大人の目でもう一度見ておく必要は感じていた」
「当時他に好きだったのは?」
「5年3組魔法組とか少年探偵団(BD7)とか。あと10-4 10-10とか」
「見事にウルトラシリーズがないね」
「おっと失礼。キャプテンウルトラも好きだった」
「ぎゃふん。見事に巨大ヒーローがいない」
「しかし、当時の感覚だとたぶん【好き! すき!! 魔女先生】と【5年3組魔法組】は近いカテゴリだったと思われる」
「どう近いの?」
「子供と不思議な大人の女性が対峙する構造が同じだ」
「でも、魔女とかぐや姫先生ではかなり違うよ」
「そうだな。だが、まだ性を自覚する年齢ではなかったのだろう。かぐや姫先生の色気はまだ分かっていなかった」
「それで?」
「おそらく、70年代前半だから、ふわふわとした【良かった】という感想しかなかったが、70年代後半だったらかなり強い印象が残ったと思うよ。性への目覚の導き手になったかもしれない。そういう意味ではキューティーハニーに近い」
「で、今の目で見てどうだい?」
「うん。これは非常に良くできている。キャラクター、ドラマ作り、どれも上質だ。キャラクター的には、かぐや姫先生のキャラクターが活動的でミスも多く、物語が好ましい方向に転がっていくようになっている。また、お爺さんに相当するバルがいるが、お婆さんに相当するキャラがいない。そのあたりの人数の整理のおかげで話の見通しが良くなっている」
「変身アクションは?」
「活動的なかぐや姫先生が変身して戦うのは自然な流れで好ましい。また、18話冒頭の野球シーンで、子供は男女共に短パンなのに、かぐや姫先生だけミニスカなのは健康的な色気があってよろしい。逆に子供には変な色気を与えていないのも良い」
「1971~2年ならまだ学校の体育はブルマが多いよね?」
「でも女子も短パンだった」
「ふむふむ。子供に色気は与えないが、かぐや姫先生には積極的に与えるわけだね」
「主人公補正だ」
「戦闘になると、気色悪い怪人とミニスカノースリーブのアンドロ仮面が格闘するわけで、これも色気がある。しかも、アンドロ仮面は拘束されることも多いので、いろいろと変な性癖が刺激される内容だ」
「キューティーハニーに先行する性癖の刺激作としても注目に値する。こうなると、吾妻ひでおのコミカライズも読んで見たいよな」