「これはドラえもん映画史上でトップクラスの傑作ではないだろうか」
「そんなに凄い?」
「オープニングが凄いとは思ったが中味も凄かった。見始めたら最後まで目が離せなかった」
「エンディングは?」
「エンディングも凄かった」
「結局、どこが最も凄かった?」
「冒険する必然性の踏まえ方も上手いし、ドラえもんの頭を欠陥品にしてのび太がアイデアを足さないと話が進まないのも良かった。でも最も良いのはゲストキャラだと思う」
「リアンのチームだね」
「リアンのチームは全員個性的で、キャラが立っていて、しかも人間味があって魅力的だ。特にのび太達と目線が同じことは特筆すべきだろう」
「そこは重要?」
「そう。ドラえもん映画は、ゲストを助ける話が多い。一部は、ゲストが格上だ。こういう同格の目線は珍しい気がする」
「つまり、のび太チームとリアンチームは事実上一体の一つのチームになってドラマが進むわけだね」
「そう。その時、ちゃんとキャラがかぶらないようになっている。たとえば、しずかちゃんとフレイヤはやり方がまずいとキャラがかぶってしまうが、フレイヤには小さい、裏切り者、リアンが好きという特徴的なキャラクター性が与えられていて、しずかちゃんとは違う。一方でしずかちゃんは戦闘機パイロットであり、その際スカートではない。ヒロイン性はフレイヤに譲っている」
「いろいろ細かいところに配慮が行き届いているのだね」
「うん。良くできている」