「なぜわざわざ見に行ったの?」
「1978年の初回上映に最も近い内容らしいからな」
「それだけ?」
「あと、4K ULTRA HD Biu-Rayも欲しかったからね」
「映画を見た人しか買えない特別先行販売だね」
「厳密に言うと、チケットを提示すると買えるので、見る前に買えるがね」
「ぎゃふん」
「しかし、終わったら拍手が起きてしかもほぼ満席の上映であった」
「中味はどうだった?」
「1978年に劇場で見た映像はこんな感じだったのか……と感心しながら見ていたよ。ともかく映像が美しい」
「1978年はフィルムの状態が良いから美しかったはずなんだね」
「そう。カムバック1978年」
「中味はどうだった?」
「思ったより小粒。斉藤のコスモ爆弾用意は映画にあるとばかり思っていたがなかった」
「実は事前情報でカットされた分も流れていてそれも込みで受け取っていたわけだね」
「そうかも」
「他には?」
「当時、映像が破格に美しかったという印象があったが、今見てもカットによるが本当に美しい。美しさの一つのポイントは透過光。透過光の使い方が丁寧で上手い。それは別としても映像が上品でバシッと決まっている」
「それだけ?」
「実はさらば宇宙戦艦ヤマトはリメイク的ないという理由に気付いてしまった」
「それは何?」
「古代はズォーダーにこの宇宙の全ての生き物に生きる権利があると言っているが、そんな主張は今どきのネトウヨやネトウヨ政治家達には絶対に受け入れられない。彼らは義務を果たした者にしか権利はないと思っているんだ。そもそも彼らには、反乱を起こして戦艦を乗り逃げする行為を肯定的に見なす価値観はない。さらば宇宙戦艦ヤマトという作品は1978年にしか存在し得ないものなのだろう」
「4K ULTRA HD Biu-Rayはどうだった?」
「オマケの復刻絵コンテなんか資料性抜群で凄いぞ。存在したはずだが着られたカットも全部入っている。なんと、4人目のコスモタイガーのパイロット、カツマタまでいる。更に最後のオレンジの人のシーンは絵コンテが2パターンあってどちらも収録されていた」
「凄い資料だね」
「割と実際の映像と違うところは多く、研究すべきところは多いぞ」