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2004年01月08日
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なんていうか、軽巡利根奮戦記~逆転ミッドウェー海戦~帝国海軍ついに勝つ~って感じ? (中編)

Written By: 遠野秋彦連絡先

 これは、「なんていうか、軽巡利根奮戦記~逆転ミッドウェー海戦~帝国海軍ついに勝つ~って感じ?」の中編です。

 前編はこちらにあります。

中編 §

 さて、ミッドウェー海戦をテーマにすることを決めただけでは、まだ書き始められない。次に、架空戦記の定番、凄い架空の軍艦を考えなくてはならない。

 実際には架空の軍艦でなくても、戦艦大和という切り札があって、実際には大和がいなかったあの場所に大和がいれば、とするだけで架空戦記が成立してしまったりする。しかし、逆に言えば、戦艦大和は既に使い尽くされていて、新奇なアイデアもなかなか出てこないだろうし、新鮮味もないと言える。実際、本屋で見ていると、既に戦艦大和は潜水艦にされ、空も飛んでいるらしい。大和がまだ宇宙を飛んでいない理由は、既に架空戦記ブームよりも前にアニメの中で宇宙を飛んでしまったという理由しか無さそうだ。そんな大和を日常的に読んでいる読者を相手に、今更最前線で大活躍する戦艦大和を描いても受けないだろう。

 では、どんな軍艦を扱うべきだろうか。戦艦や空母のような有名な主力艦は、おおむね大和に準じる立場にあって、新鮮味を出しにくい。かといって、駆逐艦のような小型艦では、戦いの流れを変える切り札になりにくい。とすれば、サイズ的に両者の中間領域にある巡洋艦が、対象として手頃そうである。

 実際、いわゆる重巡洋艦と呼ばれる艦種は、軍縮条約で戦艦の建造数が制限されたために、戦艦を補うという意図で建造されているものが多い。それらが、戦艦と並んで活躍するような話は、あり得る範囲と言えるだろう。

 そう考えてくると、1つ面白い話がある。

 日本海軍は軍縮条約でアメリカやイギリスよりも少ない数の戦艦しか作れないことになったので、必死に強力な重巡洋艦を建造した。しかし、重巡洋艦の枠も使い切ってしまったわけだ。だが、より小型の軽巡洋艦の枠は残っている、というわけで、日本海軍は重巡洋艦並の軽巡洋艦を作ろうとした。重巡洋艦と軽巡洋艦の相違は、主に主砲の口径にある。重巡洋艦は、主砲の口径が20センチまで。軽巡洋艦は主砲の口径が15センチまで。そこで、日本海軍は考えたわけだ。日本海軍の代表的な重巡洋艦は、20センチ砲を連装砲塔5基で2×5=10門搭載していた。ならば、よりコンパクトな船体に高性能の15センチ砲を3連装砲塔5基で3×5=15門搭載すれば、重巡洋艦に匹敵する戦力になるのではないか、というアイデアが生まれたわけだ。主砲の口径が小さくなって破壊力が落ちるが、そこは数を増やしてカバーしようというわけだ。しかも、15センチ砲の3連装砲塔と、20センチ砲の連装砲塔は同じぐらいの大きさなので、軍縮条約の時代が終わった後で、砲塔を取り替えれば、まさに重巡洋艦の攻撃力が得られるお得感もある。これは、絵に描いた餅ではなく、実際に軍縮条約が破棄された後で、確かにそれらの砲塔は交換されてしまった実績がある。

 余談だが、余った15センチ砲も高性能砲ということで捨てられたりはせず、戦艦大和、武蔵の副砲として搭載されたという。実は、軽巡洋艦の主砲を転用したために、大和、武蔵の副砲の装甲が薄く、ここが弱点だったという話もあるようだが、これは余談。

 さて、ここでドラマのネタが出てくるわけだ。本当に、砲塔の交換は正しい選択だったのか、という疑問を投げかける意見がある。確かに、20センチ砲の方が砲弾の破壊力は大きく、射程距離も長いが、15センチ砲を使えば、より多くの砲弾を短い間隔で相手に降り注ぐことができる。それにより、より多くの命中弾を出すことができれば、必ずしも20センチ砲の方が優れてるとは言い切れないのではないだろうか。

 しかも、この15センチ砲というのが、非常に出来がよい対空砲としても使える優秀な砲だったという話がある。それに比べて、20センチ砲の砲はイマイチだったというのだ。

 これらのことから、砲塔の交換は間違いだったという主張がある。

 この主張が正しいかどうか、私には分からない。何しろ、兵器マニアではまったくないのだ。兵器の種類やスペックを暗記することもできないし、正しく性能を評価することもできない。

 それでも、ただ1つだけ確かなことがある。より大きな大砲が強いという常識への逆行という意外性のドラマ。そのことを面白く感じた私がいたことは、確かなことだ。

 次の問題は、砲塔の交換が起こらなかった歴史を説得力を持って作れるかどうかだ。その気になれば、いくらでも存在しない過去の経緯を妄想することはできるのだが、どうやらそこまでする必要は無さそうだ。実際に、20センチ砲には問題があったらしいような話がある。

 大砲を撃つと、様々な要因から、ある範囲に落下することになる。特定の点には撃ち込めないわけだ。この範囲を散布界というらしい。20センチ砲は、この散布界が広すぎるから問題だ、という状況があったという人がいる。結局、この問題は解決されたので20センチ砲への交換が行われてしまった。しかし、もし解決できなかったら、砲塔の交換は行われず、15センチ砲を搭載した巡洋艦が、太平洋戦争の荒波に出撃したかもしれない。これが事実なら、過去に存在しなかった事件を妄想する必要はなく、過去にあった事件の結果をねじ曲げるだけで良いことになる。

 さて、次の問題は、これらの巡洋艦がミッドウェー海戦に参加していたかどうかだ。もし、参加していなければドラマにならないのだ。実際に調べてみると、これに該当する4隻の巡洋艦、最上、三隈、鈴谷、熊野は、確かにミッドウェー海戦に参加していた。しかし、あの有名な悲劇の4空母と一緒にはいないのだった。別行動のミッドウェー島を占領するための部隊の護衛となっており、空母対空母の戦いの流れを変えるような立場にはいない。それどころか、一方的に空襲を受け、その後に味方同士で衝突事故を起こすような、あまり格好良くない状況が起きていたりする。

 ということは、よほど大きく歴史をねじ曲げないと、これらの巡洋艦を活躍させるのは難しいと言うことになる。

 だが、ここで落胆するのは早い。

 実は、大きな裏技があるのだ。

続く (続きはこちら)

(遠野秋彦・作 ©2004 TOHNO, Akihiko)

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