2002年03月15日
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宇宙世紀の駄ッ作機 DFA-03 ドップ

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 スペースコロニー建設がピークを過ぎた宇宙世紀0060頃、地球連邦軍は余裕のできた国家予算を使って、装備の更新を始めました。当然、戦闘機も、新機種を開発する予算が付きました。それまで、地球連邦の大気圏内航空部隊といえば、老朽化したロッキードF-47や、スホーイSu-59などを、騙し騙し使ってきたわけですが、やっと新型を手に入れるチャンスが訪れたのです。

 そこで、航空機製造各社に、開発プランを提出させ、コンペを行うことになりました。さっそく、各社は技術力の全てを注ぎ込んで、最新鋭の戦闘機開発プランを連邦軍に持ち込みました。

 その際、ただ単にプランを持ち込むだけでは不十分だと考えた会社もありました。そういう会社は、1社で複数のプランを持ち込んだのです。もちろん本命は1つ。残りは、本命を引き立てるための当て馬に過ぎません。

 そんな当て馬の1つが、新世代の軽戦闘機というキャッチフレーズを付けたF-Lightでした。小回りの利くコンパクトな機体と、広いパイロット視界を併せ持つ安価な機体でした。もちろん、速度、攻撃力、防御力のどれを取っても、最強とは言い難い機体です。それどころか、老朽化したロッキードF-47にすら最大速度が劣るという代物です。

 そのようなプランが提案された背景には、地球上の反地球連邦勢力の弱体化があります。もはや、彼らには大型大出力の戦闘機を運用するだけの資金力はなく、せいぜい20世紀のジェット戦闘機を低い品質でコピー生産して運用する程度でした。たいした精度もなく製作される模造F-16ファイティングファルコンぐらいなら、この程度の戦闘機でも圧倒的に優位に立てるのでした。

 つまり、税金を有効活用することが目的なら、この新世代の軽戦闘機を制式採用することも、けして悪い選択ではないと言えました。

 しかし、連邦軍の高官と、航空機製造会社は、別のことを考えていました。これは一種の利権だから、できるだけ高価な機種を製造して、なるべく多くの予算を取って来ようではないか。そういう目的で機種選定を行う以上、安いことは採用の理由にはなり得ないものでした。

 その結果、制式採用されたのは、大型、大出力、重武装、重装甲、高度な電子装備を併せ持つTINコッドということになりました。確かに、TINコッドは高性能ではありましたが、同時に、とてつもなく高価でもありました。

 さて、時は流れます。一つ目の大きな巨人が北米大陸に降下してきたとき、ジオン軍はTINコッドにより痛い代償を払わされます。降下中のHLVを、幾度もTINコッドに狙い撃ちされ、輸送中の貴重なザクを失ったのです。すぐにHLVを降下させる際は、武装したコムサイを同時に降下させ、HLVを防衛すると共に、ミノフスキー粒子を散布してレーダーに捕捉されることを妨害して、一応は損害をくい止めました。しかし、このときの経験が、ジオン軍に戦闘機は怖い存在であると認識させました。

 北米大陸を制圧後、ジオン軍はさっそく、その「怖い存在」を自軍にも揃えるべき行動を開始しました。しかし、ミノフスキー粒子を散布したら役立たずになるような戦闘機など、ジオン軍には必要ありませんでした。はたして、どんな戦闘機が良いのか。北米の航空機製造企業をまわったジオン軍技術者は1枚の図面を発見しました。それが、かつての新世代の軽戦闘機F-Lightだったのです。

 広い視界と軽快な運動性は、まさにミノフスキー粒子散布下の戦闘に最適だと彼らには思えたのです。それに、製造コストも安く、構造が単純なので生産ラインを用意することも容易です。

 さっそく、ジオン本国で、ジオン軍に都合に合わせた設計の小修正を行うと、DFA-03 ドップの名前を与えて量産に取りかかりました。

 なお、DFA-03というナンバーは、DFは格闘戦闘機(Dog Fighter)、Aが大気圏内機(Aero)を示し、03は3番目の制式採用プランであることを示します。とはいえ、実際にDFA-01やDFA-02が存在するという資料はなく、一種のハッタリとして付けられた番号である可能性があります。また、一説には鹵獲したTINコッドがDFA-01で、設計変更前のF-LightがDFA-02とも言われます。

 またドップという名前は、もともとドッペルゲンガーと呼ばれる予定であったが長すぎるので短くされたと言われています。つまり、まるで同じ機体が複数あるかのように見えるほど、素早く身軽に動ける機体という願いが込められた名前と言えます。

 さあ、これでジオン初の戦闘機は完成しました。次回に続きます。


ご注意: このコンテンツは、「バーチャルネットライター と~のZERO歳」と呼ばれるサイトに書き込まれた内容を変換して、本サイトに転送したものです。このコンテンツの内容は、「と~のZERO歳」という仮想人格が書いたものという設定であり、謎のアニメ感想家トーノ・ゼロと限りなく近いものの、必ずしも同一人格ではないことをお断りしておきます。

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