2002年04月23日
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連邦軍小失敗の研究(2) ジャブローへの一極集中の弊害

Written By: トーノZERO連絡先

 正統があれば異端あり。異端の宇宙世紀史へようこそ。

 連邦軍本部ジャブローは難攻不落の要塞と言われ、事実、1年戦争全般を通じて、ジオン軍の攻撃を全てはねのけました。

 しかし、この世に絶対はありません。実際に、コロニー落としがジャブローを直撃した場合、ジャブローの壊滅は避けられないと言われています。また、水爆を用いた核攻撃でもジャブローを壊滅させることは可能であったと言われます。

 もし、ジャブローが壊滅した場合、連邦軍は再起不能のダメージを受けることになります。指揮系統が全てジャブローを中心としたネットワーク構造になっているだけでなく、連邦軍兵器生産の約半分と、各種訓練機構、間接部門の大半もここに集中しており、ジャブローを失えば連邦軍の巨大組織を運営は即座に破綻することは目に見えています。

 その点から考えれば、ジオン軍がコロニー落としでジャブローを狙ったことは正しい選択だったと言えます。この事実に気付いた連邦は、大量破壊兵器の使用を禁止する南極条約の調印を通じて、ジャブローを守ろうとしたのだと言えます。しかし、南極条約はしょせん紳士協定に過ぎません。ジオンがこれを守ろうとしなければ、ジャブローが破壊された可能性は十分にあると言えます。

 当然のことながら、様々な部門を世界中に分散させていれば、このような危険はありません。それにも関わらず、連邦軍はジャブローへの一極集中を行ってしまいました。これは大きな失敗であると言えます。

 更に、ジャブローは南米の周囲に何もない地域に建設されたために、内部で消費されるあらゆる物資を外部から補給する必要がありました。これに要するコストは膨大なものがあったと言われます。更に秘密基地としての体裁を整えるために、周辺自然環境を維持する環境対策費用も馬鹿になりませんでした。つまり、ジャブローは、連邦軍にとっての弱点であると言うだけでなく、金食い虫でもあったわけです。

 更に戦争中は、ジャブローを絶対的に維持するために大部隊を防衛用に配備すると共に、物資の輸送にも護衛部隊を付ける必要が生じ、驚くほどの資金がそれに費やされたと言います。

 その結果、1年戦争前半期には連邦軍の予算は大幅に不足状態に陥り、本格的な反撃を実施することができませんでした。まさに、ジオンに兵無し、連邦に金無しという状況でした。潤沢な戦時予算が与えられた1年戦争後半になって、連邦軍は反撃を開始しますが、もし連邦軍本部がジャブローではなく、もっと安上がりの普通の施設であったら、もっと早期に反撃開始できたかもしれません。

 それどころか、容易に連邦軍を壊滅させる弱点を晒さなければ、1年戦争そのものが抑止できた可能性もあります。つまり、人類の歴史上最悪の惨事であるコロニー落としを抑止できたかも知れません。

 しかし、連邦軍本部の選定に当たっては、規模と防御力のみが重視され、経済性やサバイバビリティは軽視されたのが実情でした。確かに、それでも連邦軍は1年戦争に勝てたものの、ひどく回り道をしたことになります。もし、ジオンとの経済力の格差がもっと小さかったら、連邦軍が勝てたかどうかは分かりません。


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