2004年01月01日
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事実上最後の作品となる「サンダーバード6号」は本当に駄作か!?

Written By: カワマタアキラ連絡先

 謎のアニメ感想家(笑)、トーノZEROです。

 今日のサンダーバードの感想。

経緯 §

 iEPGの番組表で予約を入れているときに、NHKで「サンダーバード6号」が放送されることに気付きました。サヴァイブの手前の時間ですから気付かないわけがありません。この映画は、レーザーディスクを持っているので (でも未開封なのが泣けます) 特に録画する必要もなかったのですが、音声が新録という可能性もあったので、予約してみました。

 さて、ついさっき、実際に音声が新録だったか確認するために、再生を始めたところ、そのまま最後まで見てしまいました。情けないことに、見てしまったのですよ。他に見るものもあったといのに。

作品の位置づけ (情報としては曖昧な記憶で書いたいい加減なものだ!) §

 サンダーバードは、主にテレビシリーズ(追加分含む)と映画2本から構成されます。その他に、サンダーバードの続編ないし関連作品とされるものはいくつかあります。直接的にサンダーバードを名乗るものとしては、Thunderbirds 2086というアニメシリーズと、現在制作中の映画があります。Thunderbirds 2086は、日本製のアニメで、日本ではテクノボイジャーのタイトルで放送されたものです。テクノボイジャーなら略称はTVになりそうなのですが、なぜかTBと表記していた不思議なアニメですが、海外では素直にTBで良かったようですね。ちなみに、日本では不人気でしたが、海外では人気があって、日本で放送された分に追加したエピソードも作られているようです (確認はしていませんが)。

 そういう流れの中で、一般的にサンダーバードとして認識されているのは、テレビシリーズと映画2本までと言えます。そして、2本の映画の後の方となる「サンダーバード6号」は、事実上サンダーバード最後の作品だと思います。ゲリー・アンダーソン作品としては、このあと、「謎の円盤UFO」等に進んでいくことになりますので、これがこの一連の作品の終わりであるわけではありません。しかし、人気タイトルのサンダーバードがここで終わったという事実は気になることも事実です。

そもそもサンダーバード6号というメカは何か? §

 子供の頃、サンダーバード6号という映画は見ておらず、サンダーバード6号という言葉は模型屋にあるイマイのプラスチックモデルで知ったものです。当時、憧れの凄いプラスチックモデルとして、大きな箱に入ったマイティ号と、サンダーバード6号がありました。サンダーバード6号の箱には大きな未来的な凄い飛行船の姿が描かれていました。そのため、すっかり、この飛行船こそがサンダーバード6号であると疑うこともありませんでした。

 実は、マイティ号の方が欲しかったというのが本音だったのですが、親の選択によって、サンダーバード6号を買い与えられるという事件がありました。

 さて、そこで奇妙なことに気付いたのです。

 組み立て説明書に、飛行船とは別に「サンダーバード6号の組み立て」という項目があるのです。そして、それは小さな複葉機を組み立てるように指示していました。これが子供心に解けない謎となっていました。

 ずっとあとに、テレビで映画「サンダーバード6号」を見て、謎は解けました。

 飛行船はスカイシップ1であって、サンダーバード6号ではなかったのです。そして、ブレインズが最後にサンダーバード6号として披露したものが、あの複葉機だったわけですね。つまり、イマイのサンダーバード6号は、サンダーバード6号という名前であるにもかかわらず、キット内容の大半はサンダーバード6号ではない別のメカであったというわけです。

初めて見た「サンダーバード6号」の悲しい駄作感 §

 最初に「サンダーバード6号」を見たとき、とても落胆しました。なんだこの映画は、と思いました。これを見せられたら、サンダーバード人気も落ちてしまうのは当然だと思いました。

 どこが駄目かと言えば、絶対秘密であるはずの国際救助隊が安易に民間企業と関係を持ち、しかも民間の飛行船の試験飛行にわざわざ1号と2号が飛んできてエスコート。その上、悪の組織相手には警告することもなく問答無用に銃を撃ちまくってアジトを破壊し尽くし、その上、破壊したあと何事もなかったかのように飛んでいく善良さのカケラもない行為。国際救助隊は、こんな人殺し集団ではなかったはずだ、と思いました。そして、クライマックスは延々と続く複葉機の飛行シーン。こんな複葉機を見るために、サンダーバードの映画を見たわけではないぞ、と思ったわけです。

 これはもう1本の映画とは非常に対称的です。こちらの方は、サンダーバードを凌ぐ凄いメカ、ゼロエックスが活躍して、たっぷりとサンダーバードらしさを堪能できます。(しかも、ゼロエックスのテーマは大好きな名曲だったり)

 この2本の映画を比較すれば、サンダーバード6号でサンダーバードが終わったのも当然、という気持ちになりました。

常識をぶち壊す大胆さ §

 しかし、今日、この映画を見ながら、この結論は違うのではないかと思い始めました。つまり、サンダーバード6号は、サンダーバードに対する常識をぶち壊すことをテーマに作られた映画であり、それはイギリス的なひねくれたセンスに裏打ちされていると言うことです。ホラムズさんが大好きなひねくれたセンスというやつですね。

 まず、凄いメカが常に最も役に立つという常識の否定として、複葉機が登場し、しかも最終的な状況で人命救助の切り札になります。サンダーバードは凄いメカ、という常識をひっくり返すひねくれたセンスが素晴らしいではありませんか。そして、民間企業と関係を持つ国際救助隊というのも、彼らは霞を食って生きているわけではない、という痛烈な現実提示とも受け取れます。ブレインズが考案してトレーシーが却下するサンダーバード6号案も、大金を注ぎ込むのに火災の時にしか使えないのでは駄目、というコスト意識が顔を覗かせます。これも、ある種の現実的なリアリティですね。彼らもお金に拘束される中で活動しているわけです。

 そして、最後のクライマックスでは、素人が操縦する複葉機が煙突に突っ込んだり、森に突っ込んだり、建設中の道路に沿って飛んで橋の下をくぐったり、上を飛び越えたり。そんな皮膚感覚豊かな冒険映像を、凄いメカの大活躍の代わりに持ってくることは、本来なら正しいことであると思います。

 つまり、この映画は間違った方向になど進んでいない、と私は思いました。

 しかし、現実の問題として、劇場に足を運んだ観客が期待したものを見せていない、という可能性はあり得ると思いました。その点で、この映画は問題無しとは言えないと思いますが、それも一種のひねくれた魅力だと思います。

新規録音された音声 §

 NHKのサイトの情報を見ると、以下のように書かれています。

今回の映画版「サンダーバード」の放送にあたり、黒柳徹子さん(ペネロープ役)、小沢重雄さん(ジェフ役)、中田浩二さん(スコット役)、宗近晴見さん(バージル役)、里見京子さん(ミンミン役)ら、37年前にNHKで放送したときの豪華オリジナル声優陣が再結集!おなじみの声による、とっておきの吹き替えが実現しました!

 確かに、新規録音のようです。

 しかし、同じ人が声を吹き込んでも、印象はだいぶ変わっていますね。

 特にペネロープの声が老けたのは、とても泣ける感じがあります。声が老けた銭形警部以上に泣けます。

今回の一言 §

 力一杯笑われるブレインズが他人に思えません。

 ある種の常識は、嘲笑をもって迎えられるという状況は、普遍的にいつの時代にもあるのでしょう。

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