謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
6月17日(フジテレビ放送。フジテレビの表記では16日)の銀河鉄道物語の感想。
サブタイトル §
第25話 「命の谺(こだま)」
あらすじ §
ディスティニーに迫るアルフォート星団帝国軍。
ルイはアルフォートの捕虜になっていました。しかし、アルフォートのトゥリルは、妹のリフルを看取ってくれたルイを逃がします。
アルフォート軍を迎撃するために発進するビッグワン。しかし主砲の改造はまだ完了していません。無人の宇宙要塞を戦わせつつ時間を稼ぐ作戦が立てられます。
しかしイワノフはオペレータを銃で脅して無人の宇宙要塞を敵に突っ込ませます。要塞は一瞬で破壊されてしまいます。
作戦が破綻するSDF。
そこでベガ小隊が、ビッグワンを助けるために発進します。巨大砲台グスタフを2両も連結したアイアンベルガーは必死に戦いますが、最終的に撃破されてしまいます。
ベガ小隊が稼いだ時間のおかげで主砲の改造が完了するビッグワン。主砲は敵旗艦を貫き、ビッグワンは敵艦隊に突入していきます。
感想 §
本当に放送されるのだろうかと真剣に疑っていた銀河鉄道物語の続きが放送されました。
同じフジテレビでも、結局途中から放送されなかったR.O.D. The TVなどと比較して幸福な作品と言えるでしょう。
それはさておき、話の内容を一言で要約すると、登場人物達を感動的に殺しまくる安易なお涙頂戴、と言って良いと思います。
もちろん、それだけならこうして感想を書くことはあり得ないのですが。
列車の描写の素晴らしさは、特筆に値します。多くの懸念を差し引いても、ぜひ一言書き留めておきたい気持ちにさせられます。
思えば、アニメにおける列車の描写は、極めて制約の多いものでした。自然なカメラワークで動く列車を描くことは、アニメでは極めてコスト高になる行為です。自然と、バンクに頼ったり、同じ形の車両が何回も繰り返し出てくる形で描いたり、真横から見た形にして1枚のセルを引くだけで描写したり、といった描き方が多くなります。しかし、3DCGの技術が全面的に使われるようになった結果として、大幅に制約は緩和されました。それにより、これまでのアニメにはない自然な列車描写が可能になりました。
そしてそのその価値を銀河鉄道物語は発揮してくれました。特に今回は素晴らしいですね。たとえば、ビッグワンの上にアイアンベルガーが走り込んでくるようなカットなど、ビッグワンの位置も動きつつ、アイアンベルガーが通過していくという非常に色気のある気持ちよく酔える映像に仕上がっています。これは素晴らしいですね。
それからシナリオ上、「おお!」と驚かされたのは、トゥリルによって解放されるルイのシーンです。殺伐とした戦いだけでなく、こういうシーンを描くことができたのは素晴らしいと思います。この点も、あえて感想を書く価値があると思わせた理由の1つです。
今回の一言 §
ビッグワンの編成は途中に主砲の付いた車両が連結されています。だから、「同じ形の車両が何回も繰り返し出てくる」描き方ではビッグワン編成の通過映像を描くことはできません。かつてのアニメ銀河鉄道999では、砲塔の付いた戦闘車両は特別な場合にのみ連結されるものであり、普段は全ての中間車は同じとして描かれていました。しかし、そういう理不尽な狭苦しさを感じることなく、ちゃんと中間に特殊な形状の車両が入った映像を、どんなシーンでも見せてくれるのは爽快ですね。