2004年07月18日
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東京都現代美術館・企画展 日本漫画映画の全貌・企画展 花と緑の物語展

Written By: 川俣 晶連絡先

 今日は東京都現代美術館に行ってきました。

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展示の看板展示の看板 [300x225] [600x450] [750x562] [1000x750] [1632x1224]

企画展 日本漫画映画の全貌 §

 今日の主テーマは、企画展 日本漫画映画の全貌を見ることです。

 なぜ、歴史資料館巡りでアニメなのか、という疑問は当然出てくると思いますが、内容的にはまさに歴史の資料を巡る企画展でした。

 ここでポイントになることは2点。

  • いわゆる日本が誇るアニメについての企画展ではない (漫画映画とアニメはイコールではない)
  • 強く歴史にフォーカスしている

 第1のポイントが示す通り、この企画展には世間で流行るアニメの大半は出てきません。漫画「映画」と書いてあることから分かるとおり、主に劇場用作品を扱っているという部分を差し引いても、人気アニメ映画の大半は取り上げられていません。かろうじて、ジブリ作品などが取り上げられていますが、これは漫画映画の正当なる後継者と呼ぶべき立場の作品群です。それは、鉄腕アトムと手塚プロから始まる日本「アニメ」の路線とは決定的に異なるものです。

 第2のポイントは、日本のアニメーションの始まりはどこにあるのかという非常に重要な問題に対して、歴史的に誠実に対処していることです。たとえば、無責任な通俗テレビ番組などでは、鉄腕アトムから日本のアニメーションの歴史が始まったかのような説明がなされることがありますが、当然それは誤りです。それ以前の東映動画の活動を忘れることはできません。しかし、東映動画が始まりという訳ではありません。それ以前、戦時中にも「桃太郎海の神兵」のような作品が作られています。そのあたりまでさかのぼって取り上げていれば、かなり良心的な部類に入ると思います。

 しかし、この企画展では更にさかのぼります。最初に、欧米の黎明期のアニメーションフィルムを紹介するところから始まり、それが日本に来て影響を受けて製作され始めた作品から取り上げられます。「兵六武者修行」だとか「太郎の番兵・潜航艇之巻」などと言われても、さっぱり分からない人ばかりでしょう。私も分かりません。しかし、この企画展はそれを紹介し、一部は液晶画面で動く映像を流し続けるという快挙を見せてくれます。アニメーションは動くものですから、動いた映像を見せることは重要な価値があります。歴史的にたいへんに勉強になりました。

 それはさておき、最大の見どころは、カリ城仕様のFIAT500が展示されていたことでしょう。屋根の上には膨大な荷物がくくりつけられ、リアパネルが開いてごついエンジンがむき出しになっています。まさに、ルパンIII世カリオストロの城でルパンと次元が乗っていたFIAT500そのものです。これは非常に見応えのある素晴らしいものですね。

企画展 花と緑の物語展 §

 行ったついでということで、もう1つ同時に行われていた企画展 花と緑の物語展も見てきました。開催趣旨は、以下のようなものだそうです。

本展は『花』と『緑』をキーワードとして、印象派を中心にバルビゾン派からエコール・ド・パリまで、日本で特に愛されている近代フランスの画家たちの作品約70点を、新しい視点から紹介する展覧会です。

 時間が無く駆け足で廻りましたが、けっこう目を楽しませることができました。目から接種する文化的な栄養補給になった感じです。

常設展 §

 企画展のセット券では常設展にも入れるということで入ってきましたが、以前に見たものですね。しかし一部は、前回とは違うものが展示されていたようです。そのあたりも、けっこう目の保養になったような気がします。

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