謎のアニメ感想家(笑)、翼の騎士トーノZEROのアニメ感想行ってみよう!
今日のケロロ軍曹の感想。
サブタイトル §
第27話
「ケロロ 父キタル父カエル であります」
「ケロロ 温泉GO!GO!GO! であります」
あらすじ「ケロロ 父キタル父カエル であります」 §
ケロロの父が、地球のケロロのことを心配して訪ねてくると言います。
彼は、ケロロの軍曹としてのお手本、目指すべき目標でした。
ケロロの不甲斐なさを見たら、自分が侵略すると言い出してそれを実行するかもしれない、と言うことで、夏美や冬樹にも協力させ、侵略が進んでいるように見せかけることに。
しかし、父は東京駅に来ただけで疲れ果てて帰って行きます。
あらすじ「ケロロ 温泉GO!GO!GO! であります」 §
ケロロは温泉を掘ることを決め、地底を進む車両、マグマスイマーに乗って出かけます。
しかし、地底で、昔の宇宙人が残した惑星制圧兵器を発見します。地球侵略来たものの、それができず、兵器だけが残ったものでした。
ケロロ達はそれと戦い、破壊しますが、マグマスイマーも壊れてしまいます。
せっかくここまで来たのだから、と温泉を掘ってお湯が出ると、なぜかお湯に浸かったマグマスイマーは直ります。しかしナビゲーション機能は故障したままだったので、元の場所には戻らず、夏美と秋が風呂に入っていたクアハウスに出てしまいます。
ケロロは夏美の怒りに晒されます。
感想 §
これぞ温泉の蘇り効果、で機械が直るというのが笑えて面白いですね。そんなわけあるかい、と突っ込みたくなりますが、根拠のない説得力があります。
何かと理屈を付けて夏美と秋の入浴シーンが繰り返し出てくるのも目の保養になりますね。
ワニ口クリップで電流責め、というシーンは大笑いです。古代の超兵器が、ワニ口クリップを出すという意外さ。
前半も、人間達は原始人ファッションになって首輪も付けられて、なかなか面白いですね。しかも、桃華まで原始人ファッションになったのは意外。もちろん色っぽいから歓迎ですが。しかし、女の子の方が裾が短く足がより大きく見えるのはなぜでしょうね? 不思議です (笑い。
ちなみに、EDがアフロ軍曹に戻りましたね。
ネタ §
相変わらずガンダムと見せかけてXXという路線は健在ですね。
もちろん、ガンプラでシャア専用ゲルググを作っているケロロというシーンのあとで、モアがヤマト風おっぱいレーダーを見ていたりするのもそうですが。
そんなものは前にもあったぬるいネタですね。
今回は、もっと過激にディープなネタに突入。
たとえば、温泉の絵。露天風呂、ジャングル風呂、岩風呂に続いて、ケロン温泉と来て、右下に書いてあるのは「ラドン温泉」ですが、怪獣らしい絵が描いてあります。大怪獣ラドンですね。
地底に行く車両は、まさにウルトラセブンの世界。ウルトラ警備隊のTDF MRI(1?)「マグマライザー」モドキのマグマスイマー。まさに形も名前も実にそれっぽい。ハイドランジャーモドキが出てきたときに、次はマグマライザーだ!と勝手に期待していましたが、やはり来てくれましたね。
しかし、それで終わらないところが今回の凄さ。
地底で発見するのは、マゾーンのペナントのような文字の入った球体。今度はキャプテンハーロックですね。
自爆装置。ポチッといっとく?というあたりはタイムボカンですね。自爆装置は男のロマンです。言葉の意味は分かりませんが、昔からそう言われています。
実はバリアがあった、というのは、もしかしたらThat'sイズミコ? (製作者が付けた記憶のないバリアが発動するシーンがあったような気がします)。
そしてトドメはメガ粒子砲。確かに、ガンダムのメガ粒子砲っぽいものが出てくるのですが、発射トリガはヤマトの波動砲風。トリガ本体の形状は何でしょうね。コスモ爆弾風?
ちなみに、分からなかったのは、マグマスイマーのナンバープレートに書いてあった「け-66」の文字。おそらく何か意味はあると思います。(補足。読み直しているうちに気付きました。6は「ろ」です。つまり、このナンバーは「けろろ」と読めます。たぶん、ブラックマジック M66のもじりではないでしょう)
それはさておき、本当に私が笑ったネタはこれらではありません。
もっと凄いネタがさりげなく仕込まれていたのです。
「いきなりダンゴ」の謎 §
「ケロロ 父キタル父カエル であります」で桃華が持ってきたダンゴですが、箱に「いきなりダンゴ」と書いてあります。
はたして、その正体とは?
おそらく、かつて不人気で打ち切りになったマイナーアニメ、いきなりダゴンのもじりだと思います。誰か分かりませんが、箱にダンゴと書くときに、ダゴンを思い出して、「いきなり」と付けたのでしょう。
とはいえ、12話で打ち切りになった不人気アニメです。話題になることはほとんどありません。いや、皆無と言っても良いかな? 特に、宇宙船サジタリウスという傑作の後を継ぐような形で出てきながら、あまりにも魅力に乏しく、期待したファンに肩すかしとなったという状況からして、話題にしたくもない作品とすら言えるかもしれません。(個人的には、全部駄目だったとは思いませんが)
とまあ、そんなマイナーでかつ話題にもなりにくい作品のタイトルのもじりが、さらっとダンゴの箱に書いてあるというのが、実に私のツボに入った笑いとなったわけです。マグマライザーモドキが出てきても、それは予測の範囲内だったわけですが、いきなりダゴンは予測範囲外です。前回のポリアンナネタと同様に、まさかケロロでそこまで、という驚きの領域にあるネタです。
この驚きは貴重です。この作品のスタッフが飲み込もうとしているのは、ガンダムだセブンだという狭い領域ではなくなりつつあると言うことです。そのスケール感の大きさは、今のアニメ作品にあっては、途方もないものだと思います。
しかし、実はこの事実から、もっと驚くべき別の結論を導き出すことができます。
当然のことながら、いきなりダゴンを理解して笑え、と言っても無理があると思います。多少知っているつもりのマニアでも、いきなりダゴンを知らない人は多いでしょう。まして、普通の視聴者が知っている可能性はとても低いと思います。(もちろん、いないとは言いません。地上波で放送されたアニメなのだから、相当数の人が見ているはずです)。
では、視聴者はいきなりダゴンを知らなくても良い、と言うことでしょうか。おそらく、それは「肯定」でしょう。それを知らねば楽しめないような作りにはなっていません。
では、知っているべきネタと知らなくて良いネタの境界線はどこにあるのでしょうか。たとえば、いきなりダゴンは知らなくても良いがセブンは知っている必要があるのでしょうか。おそらく、セブンを知っている必要はないでしょう。境界線はそこには無いような気がします。では、ガンダムとセブンの中間に、境界線があるのでしょうか。冷静に見てみると、このケロロ軍曹という作品は、ガンダムを知らないと楽しめない作りになっていないように思えます。ガンダムを知らない視聴者が見ても、ケロロ軍曹は楽しめると思います。あくまで、ネタは独特のノリを実現するための装飾品として機能しており、作品の骨格になっているわけではありません。
つまり、いきなりダゴンを分かっている必要はない、ということと同じ次元で、ガンダムを分かっている必要は全くない、という結論に達します。
これによって、なぜ、夏美×ギロロのような、マニアックな知識を持っているとは思えない少女達のファンが存在し得るのか、という疑問への答えになる……かもしれません。
そして、それが正しいとすればネタの無限の暴走が可能である理由も明らかです。視聴者が知っている必要のない領域で使われるネタであるからこそ、いくらでもマニアックになれます。
この先、どんなネタが出てくるか楽しみですね。クックック (クルル風笑い)。
今回の名台詞 §
夏美「弟がだんだん遠くなっていく」
肉親が取り込まれていくのは恐ろしい描写ですね。本人は楽しげですけど (笑い。