トーノZERO, THE BELKANアニメ感想家(笑)のアニメ感想を参ります。
今日の舞-乙HiMEの感想。
サブタイトル §
第18話「ホワイトアウト」
あらすじ §
ヴィントブルームはナギに支配されます。
ナギはスラムの住人をヴィントブルームから追い出します。
マシロはその難民に紛れていました。
マシロは、難民達から恨まれていることを知り、ショックを受けます。
別グループの難民にマシロの女官が紛れていました。そして、アオイが女官だとばれます。
アオイは、マシロの行方を言うか、それとも死ぬかの選択を要求されます。
アオイはそこにマシロがいると知っていて、居場所を答えず、自ら死を選びます。
それを見ているマシロは、アオイのところに行きたいのに足が動きません。
マシロは、一人で砂漠の中を歩き、倒れます。
一方、アリカはどこかで元気に生きていました。
(うーん、あらすじとはいえ、あまりにも多くの展開をはしょりすぎの感が……)
感想 §
うーん、これは凄い。
前回のラストシーンは、アリカとニナの激突で終わったわけです。
当然、そのバトルがどのように展開し、収束するのか。
そこでウォンはどうするのか。
そのあたりが期待される見所となるわけですが。
いきなりかっ飛ばしてくれますね。非常に良い意味でかっ飛ばしてくれます。
今回の主テーマは、アリカでもニナでもありません。そもそもアリカなど生死不明で、最後にちらっと元気な姿が見えるだけ。
その代わりに主役となるのはマシロ女王。難民に紛れて歩き続け、女王に対する罵詈雑言を聞かされます。もちろん、難民達はマシロが女王だなどとは知りません。マシロに親切にする女の子にしても、マシロの前で女王への恨みを語り続けます。
それだけではありません。
アオイが女王の女官として詰問されているときに、マシロは行動を問われます。自ら女王として名乗り出てアオイを庇うという選択はあり得たわけです。しかし、マシロは足が動かなかったのです。ただ単に、罵詈雑言に耐えるという受動的な試練だけでなく、自ら能動的に動かねばならない試練にもマシロは敗北してしまうのです。
更に……。アオイはマシロを庇って死を選びます。実は、ここでアオイがマシロを女王だと告発する展開よりも、もっとマシロにとって残酷です。つまりそれは、アオイの命によって維持されねばならないほど、マシロは弱い存在だという証明になってしまうからです。しかし、それだけの代価を払ってまで維持される価値があるという自信を、マシロ自身が持てません。
ここまでマシロを真摯に追い込む作品作りは、まったくもって敬服します。ここまできちんと、心に対して与えられる試練のドラマを真摯に作っている事例は、それほど多くはないのではないでしょうか?
更に感想 §
実は、アオイの心理描写も注目すべき点です。
アオイには、マシロを告発するという選択もあったはずです。
そして、一時はそれが起こりうるだけのムードも感じられました。
しかし、本当に真剣に泣いているマシロの顔を見たら、告発することはとてもできなかったのでしょう。
ですが、もしもマシロがヘラヘラと偉そうに笑っていたらどうなっていたでしょうか。その場合のアオイの行動は分からないかもしれません。
今回の一言 §
ナギに怒り、ヴィントブルームに行こうとするハルカちゃんを止めるために殴って気絶させるというあまりにストレートな描写が笑えますね。
しかし、ハルカちゃんのストレートな気持ちはとても清々しくて魅力のあるものです。