モデルグラフィクス2006年8月号の61ページに掲載された"WWIIアメリカ海軍 護衛空母 インディペンデンス ドラゴン 1/700"という新製品情報。
いや~、護衛空母というのは、ワイルドキャットとシャーマンと並んで好きなものですから、思わず目を引き寄せられてしまいました。
しかし、調べ始めると情報が錯綜して良く分からないことが多いことが分かってきました。
というわけで、軽く調査しました。
そもそもインディペンデンスって? §
インディペンデンス_(CVL-22)より
艦は軽巡洋艦アムステルダム(USS Amsterdam, CL-59)として起工する。1942年8月22日にニュージャージー州カムデンのニューヨーク・シップビルディング社でCV-22としてローリー・ワーナー夫人によって進水され、1943年1月14日に初代艦長G・R・フェアラム・ジュニア大佐の指揮下就役する。(中略)続く作戦は10月5、6日のウェーク島攻撃であり、その間に艦種がCVLに変更される。作戦は1943年7月15日に行うよう再度指定された。
えー、つまりインデペンデンスはCVL(軽空母)であってCVE(護衛空母)ではないわけですね。
その点で、まず記述に問題があります。
私が好きなのは護衛空母であって軽空母ではない訳ですから、実はここで論外という状況に陥りました。ってか、インディペンデンスは護衛空母ではないことに、もっと早く気づけよ! そういう記述はどっかの本で読んでいたはずなんだからさっ!!
本当に新作なの? §
ハセガワのドラゴンモデル社新製品予定を調べると以下のように書いてあります。
WWII インディペンデンス級 空母
(プレミアム エディション)
新金型追加!
★透明成型フライトデッキ新規 ★F6Fヘルキャット、TBF/Mアベンジャー付属 ★エッチングパーツ付属(ハンガーベイプラットホーム、ラジオタワー、SKレーダー、クレーン) ★新規カルトグラフデカール付属! ★他多数、
プレミアム エディションという以上は、それ以前にプレミアムではないエディションが存在していたはずです。しかし、それが見つかりません。
そうこうしているうちに、妙な記述が。
インディペンデンス級軽空母より
このインディペンデンス級軽空母も元ピットロードのキットですが、ドラゴン製も市場から消えて久しいですし、米機動部隊を編成する場合、エセックス級と並んで高速機動部隊の中核をなす艦ですから、気になる方はどうぞ!ドラゴン製ですので、次回入荷は未定でしょうから、是非欲しい方は「予約」をオススメします。
ええ!?
元ピットロードのキット!?
つまり、タミヤのボーグと同じような来歴を持つキットということ!?
ちなみに、WikiPediaのピットロードの項目には、以下のような気になる記述もあります。
護衛空母ボーグや独英の駆逐艦など田宮模型が買い取ってウォーターラインシリーズに組み入れたものや、上海ドラゴンモデルが買い取った金型もあるが、米インディペンデンス級軽空母のように所在が判らなくなってしまったものもある。
これによると、インディペンデンスの金型はドラゴンが買い取ってはいないことになっています。
とはいえ、ピットロードがインディペンデンスのキットをリリースしていたことは間違いないようで、一応納得できる状況には達しました。
結論 §
なんとなく新作っぽい書き方をしていたモデグラの記事は、完全新作と理解すると誤り。
また、護衛空母という表記そのものも間違い。正しくは軽空母。
というわけで、慌てるような話でも無かったという結論ですね。
なぜ激しく反応しちゃったのか!? §
タミヤの(つまり、元ピットロード)のボーグが物足りないから……ですね。
今時のウォーターラインシリーズ新作に匹敵するぐらい気合いが入ったジープ空母のモデルが出れば、本当に即座に買いに行くわけですが……。
ちなみに、付属搭載機はF6FじゃなくてFM-2ね。F6Fでは、ジープ空母らしいムードが出ないのです。