仕事が山積していますが、体調が悪くなると、仕事もこなせなくなるということで、少し反省して身体を動かすことにしました。
身体を動かすなら、まだ訪問したことがない庭園が良いだろう……ということで、前から気になっていながら行く機会がなかった旧安田庭園に白羽の矢を立てました。
ちなみに、すぐ近くの江戸東京博物館では江戸城の特別展をやっていて見たいのですが、休日に行っても見られないだけなので今日はパス。
ついでに、前から気になっていた横網町公園にも寄ることにしました。
旧安田庭園 §
海面の干満に連動して水位が変わる塩入の池を持つ庭園です。(現在は貯水タンクで干満を再現しているとのこと)
規模は小さいのですが、浜離宮恩賜庭園等と比較して、ユニークでとても良い庭園だと感じました。
旧安田庭園を他の庭園と違って特徴づけることは3つあると感じます。
- 隔絶した異空間ではなく、周囲の民家等がよく見える
- 庶民信仰の雰囲気が色濃く入り込んでいる
- 両国公会堂という施設と一体になって景観が完成している
最後の項目は、以下のような光景を意味します。

実に素晴らしいですね。
1枚の絵になります。
両国公会堂は既に使われていませんが表に回ってそちらの写真も撮ってきました。
横網町公園 §
旧安田庭園のはす向かいにある公園です。
しかし、完全に見誤っていました。
これは完全に、関東大震災と太平洋戦争での空襲に特化した一種の歴史資料館です。
震災記念堂・東京都慰霊堂に入ると、壁には空襲を受けた東京の写真がずらりと掲示されていました。

更に、復興記念館の方は完全に歴史資料館そのものです。

これらを見て、これは東京人が知っていなければならない場所だと感じました。東京都民とは言い切りませんが、東京圏で生まれ、育ち、死んでいく者であれば1回は訪問すべき場所ではないかと。
死者を祭るという機能性を持った公的な施設ではありますが、明らかに、靖国神社の遊就館などとは全く異質なものだと感じます。遊就館が、国家戦略的なきれい事の歴史観を示すだけなのに対して、この施設はその土地で生きる者達の生活のリアリズムの上に立脚した「大きな惨禍を乗り越えた自信」を示す施設であるように感じられました。
たとえ大きな惨劇が訪れ、それがいかに大きな悲劇を生もうとも、東京人はそれを乗り越えて東京を復興させるのだという自信が、この施設からは感じられました。