国土地理院の航空写真はWeb上でも公開されていますが、200dpiまでで解像度が全く足りません。これより高解像度の航空写真はオーダーすることで購入できます。最大解像度は2540dpi(10μ)のようですから、差は歴然です。
実際に2540dpiの1948年3月29日米軍撮影のUSA M871 48を購入してみましたが、金と納期は掛かるが非常に簡単に入手できることが分かったので手順を書いてみます。
購入手順 §
購入手順はいろいろありますが、クレジットカードがあれば最も簡単に購入できると思われる手順を書きます。
その1・必要な航空写真を探す §
以下のシステムで必要な航空写真を探します。
その2・入手手続きをWeb上で行う §
欲しい航空写真を表示状態にしたら、左下側の領域にある「入手先」をクリックします。下の画面写真で青で示したボタンです。

ここで、隣に「入手方法」というボタンがありますが、ここでは使いません。この航空写真が欲しいわけですから、入手方法について知りたいと思うのは当然でしょう。そして、このボタンを押せば入手方法の説明が得られるのも確かです。しかし、最短コースでオーダーする手順は「入手方法」ではなく、「入手先」です。
これさえ乗り越えれば、もう勝ったも同然、あるいは買ったも同然です。
その3・地図センターでオーダーする §
ここで地図センターのサイトにある「国土地理院撮影の空中写真 - 地図センターネットショッピング」に飛ぶので、そのままオーダーを実行します。これ以降は難しいことは何もないので、詳しい説明は省きます。オーダーの申し込みフォームは印画紙用の下にデジタルデータ用があるので、そちらを使います。クレジットカード番号等を含めて必要事項を記入してオーダーします。写真を示す整理番号のような番号は自動的に引き継がれているので、あらためて入力する必要はありません。
ちなみに、データは非圧縮TIFF画像ファイル1つをCD-RないしDVD-Rに焼いて届きます。
納期 §
「本商品は受注生産です。発送まで2週間ほどかかりますので、ご了承ください。」と書かれていますが、私がオーダーした航空写真の場合、2008/04/04早朝にオーダーして、2008/04/12に到着しました(8日で到着)。おそらく2週間はワーストケースだと思われます。
補足・どの解像度をオーダーすべきか? §
オーダー時に最も悩むのは解像度としてどれを選ぶべきかでしょう。解像度によって大幅に価格が変わるからです。
- 30μメートル(847dpi)
- 20μメートル(1270dpi)
- 15μメートル(1693dpi)
- 10μメートル(2540dpi)
漠然とした個人的な第1印象から私の買った米軍撮影の航空写真について言えば、10μメートル(2540dpi)でオーダーする意味はほとんど無いと思います。半分に縮小しても、得られる情報は大差ない感じです。いくら細かくスキャンしても、1ピクセルごとに鮮明なデータが得られるわけではなく、ぼやけた像しか得られません。もしかしたら、写真の粒子を意識する場合は高解像度にする意味があるかもしれません。
実際の利用では1/4でもかなり行けるという印象です。ですので、20μメートル~30マイクロメートル程度で大抵の用途には耐えるような気がします。
ただ、より新しい航空写真はもっと鮮明かもしれないので、高解像度の写真を買う価値があるかもしれません。
感想 §
以下は、私が買った写真の感想です。別の写真では違うかもしれません。
車はだいたいの形状が分かります。電車は、1両単位で分かる他、パンタグラフがある(と思われる)箇所の明るさが変わっていて識別できます。ベンチレーターは見えません。(レベル補正しながら見ると、見やすくなります)
地図に対する航空写真の決定的長所は地図で省略されがちな水路が確認できることです。しかし、確実に把握するには高い解像度の航空写真が必要です。実際、前々から気になっていた玉川上水から下高井戸分水が別れる分水点をこの写真から調べることができました。これは収穫です。その他、現在の地図と重ね合わせて見れば、もっといろいろなことが分かりそうです。
ちなみに、上が東という90度回転した画像データでした。