スカイ・クロラ The Sky Crawlersを新宿バルト9で見てきました。
ネット予約 §
ネット予約の威力は絶大です。公開初日ですが、予約さえ通っていれば確実に席があります。これまで、混みそうな初日に映画を見ることは滅多にありませんでしたが、これからは割と頻度が増えそう。しかも、バルト9の交通の便の良さは絶大です。京王線から都営新宿線に入って、新宿三丁目駅の地下道出口の目の前。猛暑の日でも地上を歩く距離は最小。唯一の問題は、1駅間だけ都営地下鉄に乗るため、電車賃がやや割高になることだけ。
まさに映画に関して、ネットの普及によって得られた最大の長所はこれでしょう。ネット経由で映画の違法コピーをやり取りするなど、人間のクズのすることです。本当の映画好きなら、そんな目的のためにネットを使うわけがない。
余談ですが、最近は映画の違法撮影録音に関する警告が入りますが、これは価値があります。なぜかといえば、これが入ると予告編は終わって本編だと分かるので。昔は、区別が付きにくかったのですよね。
混雑状況 §
満席だったようです。次と次の上映も満席になっていたようです。
なぜこの映画にこれだけ客が集まるのかは良く分かりませんが、ともかく人でいっぱいでした。
飛行と空戦 §
いや本当に飛行と空戦の描写が凄い。3次元的に飛び続ける飛行機から見た主観視点の映像など、本当に生々しい。計器板があって、キャノピーの枠があって……といった視界を遮る不自由さのある描写もいい。見たことのある映画の数が少ない私が断言できることではありませんが、これはアニメのみならず映画一般を含めて、世界1の描写かもしれません。つまり、現物を飛ばして取った映画を上回っている可能性があると思います。
森博嗣作品として §
森博嗣「スカイ・クロラ」(シリーズ1作目)とは結末が違います。(昨夜2回目の読了をしたばかりなので、間違いない)。この結末は森博嗣らしい結末だったと思いますが、映画の結末は押井守らしい結末だと思いました。そして、おそらく商業的な映画として成立させるために、「ティーチャーを倒しに行く」という結末は必要だったのだろうと思います。それは、映画「魔女の宅急便」で、ログハウスのシーンで全て語り終わっているのに飛行船からの救出シーンが必要とされたとようなものです。
しかし、そうだとしても森博嗣らしいある種のムードは確かに映像の中にあったと思います。
萌えはない §
娼婦はいてもメイドはいません。明瞭な萌えキャラも無し。ロボットもビーム兵器もありません。
そういう映画に、なぜ客が入るのか不思議でなりません。
いったいどのような人たちが、何を期待して金を払っているのでしょう?
結論 §
120%満足しました。最大級の賛辞をあげていい。
悲劇のように見えて実は悲劇ではなく、当事者は苦悩しているのに部外者からは甘美な誘惑の世界に見える、ある種の無限世界ですね。
泣いていいのか笑っていいのかも分からない、一種言語にできない独特の感覚です。
そうそう。この映画は絶対に音響設備の良い劇場で見るべきです。