「本物のボツ原稿を解説する原稿も没ってどういうことやねん」
「一度不適切だと思って没にしたが、実は別の意味で価値があると思って復活させたけど、やはり気に入らなくて没にしたんや」
「もっと詳しく書いてくれ」
「イヤだ。書くぐらいなら没にはせん」
「せめて結論の要約だけでも」
「ではまとめだけでも」
- どんなにガ○ダムの強さを言ったところで、「でもスカートめくりしてくれないよね」で終わり
「それだけ?」
「うん、それだけ。ああ、ちなみに以下の文章が補足で付くのだ。
- その点、実は洗濯出動してくれる∀は強敵だったりするけどね
「それだけ?」
「うん、それだけ。もう補足も付かないぞ。オマケは付くけど」
「オマケぐらいは掲載してよ」
「いいとも」
オマケ §
「ははぁ。だから、ザクと言われてザックなのね。ギャラクティカに行っちゃう訳ね」
「でも、そこからボツネタとして、ダグラムにつなぐアイデアもあったわけだ」
「ダグラム? ダグラムにザクみたいなロボット出てきた?」
「ロボじゃないけど、ターボザック」
「うはっ。ただのパワーアップパーツ。難しい!」
「ボトムズはなんだかんだでちょろちょろ続いてるけど、ダグラムは続いてないものね」
「かなりマイナーです」
「とはいえ、割と狙っている線は悪くない気がするぞ。そもそも、話が外を向いているしね。さらばやさしき日々よ」
「外? どういう意味?」
「ビッグシップエスケープともいうけどさ。安全な僕の家となる船があって、常にそこに帰っていたらまだまだ子供。家族と決別して他の土地に行こうという気概が外向きだ」
「え? ホワイトベースは家になるけど、ヤマトは家ではないの?」
「そうだ。ホワイトベースは帰るところだが、ヤマトは目的地へ行くための道具なのだ」
「それって違うの?」
「ファーストガンダムのストーリーはそもそも地球に戻るという話から始まる。下手をすればジャブローまでがそうだ。この母なる地球への回帰願望が肥大化しているのが特徴とも言える。ヤマトなら第1話の中盤で終わっている地球への帰還が作品の約半分まで肥大しているわけだ。しかも、勝ちながら戻るわけだ」
「その差は絶大ですな」
「その点で、家を出てデロイアに行ってダグラムと出会うまで長い話があるダグラムの方がずっと外向きだね」
「これは意外。ロボットアニメでも評価するんだねえ」
「オレを誰だと思っているんだ。南原ちずるのシャワーシーンでドキドキしたのは君だけではないぞ」
「って同一人物ですがな」
「ちなみに豆知識。ちずるは、千鶴のひらがな書きだと思ってちづると書くのは間違い。実は、ちずるなのだ」
「いや、それはいいから。コンVの何が好きなの? ヒロイン以外で答えて!」
「それは難しいなあ。とりあえず一般論で言えば、ロボットを道具として上手く使っているなら文句はないぞ。たとえば、アニメ作る予算を確保するために玩具メーカーをスポンサーにするような行為を否定するわけではない」
「ふむふむ」
「あるいは擬人化された象徴的な存在として描くとかね」
「たとえば?」
「イデオンとか、もうロボット自身に意思があって操縦者と関係なく動くレベルまで行けばそうだろう」
「ということは自分の意思があるアナライザーもOKなんだね」
「うん。スカートもめくってくれるしな」
つまりだ §
「以上がオマケ? つまりこれってロボット論?」
「スカートめくり論ともいう」
「スカートをめくってくれるといいロボットなの?」
「厳密に言うと違う。子供の頃に読んだ本には、ロボットとは人間のために自分で判断して働く機械全般を言うものであり、人間の形をしている必要はない、と書いてあった」
「なるほど」
「更に、自分で判断せず、人間に操縦されて動く機械はテレビでロボットと称しているがロボットではない、と書いてあった」
「それじゃ、ガ○ダムはロボットじゃない?」
「そうだ。ロボットと称する偽物だ。ジェイデッカーは本物と言えるけどね」
「でも、生物を模した機械がロボットだという話もあるじゃない」
「そうだ。だから矛盾した解釈だ」
「矛盾していてもいいの?」
「その点はどうでもいい」
「というと?」
「オレの興味は判断にあるからだ。だから、ロボットの定義とは関係なく判断にある」
「if文があればいいってこと?」
「いやいや。いくら人間そっくりに動いてもプログラムされた通りに動くだけなら意味がない。自分の進む道は自分で決めないと」
「難しいね」
「そこで、ロボット三原則が出てくる」
「ロボット三等兵?」
「ちがーう! アシモフのロボット三原則」
- 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
- 第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
- 第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
「つまり、判断の基準だね」
「実はある一線を越えるとこの原則に意味が無くなる」
「なぜ?」
「いろいろな理由があるが、人間と人間ではないものの境界の曖昧化もある」
「ちょっとまて。サイボーグ009でもないヤマトの感想でその話題がどうつながってくるのだ?」
「アナライザーだ」
「へ?」
「アナライザーは人間である森雪のやめてという命令を平然と無視してスカートめくりを続けている。これは第二条にアナライザーが従っていないことを示す」
「酒も飲むしな」
「であるから、ロボットが持つべき判断という意味で、アナライザーやロボット三等兵やセクサロイドに興味は持てるが、ガ○ダムやマジンガーZに興味は持てない。操縦者が操縦する通りで自分の判断が無いからな」
「それが結論?」
「そうだ。ただし、おじいちゃんが兜甲児に向かって、マジンガーZがあれば神にも悪魔にもなれると言ってしまうと話が変わってくる。あれはあれで、兜甲児の決断の問題のドラマになるからだ。それはロボットとは別の次元で興味深い」
「なるほど」
「更に、ボスボロットとなると、人間世界のルールに反して三博士を誘拐して作らせるという部分に、人間の苦悩と決断が出ているから興味深い」
「意外とマジンガー派だね」
「でも、それはもうロボットの話ではないよ」
「そうだね。ここらへんでおひらきだ」
「というわけで、スカートめくりをするアナライザーが最高!」