ヤマト完結編の以下の要素が他に松本作品に似ていることに気付きました。
- 大地が宇宙船になって飛んでいるウルクは劇場版千年女王で関東平野が浮上することに対応する
- 周期を持って何回も巡ってくる星はラーメタルでありアクエリアスである
- 水の星は「マリンスノーの伝説」であり、アクエリアスである
調べてみると以下のようなタイミングです。
- ヤマトよ永遠に 1980年
- マリンスノーの伝説 1980年
- 劇場版千年女王 1982年
- ヤマト完結編 1983年
というわけで。ヤマトよ永遠に以降で出てきた松本モチーフを取り込んで成立しているのがヤマト完結編という気もします。
ついでに言えば、映画「我が青春のアルカディア」が1982年であり、完結編よりも前になりますが、ここで使われた「石原裕次郎」起用というパターンが復活編で「石原晋太郎」起用という形で出てきているのかも。そもそも、「人民の移民」という設定そのものがワダチだろう、という話はさておき。
このことは、実は松本氏本人の関与という側面もあるものの、実はもっと違う側面があり得るのではないか、と思えてきました。
それは、松本氏以外のスタッフも、松本アニメに携わったり、松本漫画をよく読むことを通じて、実は松本的モチーフがすり込まれていたのではないか、ということです。
そういう時代だったのではないか、ということです。
つまり、たとえ松本氏の関与が僅か、あるいは無い作品であってもやはり松本的なモチーフが出てきてしまったのではないか、という気がします。
皮肉なことに、どれほど裁判で争ってみても、実際のフィルムには「松本先生の息吹」のようなものが、どこかに必ず見え隠れしているのかも。
余談 §
こちらも、そもそも真っ赤は君の教科書ではなく君の顔だったりするしね。なに? 赤は彗星? 彗星は白色に決まっておる(笑)。
オマケ §
「ってネタが分かりにくいよ」
「いいのだ。とりあえず、姫のためならご飯を抜いても我慢するのだ」
「だから、それが意味不明だろう」
「結局、松本アニメの洗礼にどっぷり浸かった世代だけど、それは999やハーロックを必ずしも意味しない」
「というと?」
「やはり、それとは別にスタージンガーやダンガードAという別のラインがあると思うのだ」
「それで?」
「確かに999やハーロックをテレビで見たことは否定しないのだが、それは意識的に見たものでしかない。一方で、スタージンガーやダンガードAは無意識的に見ているのだ」
「というと?」
「松本ブランドの新作という意識の有無の差だ」
「つまり、999は松本ブランドの新作として見たが、スタージンガーは数多くの子供向けアニメの1本として、子供の立場で見たに過ぎない訳ね」
「そうだ。更に言えば、ダンガードAは子供としても好きな作品だった」
「どうして」
「惑星プロメテへの移住を争うという話だったからだ。悪い宇宙人が攻めてきたので、巨大ロボットが撃退しました、という安直な話ではないからね」
「つまり巨大な船からロボットが発進するアニメだけど、ビッグシップエスケープじゃない訳ね」
「そうだ。ビッグシップだけどエスケープはしていない」
「それだけ?」
「いや。他にポイントがある」
「なんだい?」
「主役ロボよりも、変形前の飛行形態のサテライザーの方が格好良かったし、正義の母艦ジャスダムよりも敵の母艦プラネスターの方が格好良かった」
「トニーハーケンは?」
「金髪美形として若い女性に人気があったらしいが、具体的にはあまりよく知らない。男のしかも子供にはあまり縁の無い話だったかな」
「なんか皮肉だね」
「常識を否定するような革新的な話だったと思うよ」
「そういう意味ではスタージンガーも」
「そうだね。巨大ロボ抜きで、プロテクターを付けただけの人間が戦うというのは、聖闘士星矢の元祖とも言えるが、もちろんその方がいい」
「そういう意味では、正義の否定、巨大ロボの否定という現在の君は松本アニメで作られたようなものだね」
「いやまあ、その前に、アニメンタリー決断を見て、いくら日本を応援しても結局負けちゃう話ばかりという現実に打ちのめされたってこともあるけどね」
「そうなると、正義は必ず勝つ話の空虚さだけが残ると……」
「子供騙しだと子供でも思ってしまう」
「まあ、川上巨人がV9に向けて驀進中の時代なら、プロ野球観戦こそ大人への道だと信じている子供は、必ず勝つという概念を信じられたのかも知れないけど」
「先の戦争で負けた現実を前提に据えちゃうと信じられ無くなっちゃうよね」
更にオマケ §
「話を戻すと、やはりマジンガーの呪縛が多すぎて、そこからの解放者としてのヤマトであり、ダンガードであったという解釈があり得たのかも」
「グレンダイザーの後番組がダンガードだからね」
「ただここでいうマジンガーは何かという問題が残る」
「というと?」
「永井豪とダイナミックプロのマジンガーは必ずしも嫌いではないということが最近分かってきたし」
「というか本当に好きなのは」
「子供の頃に好きだったのはジャンジャジャ~ン ボスボロットだいとか、おなり~っ ボロッ殿だい」
「もはや乗り込んで操縦するロボではない」
「自分で動くロボであり、ある意味でアナライザーのライバルだ」
「ギャグメーカーだしね」
「頑張れアナライザー。フラダンスで対抗だ」
「背景が雪国に変わっちゃうけどね」
「でも、アニメではボロットのそういういい部分が出てこなかった」
「そうなの?」
「ふっ。子供時代の思い出だから、事実か否かは不明だ」
「それで?」
「やはりアニメという意味ではマジンガーへの不満がヤマトで解消され、ダンガードで解消されたのは事実かも。ヤマトが偉大すぎたものの、ダンガードにも存在意義があった」