2010年04月06日
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人数が多すぎる問題とヤマト

Written By: トーノZERO連絡先

 特撮は本当に復権したのか? ゴセイジャーのことで書いた通り、スーパー戦隊という世界は本質的に時間不足と人数過多という問題を持ちます。5人でも既に多すぎるのです。実際、ロボが登場せず時間が不足していないはずのゴレンジャーですら、5人は多すぎます。たとえば、赤はめんたまつながり、青はバリブルーン、黄色はカレー(ないしあんみつ)、桃は「いいわね、いくわよ」と思うと、どうしても「緑の位置づけ」が分かりにくくなってしまいます。本来はフレッシュマンですが、昔は良く分かりませんでした。だから、後番組のジャッカー電撃隊になって4人のサイボーグとなって1人減ることになるのでしょう。

 従って、個人戦闘を前提とするライダーやウルトラと違って、戦隊は常に多すぎる人数をいかにしてさばかくか、という問題とワンセットだったといえるのかも。つまり、人形とロボを売るため、最低メンバー5人と1号ロボ2号ロボが最低ラインとして要求されていくわけです。しかし、ドラマという観点からこれは多すぎます。

ならばヤマトはどうか §

 乗員が多く、名前のある登場人物だけでもかなりの数になります。復活編を横におくとして、第1艦橋に席がある人物に限っても、沖田/土方/山南、古代、島、森、真田、徳川/山崎、南部、相原、太田、アナライザー/北野/土門と多岐にわたります。

 5人どころではありません。

 乗組員を色分けして分類している点も戦隊と似ています。

 ところが、以下の点でヤマトは特異的なのです。

  • 全員が顔を揃える必要はない (単に特攻するだけなら艦長席の古代1人が生きていればいい。変なオレンジの人がずらっと並んでしまうけど気のせいだ)
  • そもそも戦わなくてもエピソードが成立する (ヤマトが1発も撃たないエピソードは珍しくもない。他の兵器すら撃たないエピソードもある)
  • 単純な命令や報告は、名前を覚える必要もない (だから、レーダーの前に森がいるのに、なぜか太田が「ミサイル接近、大型です!」と報告してもあまり違和感がない)
  • 実は組織全体が2つに分かれていて、どちらの所属かを把握するだけでおおむねポジションが分かってしまい、難しくない (ほとんどは古代の部下か、島の部下だ)
  • 役職が分かりやすいので、役職で覚えられる (全員戦士というわけではない)

 実際、名前があって意味がある登場人物は古代と島の2人ぐらいで、後は役職だけで理解しても構わないぐらいです。ただし、死んでしまう沖田艦長と、ギャグが印象的な佐渡先生は名前が残るかも。後は森雪がコンピューターを使ったり第1艦橋でレーダーを見たり看護婦をやったり役職が分かりにくいけれど、「ヒロイン」というポジションは分かりやすいので難しくありません。

 というわけで、劇場版で相原の出番がカットされていても森雪のネグリジェ姿が出なくても、ヤマトの話は成立するわけですね。そこが戦隊パターンと違う点です。

オマケ §

「チームの人数問題は頭が痛くなるね」

「というと?」

「ベストはおそらく4人だろうと思っている」

「5人では多いということ?」

「うん」

「でも、日本の伝統である戦隊は5人が基本だよね」

「従って、色を付けて記号化されることになる」

「誰だか分からなくても色で区別できるわけね」

「そうだ。ヤマトもこの方式で膨大な登場人物を記号化してさばいていると言える」

「しかし、ベストではない?」

「巨大な船を分業で動かすとなると人数は必須だ。色分けも価値があるさ」

「では巨大な船を除外するとどうだろう?」

「実は仮説がある。三銃士はダルタニアンを入れると4人組になるわけだ。これが実はベストのバランスではないかと思う」

「色分けしないで済む限界だね」

「というわけで、ガッチャマンは滅多に5人では出ない。リュウは留守番だが、これは正解かもしれない。留守番が1人いるおかげで、最大4人チームだ」

「なるほど」

「とすれば、やはりヤマトは特異的だね」

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