「というわけで、シャッター アイランドの感想なんだけど」
「はいな」
「TOHOシネマズが1000円の日だったので無理に時間を作ってみてきたよ」
「日本語吹き替え版?」
「そう」
「それで?」
「楽しめた」
「いちばんの見所は?」
「エンディングのスタッフロールが終わって劇場が明るくなって、やっと終わったと立ち上がって振り返ったとき、客席のムードが他の映画と違う」
「どんな風に?」
「ぽかーんと、予想外のものを見せられてどうしよう、って感じでみんな座ってた感じ」
「客はどれぐらい?」
「そこそこはいたかな。席は半分以上空いてた気もするけど。けど、ガラガラというほどでもなかった」
「それだけの観客がぽかーんと」
「本当に、こんな映画を見てしまってどうしよう……という感じだった」
「そこがいちばんの見所だった?」
「だからこそ、劇場で示し合わせいない見ず知らずの人間が同じスクリーンを見る価値があるというものだね」
「肝心の映画はどうなの?」
「連邦保安官が精神病院の監獄島に行くわけだけど、謎だらけ。最初からおかしなことだらけり」
「うん」
「その謎解きだ。謎は解かれるからその点は安心していい。失踪者の行方は判明し、妻を殺した男の居場所も分かり、事件の真相は暴かれる」
「それで? 真相とは?」
「内緒」
「それが肝心なポイントだろう」
「肝心なポイントだからだろう。ネタバレしてはいけないと念が押されていた」
「へぇ」
「ちなみに、ここはネタバレにならないだろうが、本編の前に日本で独自に付けたと思われる映像が少し付いていた。目の錯覚に冠する内容だ。実は同じ長さとかいう奴」
「それで?」
「見終わってみればなるほど、という内容だったけど、ここまで凝っている例はあまり見ないかも。けっこう日本側のスタッフも力を入れている気がした」
「それから?」
「時代設定はある程度抑えておく必要があるかも。1950年代で、説明無しにノルマンディーとかナチスとかいう台詞も出てくる」
「もう1つだけ教えてくれよ」
「死んだ奥さんが何回も出てきて喋りまくった。死んでいる女性が喋りまくるとは、NINEに続いてまただよと思った」
「死んでから喋りまくるとは、新たなる旅立ちのスターシャだね」
「意外とそういう映画は多いのかも知れないぞ」
「最後にまとめを」
「時間ギリギリまで仕事をして駆け込んだから、いつも使っているエスカレーターが点検中で大ピンチ。エスカレーターを探して上がったものの、鷹の爪団のサービスムービー中だった。紙兎ロペは一切見てない。やはり、多少のゆとりはあった方がいいな、という感想でした」
「そんな感想ばっか」
「だって本編はネタバレになるから書けないしぃ」