はたと気付きました。
ドメルが勲章をもらったとき、ヤマトという障害があるという話を聞き、ひねりに行くということになります。
さて、ここでドメルの認識は以下の通りです。
つまり、ドメルに与えられた任務はヤマトを撃破することで、地球移住計画とはその結果実行される後の問題に過ぎません。
しかし、デスラーの認識は違うようです。
デスラーは、早く計画を進めたいのにヤマトが邪魔をしているから、ドメルにヤマトを取り除いて欲しいわけです。
ここで、バラン星基地の扱いに対する認識の差が出てきます。
- ドメル→ヤマトさえ倒せれば後は些細な問題である
- デスラー→これ以上地球移住計画を遅らせたくないから既存の設備を失うのはイヤだ。ヤマト撃滅は、既存設備を失わないための方策の1つである
従って、以下の認識の差が出ます。
- ドメル→ヤマトをより確実に仕留められる作戦が良い作戦である
- デスラー→ヤマトをより早期に仕留められる作戦が良い作戦である
つまり、バラン星に接近するまで待っているドメルの態度はデスラーには悠長すぎると見える可能性があります。
そして、基地の扱いに対して決定的な認識のずれが生じます。
- ドメル→基地を失ってもヤマトさえ倒せれば良い
- デスラー→基地を失いたくないからドメルにヤマトを排除してもらう
失いたくない基地を消耗する作戦など容認できる筈もありません。
だが更に進めると §
では以下の問いかけ、ドメルとデスラーのどちらが正しかったのでしょうか?
- ヤマトとデスラー総統の地球移住計画のどちらが重要か
戦術レベルで考えれば、デスラー総統の方が正しいといえます。
しかし、戦略レベルで考えると、本当にデスラー総統が正しいか疑問も出てきます。というのは、移住先など本来はどこでも良いはずだからです。大小マゼラン星雲内に、いくらでも候補があるはずです。銀河系でも他に候補はいくらでもあったはずです。
むしろ、小マゼラン星雲で戦功を打ち立ててきたドメルは「そういう現実を知っていた」とも考えられます。戦功があるということは、戦って勝つべき敵がいるわけで、彼らの勢力圏には必ず住める星があるはずであり、しかも既に勝っているのです。
とすれば、地球に移住するということはさほど重要な命題ではなく、むしろガミラスに損害を与えるヤマトの殲滅こそが重要だと思い込んでも不自然ではないでしょう。
また、デスラー総統の地球移住計画そのものが、実は不自然でおかしな計画であったということも考えられます。
だから、もしかしたらデスラー総統の地球移住計画そのものがデスラーの真の望みではなく、むしろドメルの解釈こそがデスラーの真の望みだったという可能性もあり得ます。それゆえに、全てを満たす解が存在せず、答えを出さない者をデスラーが許さない以上、ドメルの行き先は「死」しかありません。ヤマトに勝っても、ドメルは死を選んだのではないか、とも思えます。