「仮定タイム!」
「何を仮定するんだい?」
「佐渡先生がもしも女だったら!」
「船医が女になるのはトレンドかね?」
「復活編でも女医だし」
「でも、すぐ戦闘機で出ちゃうから女医と言っていいのか」
「実写版も佐渡先生が女医に変更だそうだから」
「なるほど。リーズナブルな仮定だね」
「まず想定される事態その1」
「なになに?」
「血気盛んな宇宙戦士の皆さんが用もないのに用事を作って医務室に入り浸る」
「そりゃ、才媛の森雪は近づき難いけど、女医なら誰が来ても話をしてくれるからな」
「更に想定される事態その2」
「まだあるの?」
「沖田艦長とのラブロマンス!」
「なんだって?」
「だって、宇宙放射線病で寝込んだ沖田をまめに診察するのは船医の仕事でしょ?」
「つまり、2人が接近するわけだね」
「沖田もまだ40代の男盛りだし」
「相手が頭の禿げた獣医ならともかく」
「女医に接近されたらどうなるか分からんぞ」
「あれ?」
「なんだい?」
「ちょっと待てよ。もしかして、それって沖田と古代の関係に重大な変化をもたらさないか?」
「うん、そこだ!」
「可愛い古代にライバル出現! 沖田が女医の色気に目がくらんだら、艦長代理の地位も危ういぞ!」
「いやいやそうじゃなくてだな」
「どういう意味?」
「古代と雪の接近も早まるのじゃないだろうか」
「そうか。艦長が艦長室で女医といちゃいちゃしていたら部下だって」
「そうだ、部下だって男女でいちゃいちゃして良いのだと錯覚するかもしれない」
「そして、古代と雪も艦内でカップル成立だ」
「まさかそうすると」
「ヤマトにつきもの、反乱でーす!」
「古代、バカなことはやめろ! 1人でイスカンダルに残ってどうするっていうんだ!」
「花嫁ならいるさ」
「はーい、森雪でーす。古代君の花嫁になりまーす!」
「でも、この大陸は今夜中に海に沈むとスターシャさんが言っていたから、移動しておこうね」
「はい、あなた」
「……って、ストーリー展開がまるで違ってしまう」
「人類は地球とイスカンダルの両方で栄えました。おしまい」
「いいことじゃないか」
「でも、そうすると帰り道に古代君が乗っていないからデスラーと対面できない」
「古代君がいないと、まだテストもしていない放射能除去装置のスイッチを入れる理由が無くなってしまう」
「古代君が死んでしまわないわけだからね」
「というかそもそも、いますればいいじゃありませんかとスイッチを入れる森雪も乗ってないことになる」
「さあどうするヤマトよ」
「女佐渡先生の出番だ」
「沖田艦長が死んじゃう!」
「やめろ、医者のあんたに操作は分からない!」
「ホントに難しそう、真田さん代わりに操作してくださる?」
「はーい!」