2010年11月15日
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海保の動画流出問題とヤマト

Written By: トーノZERO連絡先

「世間は海保の動画流出問題で騒いでいるようだ」

「そうだね。賛否両論らしいよ」

「この問題はさ。結局ヤマトそっくりなんだ」

「どこが?」

「良く分からないが、問題をこう捉えておこう」

  • 命令無しに勝手に動画を公開した

「うん」

「ヤマトではこういう展開がある」

  • 命令無しに勝手にミサイルを発射した

「なるほど、そこか」

「ヤマトの場合、ミサイルを撃たねばヤマトは破壊されていた」

「だから、古代の行為はヤマトを救ったわけだね」

「でも古代は沖田に怒られた。ヤマトを救ったからといって、免罪符にならなかった」

「うん」

「沖田が問題にしたのは組織の秩序だ」

「そうだったね」

「問題の所在がどこにあるのかといえば、実は表面的に不利に思える指示は珍しくない。浮上して反射衛星砲にわざと撃たれろとか、濃硫酸の海に潜れとか、宇宙気流に流されろとか、そんな話は多い」

「うん」

「ならばミサイルの発射命令が出ないことも、実は限りあるヤマトの兵装を節約するために、ぎりぎりまで引きつけてヤマトをロールさせて回避する作戦だった、という解釈もあり得る」

「ええっ?」

「実写ヤマトのノベライズに実際に出てくる作戦だ」

「なるほど」

「とすれば、ミサイルを撃ってしまったら作戦の意図がパーだ」

「ということは?」

「古代がヤマトを救えたのは単なる偶然」

「偶然か」

「逆に言えば、スタッフが勝手に判断して動いたらそういう作戦は立てられない」

「作戦が無くなると凡庸で読みやすく、打たれやすい存在になるね」

「波動砲発射要員は敵が出るとすぐ波動砲を撃つ、と読まれてしまえばおとりを出して波動砲を撃たせた後で包囲殲滅すればいい。ワープのエネルギーも残らないヤマトはろくな反撃どころか、逃げることすらできない」

未来予測 §

「じゃあ、君の考えはどうなんだい? 動画は流出すべきだったのかい?」

「さあ。しらん」

「しらんって……」

「今回の件で問題の要点は動画にはない。動画にどんな価値があるのかも重要ではない」

「じゃあ、何が重要なの?」

「指揮権は本当にあるのかということ。現場が独断で動いても許されるということになると、もう海保は外交カードとしては使えない。領海内に入り込んで勝手なことをすると海保が捕まえに行くぞ、とは言えない。何をするか分からないのだからね。要するに諸外国は海保を買収すればやりたい放題ってことだ」

「まだ海自がいるじゃないか」

「海自が出てくるともっと愉快な時代に陥るぞ」

「というと?」

「言うことを聞かない海保を取り締まるために海自が出てくれば、もうそれは内戦そのものだよ」

「そんなバカな」

「武器を持った集団が対立すれば戦いは起こるだろう。早いか遅いかの問題だけだ」

「同胞が殺し合ったら悲惨だね」

「いや、それはまだマシさ」

「というと?」

「内戦状態の国は諸外国のいいカモだってことだ。高くても物資は買わねばならないし、いろいろな資産も戦火で失われる。どさくさに紛れて領土も持って行かれる。いろいろな国からね。ほら日本だってロシア革命の時にシベリアに軍隊送ってるし」

「それは考えすぎだろう」

「いやいや。まだ終わらないよ。内戦は国連の介入を招く。諸外国の軍隊がやってきて、強引に内戦を調停して、救援物資がどさっと届く」

「いいことじゃないか」

「しかし、救援物資漬けになった環境で成長した日本の若者は待っていれば食べ物がもらえると思って勤労意欲も持たない。永遠に支援漬けになる」

「おいおい。それはあまりにも悲惨すぎる考えだろう」

「いやー、なんて素敵な予測でしょう。昔は行きすぎた地方分権で日本が没落していく未来像とか考えていたけどな。こっちの方がもっと未来予測としてはいいかもしれないな」

「そんな未来を想像して楽しいか?」

「楽しいわけないだろ」

「君の理想ってなに?」

「正義の戦争より不正義の平和だよ。どんな大義名分を立てても戦争なんてやったら負けだ。やった時点でそれが負けだ」

「じゃあどうすれば勝ちだと思うんだい?」

「他国の戦争から中立の立場で利益を得ること。自分は参戦せずね。それがイヤならそもそも戦争を廃絶すべし」

「核廃絶なら運動してるけどね」

「それじゃダメだ。核がない世の中というのは、戦争により多くのコストが掛かる世の中だからね。無くすべきは核じゃない。核が無くても悲惨な大量殺戮はできる。後遺症の残る人間も大量に作れる。無くすべきは戦争だ」

しかしヤマトは §

「でもさ。あのときの沖田艦長は少し焦っていたのかも知れない、と今になって思う」

「というと?」

「自分の身体がやばすぎる段階に入った自覚があるんだろう」

「それで?」

「だからなめられてはいけない、という思いがあったのかも知れない」

「艦長として命令が通らないと困るってことだね」

「身体が弱っても艦長の責任は変わらないからね」

「うん」

「でも手術して考えが変わった」

「それが艦長代理の指名ってことだね」

「しかし、沈着冷静な沖田の焦りなど、昔は考えたこともなかったなあ」

「それが大人になるってことかもね」

オマケ §

「戦争はやったら負け」

「勝つ可能性はあるだろ?」

「勝っても三国干渉で美味しいお肉は取り上げられる」

「なるほど」

「ヤマトでもさ。勝てると思って参戦したガミラスは地球に負けたが、参戦していないイスカンダルは生き残った」

「イスカンダルには黒色星団が来たじゃないか」

「イスカンダルの崩壊は、実は戦闘を吹っかけたデスラーに遠因がある。デスラーがもうちょっと冷静なら、ガミラスもイスカンダルも崩壊しなかったかも知れない」

「戦闘行為は問題解決にならないってことだね」

「実はヤマトってそういう教訓だらけなんだよね」

「敵は戦うために出てくるが、ヤマトの目的は戦闘じゃないってことだね」

「放射能除去装置であったりテレサであったり重核子爆弾の起爆装置であったりアクエリアスであったりアマールであったり。戦闘は途中の過程で起こる二次的なイベントに過ぎない」

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