「怪盗グルーを見に行って紙兎ロペの11月の新作をやっと見たぞ」
「その話はヤマトと関係ない」
「いやそうでもないぞ」
「どうして?」
「考えても見ろよ。スモールライトで月を小さくして盗んだらどうなる?」
「どうなるの?」
「月面基地でもどえらい騒ぎさ」
「ヤマトは謀反を起こしてない!」
「そいつはいいや。はっはっは」
「本題に戻ろう」
「府中の劇場で、ヤマトのポスターは電照式の売店前の位置に移動したみたいだ。待遇はいいと思う」
「そうか」
「あと、8番スクリーン前の大型テレビが置いてあるスペースに、折りたたみ式の宣伝ポップが置いてあった。けっこうでかい。目立つ」
「東宝グループの劇場でのヤマトの扱いはいいわけだね」
「怪盗グルーの前にも予告を流したし。トロンは流れなかったけど」
「そうか」
「もしかしたら、単にヤマトの宣伝費が大きいだけかも知れないけど、やっぱりヤマトが露出している状況は気持ちがいいね。ヤマトファンとしては」
「今だけという気もするけどね」
「上映が始まったら宣伝は次回上映作品に取って代わられるかも知れないしね」
「まあ、それはしょうがないだろう。世の中の道理だ」
「せいぜい【今】を楽しむことにしよう。それが三日天下だとしても」
「しおらしいね」
「上映が終わったらガンダム00の存在感はカケラほども残ってない。売店にガンプラもグッズもない。明日は我が身だろうと覚悟するさ」
「そろそろ本題に入ってよ」
本題 §
「昔、ヤマトを感じられる典型的な場所はレコード屋と本屋だった」
「それはどうして?」
「レコード屋はヤマトのLPのポスターとか貼って予約をつのっていた。本屋は山ほどヤマトのムックを並べて売っていた」
「そうか」
「ところが、今は状況が違う」
「どう違うんだい?」
「レコード屋はもうほとんど無い。本屋にヤマトの存在感はほとんど無い」
「じゃあ、ヤマトの存在感はもうどこにも無いってこと?」
「いやいや。実はコンビニと映画館で強く感じる。ファミマ/AMPMと、東宝系の映画館ってことだけどね」
「ずいぶん違うね」
「そうだ。興味深い変化だと思う」
本屋vs映画館 §
「実は、ふと感じることはある」
「なにを?」
「本屋は驚くほど萌えを受け入れているが、映画館は驚くほど受け入れていない」
「どういうこと?」
「近所の本屋にまで山ほど萌えコミックの新刊が積んであるが、府中の8個もスクリーンがあるシネコンで萌えアニメが上映されているところを見たことが無い。自分はそういう映画を見てないという意味じゃない。その8つのスクリーンのどれかで上映されているのを上映作品リストで見たことが無い」
「それは凄いコントラストだね」
「だから、萌えと反ヤマトが同根であるとすると、良く分かる展開なのだ」
「なるほど。本屋というか出版業界は萌えに理解があるがゆえに、反ヤマトであると」
「実は出版人の母体が同人であるケースが多いと仮定すると良く分かる」
「そうか。オタク→同人→出版というルートか」
オマケ §
「怪盗グルーは3Dでみたけど、やっぱり3Dはいいな。ヤマトも3Dでやらないかな」
「それでどうするの?」
「オレのゴーグルは3D対応だ、と格好良く言ってみたいものだ」
「それはなんか違う映画の宣伝ネタ混じった」
「怪盗グルーの宣伝だから違わない。いや違うのか?」
「ははは」
「ちなみに、イナズマイレブンの長めの予告を見たけど、なるほどと思った」
「どこが?」
「歴史改変ネタ……みたいだが、最初から雷門を狙っていたという話らしい。だから、TVシリーズの最初からストーリーがトレースされる。遠堂と豪炎寺の出会いもあるみたいだ」
「まだるっこしいね」
「いやそうじゃない。映画館にはTVシリーズ見てない客も来るんだ。だから、ストーリーが最初から分かるように描く工夫なんだよ」
「えっ?」
「あらすじを説明的に説明しないで、しかし最初から描く工夫なんだ」
「なるほど」
「いろいろなところで上演する演劇で、魔法が使えないという設定の話をやるのと同じことだ。実際に魔法なんて使えないし、凝った仕掛けも仕込めないからね。単純な仕掛けで済む範囲内のお話を作るのが基本だろう」
「物理的な制約の中で、いかに無理なくまとめるのかって話だね」
「だからさ。さらば宇宙戦艦ヤマトでも前作のダイジェストは、仲間に過去を思い出させて説得するシーンに流れることになる。これも構成上の工夫だ」
次回予告 §
「だが、この話には1つの盲点があったのだ」
「それは何?」
「次回に続く」