「久々に笑ったなあ」
「なぜ?」
「こういう文章を見た」
「これのどこがおかしいの?」
「実は、ここでいう『恐ろしいこと』というのは、非RDBのKey-Value Storeを使っているなら当たり前の前提でしかない」
「前提なの?」
「そうさ。たとえば、ある程度の以上のスケールアップを行うには、一貫性の整合性は犠牲にする必要がある。それは前提であって、始めから分かって取り組んでいることだ」
「だから『CommitもRollbackも当然ないため、一貫性がくずれてしまう』と言われても笑っちゃうわけだね」
「そういうことだ。さも意外な事実を発見したように思って主張しているのだろうか、最初の1ページ目に書いてある当たり前の前提だ」
深層の問題 §
「じゃあ、これは何を意味しているのかな?」
「RDBという盤石な王国が崩壊しつつあるという危機感で、RDB屋が怯えているということなのだろう。だから、始めから分かりきったことを、さも『危機』であるかのように叩いている」
「でも、数が数えられないとか、本当に問題ではないの?」
「分散非同期ってのは、そういうことだよ。別の誰かが何をやっているか常に分からない世界だからね」
「じゃあ、本当に怖いことって何?」
「つまり、RDBの常識でこういう新しい世代のストレージを叩いて見せることさ」
「なぜそれが怖いの?」
「聞く側もRDBの常識しか持ってない可能性が高いから、一見正当な批判のように思えてしまうところだ」
「それは怖いね」
「そうだ。真冬の怪談だよ」